俳句例:101句目~
春一番来し顔なればまとまらず/伊藤白潮
かうしてはおられぬ性分春一番/高澤良一
春一番犬亡き小舎を飛ばしけり/熊田鹿石
春一番写楽の顔で吹かれをり/日下部宵三
春一番砂ざらざらと家を責め/福田甲子雄
春一番借りし予言書積み置けば/堀口星眠
春一番貝殻館の貝ざわめく/きくちつねこ
まつさきに花舗の戸叩く春一番/満田玲子
春一番過ぎし凪なり壱岐対馬/龍頭美紀子
春一番やみて野に落つ月黄なり/亀井糸游
春一番何かが変はる変はらねば/市ヶ谷洋子
春一番ひとつの出会ひ消へゆけり/田波富布
バスを待つ春一番を背なにして/小泉はつゑ
春一番を来し顔なればまとまらず/伊藤白潮
死ぬがよいそれがいたはり春一番/鳥居おさむ
春一番どすんと屋根にぶつかりぬ/滝沢伊代次
春一番木々は根を締めおのれを鳴らす/楠本憲吉
ラヴチエアのラヴおそろしき春一番/加藤山査子
ものを言って春一番に吹き飛ばされ/前田吐実男
春一番吹きいる朝覚めきらぬ體の部分が生卵を飲む/今井恵子