俳句例:201句目～
地の底に在るもろもろや春を待つ/松本たかし
穴不思議おほぜいで春待つてゐる/中尾寿美子
あすしらぬみむろのやまの春を待つ/高野素十
春を待つホームにうすき詩集かな/佐藤美恵子
フアッシヨン誌読むや春待つ心急/嶋田摩耶子
春を待つ金の鵝鳥を追ひながら/長谷川かな女
ひかりの鹿飛ばす春待つ斜面得て/永田耕一郎
待つと言ふことに馴れつつ春を待つ/菖蒲あや
過ぎて行く日を惜しみつつ春を待つ/高浜虚子
病む父のため子のための春を待つ/深見けん二
てつせんの春待つ気ぶりすら見せず/篠田悌二郎
折り溜めしまぶしに春を待ちにけり/広江八重桜
ばらばらになって春待つガラスびん/津沢マサ子
待春の門の手鞠のよくはづむ/『定本石橋秀野句文集』
遠い遠い春を待つせつなさだ、荒涼とした野道の日ぐれ/渡辺順三
