「蓮見」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「蓮見」について
【表記】蓮見
【読み方】はすみ
【ローマ字読み】hasumi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・蓮見舟(はすみぶね:hasumibune)
–
季節による分類
・「は」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
蓮見を含む俳句例
異国の僧もおはして蓮見哉/嵐甲
釣舟に御僧をのせて蓮見哉/維駒
暁闇の遊子百人蓮を見る/葛馬房夫
座頭巾蓮見にまかる小船かな/召波
わけ入や浮葉乗越蓮見舟/高井几董
二合炊く筍飯や次郎来る/蓮見宏子
座布団の数が定貝蓮見舟/山下青坡
蓮浮葉水平線の見えてくる/森田智子
蓮見舟蛇の骸を波立たせ/佐々木六戈
蓮見船蛇の骸を波立たせ/佐々木六戈
敷茣蓙の藍の匂へり蓮見舟/玉澤幹郎
蓮見橋ひとりふたりと渡るなり/沖青
船頭の声のやさしき蓮見舟/柏原眠雨
僧俗の膝つき合はせ蓮見舟/嵯峨柚子
浄土巡る思ひどこかに蓮見人/林昌華
梳初の卒寿の母の髪の艶/蓮見喜美江
蓮一花仏を拝すごとく見る/大熊輝一
蓮見船浮かべてみたし空は紺/星野椿
蓮見舟えりの潰えを路とする/山口誓子
蓮見舟あらぬこと口走りそう/永末恵子
俳句例:21句目~
十年一睡別れに蓮の花を見る/田中英子
大風に蕋見えにけり蓮の花/佐野青陽人
女房が蓮を見てゐし蓮見茶屋/京極杞陽
蓮見船あらぬこと口走りそう/永末恵子
蓮見船は蓮に隠れて翡翆飛ぶ/正岡子規
蓮見船行く手に遠く筑波晴れ/伊東宏晃
蓮見茶屋箪笥の鐶に手紙さし/星野立子
遠方に赤子のつむり蓮見舟/磯貝碧蹄館
髪容チ寝乱れもなき蓮見かな/野村喜舟
蓮を見る虫喰縁に立ちにけり/松藤夏山
蓮を見る詩人のまるき食卓よ/田中裕明
風道の遠くに見えて蓮の花/加賀谷凡秋
はやそこに一口村あり蓮見舟/野村泊月
むじな藻を茶碗に浮べ蓮見舟/野村泊月
人はみな背骨立てをり蓮見舟/柿本多映
吹殻の浮葉にけぶる蓮見かな/与謝蕪村
女房が蓮を見てゐし蓮見茶屋/京極杞陽
宇治山に残る灯はあり蓮見船/野村泊月
鷭の子の舳かけりし蓮見かな/岸風三楼
棹を立て少し沖まで蓮見舟/深見けん二
俳句例:41句目~
沼舟を二艘つないで蓮見舟/大橋越央子
百姓の仕立てくれたる蓮見舟/富安風生
蓮見たくなりて上野の池之端/高澤良一
かがみ見るそれぞれ佳人蓮浮葉/和田暖泡
刀自の手になまめく念珠蓮見舟/河野静雲
星ばかり見ないで蓮が開くから/中村苑子
渦潮を蓮のうてなといま見たり/三好潤子
蓮見船わたくし雨の奥へ奥へ/佐々木六戈
蓮見船姑が座るを見て乗りぬ/蓬田紀枝子
蓮も見よ城主の碑にも寄れと僧/杉原昌子
蓮浮葉今日新しきものを見たり/尾崎迷堂
舳にしづむ花をあなやと蓮見舟/皆吉爽雨
うすうすと月がゑみをり蓮見舟/長山順子
巨大蓮見にゆく犬もつれてゆく/田中裕明
蓮見茶屋ドーンと遠き音は何/波多野爽波
はるかなる蓮見の楼に人現るる/遠藤梧逸
蓮剪りて舟を返すを樓に見る/石島雉子郎
皆立ちて舟のとどまる蓮見かな/皆吉爽雨
蓮見舟たのめば淦を汲みはじむ/岡田抜山
蓮見舟の膝にうつくし蚊遣の火/藤本阿南
俳句例:61句目~
蓮見舟わたくし雨の奥へ奥へ/佐々木六戈
蓮見舟姑が坐るを見て乗りぬ/蓬田紀枝子
蓮の花遠くにばかり見えてをり/久保ともを
蓮を見てゐて唇あけるさびしさよ/山西雅子
手を擧げてその手が白し蓮見船/佐々木六戈
蓮見る円坐ならべし大寺かな/長谷川かな女
黎明のレールわたるや蓮を見に/佐野青陽人
人乗れば蓮見舟とはなりにけり/池内たけし
ひそやかに木橋明けゆく蓮見かな/山本悠水
風立ちて一際蓮のすがれ見ゆ/阿部みどり女
急に夜の明けてきたりし蓮見かな/澤村啓子
見たきもの見えて夜明けの古代蓮/松本陽平
鷭とぶや蓮見の舟の行くかたを/大橋櫻坡子
夏帽を吹きとばしたる蓮見かな/河東碧梧桐
ひるがへる蓮の大葉を飽かず見る/橋本美代子
蓮ならぬ浮葉の見えてかゞよへる/大場白水郎
破蓮の動くを見てもせりふかな/中村吉右衛門
雨の蓮田に傾く窓倚りかかつて蓮見る/大橋裸木