「初富士」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「初富士」について
【表記】初富士
【読み方】はつふじ
【ローマ字読み】hatsufuji
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「は」で始まる新年の季語
・「新年の地理」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
初富士を含む俳句例
初富士の朱の頂熔けんとす/青邨
初富士を隠さふべしや深廂/青畝
初富士や石段下りて稚児ケ淵/茅舎
初富士や浪の穂赤き伊豆相模/格堂
初富士の抱擁したる小漁村/たかし
初富士や坂数々の小石川/野村喜舟
初富士や樹海の雲に青鷹/飯田蛇笏
初富士へ荒濤船を押しあげる/波郷
初富士の白し葛西の海濁る/瀧春一
初不二の雪を貢の日の出かな/千兵
初富士の美しく旅恙なく/河合甲南
初富士も大成丸も昔ながら/瀧春一
初富士の光家々傾きて/佐野青陽人
初富士の大きかりける汀かな/風生
初富士や海道長きわが県/百合山羽公
一本の襞初富士を支へたる/皆吉爽雨
初富士に工場地区の音止みぬ/瀧春一
初富士や投錨す湾風吹かず/飯田蛇笏
高速路初富士滑り来りけり/岡田貞峰
雲四散して初富士の夕眺め/久米正雄
俳句例:21句目～
瑞祥のごとく初富士現れし/手塚基子
初富士や双親草の庵にあり/高浜虚子
初富士や箔一枚を置くごとし/石嶌岳
初富士や崖の鵯どり谺して/川端茅舎
初富士を三度拝みて家に居り/萩原麦草
こゝに踏む初富士の裾しろ～と/青陽人
初富士や古き軒端に妻と老い/遠藤梧逸
初富士や浮島ケ原ひろ～と/楠目橙黄子
初富士や澄み極まりし西の空/角川春樹
初富士や籠坂あたり懐しく/佐野青陽人
初富士や草庵を出て十歩なる/高浜虚子
初富士に後ろ向なる渡舟小屋/鈴木花蓑
初富士や蜜柑ちりばめ蜜柑山/石田波郷
初富士や起しある田の二三枚/川村凡平
初富士の天つ袴として立てり/荒井正隆
初富士に雲なく樹海藻の如し/渡邊水巴
初富士や門川の藻のあを～と/勝又一透
初富士や鷹二羽比肩しつつ舞ふ/草田男
初富士をしばらく旅の肘の上/鷹羽狩行
初富士の全容を置く籬かな/北野里波亭
俳句例:41句目～
初富士を見出でし岨の氷柱かな/秋櫻子
夕まで初富士のある籬かな/松本たかし
初富士の夕栄もなく暮れにけり/碧雲居
妻癒えよ一望に初富士初浅間/西本一都
初富士の大雪塊を野に置ける/遠藤正年
父母の家継ぎて初富士まのあたり/麦草
薄雲の中に初富士ありにけり/久米正雄
初不二やいまに変らぬ駿河台/黒木野雨
初不二を枯草山の肩に見つ/水原秋桜子
初富士の海より立てり峠越/水原秋櫻子
初富士の玲瓏巨き創あをし/篠田悌二郎
初富士の胸わたりゆく雲の翳/伊藤敬子
初富士の鳥居ともなる夫婦岩/山口誓子
初富士は裾曲ぼかしに伊豆の浦/原柯城
うらゝ晴れて初富士近し日本橋/三宅孤軒
初富士は枯木林をぬきん出たり/高濱年尾
初富士やねむりゐし語の今朝めざめ/楸邨
初富士にかくすべき身もなかりけり/汀女
海苔舟も見えず初富士なかぞらに/瀧春一
初富士や漆黒の襞は雪をとめず/渡邊水巴
俳句例:61句目～
初富士に牝馬は四肢を揃へけり/倉田素香
初富士に牢獄の扉はめしひたり/西島麦南
初富士の輝やく窓にリス踊る/碓井のぼる
初富士のほど良く見えて松の糶/山本信子
眉の上の初富士に雲なかりけり/草間時彦
初富士の出てゐて好きな榛の道/遠藤梧逸
初富士の命てふ字のごとく立つ/満田春日
硝子絵のよな初富士の浮く浦輪/久米正雄
神棚に代へて初富士拝むなり/大須賀乙字
初富士の小さくなつて昏れにけり/星野椿
初富士や宗吾の渡舟波立たず/石井とし夫
初富士の汀の果てに立てりけり/勝又一透
初富士や秩父にかけて雲もなし/落合水尾
初富士や空に柾目のあるごとく/真田清見
道ばたの家に初富士聳えけり/百合山羽公
初富士は蓮の枯れゐる田のはてに/瀧春一
初富士や常の日課の犬連れて/土橋いさむ
初富士や幾たび愛で来河口湖/東洋城千句
初富士の自負に陰翳ありにけり/大橋敦子
初富士の紅さしそめて町の上/勝俣のぼる
俳句例:81句目～
初富士や母を珠ともたとふれば/中村汀女
初富士や瑞山は未だ明けきらず/松浦其国
初富士が車窓にありて誰も言はず/今瀬剛一
初富士にふるさとの山なべて侍す/藤田湘子
初富士のかなしきまでに遠きかな/山口青邨
初富士の今し天地をつなぎけり/藤田つとむ
初富士の大きく見ゆるところまで/石川英利
初富士の暮るゝに間あり街灯る/深見けん二
初富士へ農家はラヂオかけ放す/田川飛旅子
初富士へ化粧が濃いとひとり言/田川飛旅子
初富士を見る足許をしかと踏む/山王堂正峰
畝ひとつ越え初富士に歩みよる/上田日差子
初富士の見えて機内のアナウンス/和田郁子
初富士も藁屋もうつる水田かな/楠目橙黄子
大寒波より初富士の起き立てる/百合山羽公
初富士や湯釜たぎりて鳴りやまず/八十島稔
野に低き初富士にして畦照らす/市村究一郎
初富士を眺めの句座をしつらへん/高木晴子
初富士の秀をたまゆらに山路ゆく/皆吉爽雨
初富士の鼓動聞こゆるところまで/安斉君子
