俳句例:101句目~
波郷忌の海があふれてゐたりけり/木村敏男
波郷忌の柿をしづかに見つめゐる/角川春樹
双手伸ぶれば言享くるかに忍冬忌/大石悦子
波郷忌のパリの寒さのなかにをり/佐川広治
波郷忌の柿すすりゐてさびしけれ/巌谷小波
波郷忌のわずかな落葉焚きにけり/椎橋清翠
波郷忌のほど好き燗となりにけり/水原春郎
波郷忌を言ひてだまりし夕餉かな/関戸靖子
波郷忌の日向にありて柿を食ふ/小島千架子
波郷忌やかの日は二十七のわれ/鈴木しげを
かいつぶり波郷忌過ぎし淡海にて/鈴木しげを
波郷忌のくるまで柿は食はぬこと/星野麥丘人
波郷忌のけふまたふえしかひつぶり/椎橋清翠
波郷忌のけふ止まり木にゐてひとり/角川春樹
波郷忌や膜はつて寝るかたつむり/鳥居美智子
石蕗は絮尽くして波郷忌も古りぬ/冨田みのる
石蕗咲いて日々波郷忌のごとくなり/高野寒甫
波郷忌を過ぎてさだまる日和かな/片山由美子
波郷忌のさきがけの石蕗咲きにけり/冨田みのる
波郷忌のはや暮れなづむ実むらさき/石田あき子