俳句例:101句目～
初明りふたり暮しのひとり起き/高島筍雄
書の面の灯色に代はり初明り/中村草田男
母と我の座がかはりをり初明り/中嶋秀子
四方の海の真中の國ゆ初明り/五百木飄亭
歯磨の香に恍惚として初明かり/夜基津吐虫
初明りまとひつつありぬわが峠/新谷ひろし
初明り生きて来し身を起こさうか/近藤重郎
水尾引いてをりたるは鳰初明り/石井とし夫
住み古りて霜すさまじき初明り/殿村菟絲子
誰か早やポンプ使ひし初明り/阿部みどり女
初明り我が家枯野に坐りゐる/阿部みどり女
初明り象あるもの眼に見えそめ/小川双々子
降る雪やひとひらづつの初明り/金箱戈止夫
平家納経ほのめく箔の初あかり/平井あい子
初明りまなこあることありがたく/河野静雲
鞠の如く見えし子愉し初明り/長谷川かな女
初あかり見えぬ目でもの申すなり/橋本榮治
伊勢海老の籠しづもりぬ初明り/水原秋櫻子
たらちねの母を立たする初明り/染谷多賀子
初明りそのままいのちあかりかな/能村登四郎
俳句例:121句目～
初明りわが片手より見え初むる/長谷川かな女
はつ明りさすやみかのべみかのはら/高田蝶衣
