俳句例:101句目~
寄道せずに朝日くる妻と白菜ヘ/磯貝碧蹄館
病名ふたつ白菜畑のまくらがり/長谷川秋子
白菜の孤独太陽を見送つている/吉岡禅寺洞
農民の偏食白菜玉を巻いている/吉岡禅寺洞
白菜を漬けしばかりに暮れゆけり/石田あき子
白菜きざまむ音階高きピアノ購はむ/藤後左右
白菜食べどき妻がたてしよ膳の脚/磯貝碧蹄館
白菜漬うましと死期まだ知らぬ母よ/川村紫陽
妻は若さを漬け込む白菜ギチギチ詰め/高桑弘夫
年末もちかい白菜きりみだしてある/吉岡禅寺洞
白菜括ると胯倉歩きに三十路嚊/赤城さかえ句集
藁の尾が跳ねて白菜括られゆく/赤城さかえ句集
白菜括る夕べは富士の現つ気配/赤城さかえ句集
白菜に塩ふる「火の鳥」火を絶やさず/磯貝碧蹄館
白菜わづかに干してここの運河に一家族/古沢太穂
白菜坊主むずと結い上げ次の株へ/赤城さかえ句集
白菜括りの遂に腰切ることもなし/赤城さかえ句集
白菜めがコケコツコって鳴きやがらあ/中村ヨシオ
頤を括りし農婦に白菜括られゆく/赤城さかえ句集