「羽子板」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「羽子板」について
【表記】羽子板
【読み方】はごいた
【ローマ字読み】hagoita
子季語・関連季語・傍題・類語など
・羽子（はね：hane）
・胡鬼板（こきいた：kokiita）
・追羽子（おいばね：oibane）
・遣羽子（やりばね：yaribane）
・揚羽子（あげばね：agebane）
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季節による分類
・「は」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
羽子板を含む俳句例
海幸の羽子板艶を失はず/虚吼
宙吊りの飾羽子板飾凧/清崎敏郎
羽子板の一筆書きや内裏髪/召波
羽子板や碇知盛恐しき/野村喜舟
羽子板に残る遊侠世紀晴/的野雄
羽子板や裏絵さびしき夜の梅/荷風
羽子板や花の盛の道成寺/野村喜舟
羽子板の役者の顔はみな長し/青邨
羽子板の裏絵雪中寒牡丹/後藤夜半
梅幸の羽子板艶を失はず/相島虚吼
初孫に羽子板選ぶ熱眼指/関森勝夫
羽子板の禿の朱き目尻かな/森澄雄
羽子板や母が贔屓の歌右衛門/風生
羽子板の悪役刺青匂ひけり/水原春郎
羽子板のうれしくあたる礼者哉/知辰
羽子板や羽織着せゐる梅暦/野村喜舟
羽子板の句を案じつつ冬籠/後藤夜半
羽子板や顔を違へて成駒屋/岩田由美
若き日の羽子板絹の艶失せず/麓美奈
草の庵古羽子板の古ぶまま/後藤夜半
俳句例:21句目～
青竹に大羽子板は一つざし/田畑比古
沈金の駿河羽子板富士浮ぶ/鈴木節子
羽子板の撃つや風ほど柳腰/尾崎紅葉
羽子板の石橋牡丹溢れけり/斎藤節子
羽子板はまだ父の手に紙包/中村汀女
羽子板の絵のまなざしの昔今/後藤夜半
羽子板の包み解かずに二三日/黒田杏子
羽子板や気もけし玉の頬かむり/龍岡晋
大羽子板届いてをりぬ月心寺/山田弘子
羽子板を船員船に持ちかへる/萩原麦草
手に抱き古羽子板の鈴鳴らす/後藤夜半
羽子板のこれぞめ組の辰五郎/京極杞陽
羽子板のつきくぼめたる裏絵かな/鷹女
羽子板の誰買ふならん五人立/尾崎紅葉
羽子板や先師好みの歌舞伎の絵/森喜代
羽子板や子はまぼろしの隅田川/秋櫻子
羽子板の裏や恋歌のぬすみ書/尾崎紅葉
羽子板の押絵の顔の変らざる/土田桂子
羽子板の値踏み群がる頭越し/高澤良一
羽子板の八重垣姫の抱かるる/菖蒲あや
俳句例:41句目～
羽子板や贔屓の外の羽左衛門/野村喜舟
羽子板と易き文学売れにけり/萩原麦草
羽子板買ふ美人競べの眼して/関森勝夫
羽子板の弁慶値切り倒されし/遠山陽子
羽子板の豊頬のみな斜め向き/大橋敦子
身を躱し大羽子板を通しけり/行方克己
羽子板や一枚毎のものがたり/神山果泉
顔見世に言及びつつ羽子板師/山岸治子
羽子板に天魔波旬をゑがくべし/後藤夜半
羽子板の似顔言ふ声のするどき/原田種茅
羽子板の小さき櫛に魅かれけり/古舘曹人
大羽子板老舗の帳場ふさぎけり/佐藤瑠璃
羽子板の玉三郎を買はされて/熊谷/芳洲
羽子板の眼の艶なるや険なるや/京極昭子
羽子板やかなしき闇を枕上み/長谷川春草
羽子板や勘平火縄ふりかざし/水原秋櫻子
羽子板や背たけのびつるまな娘/滝井孝作
ひらにとて羽子板もたす初座鋪/斯波園女
べつたりと羽子板卓に置かれある/小澤實
羽子板をつぎつぎ売つて鳥の影/斉藤夏風
俳句例:61句目～
羽子板を口にあてつゝ人を呼ぶ/高浜虚子
羽子板を子にかこつけて貰ひけり/乃龍妻
一生もの羽子板なりと売り口上/高澤良一
吾がための羽子板赤き藤娘/野見山ひふみ
看板の大羽子板の歌右衛門/中村吉右衛門
竹矢来あらは羽子板よく売れて/舘野翔鶴
羽子のせしまゝ羽子板を次の人ヘ/原月舟
羽子板に入りきれない武士の顔/今瀬剛一
飾り羽子板年月もかくほろぶもの/岡田和子
押され出て大羽子板の前にたつ/大橋櫻坡子
羽子板の役者のかほのもの足らぬ/黒田杏子
羽子板や唯にめでたきうらおもて/服部嵐雪
抱き締めて大羽子板の値を告ぐる/上井正司
羽子板や実家の押入れ深かりき/鍵和田釉子
羽子板の断崖なして売られけり/鳥居おさむ
羽子板をはみ出してゐる写楽の目/橋本榮治
値切られてゐる羽子板の役者かな/稲吉楠甫
亡びゆく羽子板つつむガラス紙/百合山羽公
よその子に買ふ羽子板を見て歩く/富安風生
羽子板の寫楽うつしやわれも欲し/後藤夜半
俳句例:81句目～
羽子板を抱いて門より出ぬ女の子/鈴木花蓑
羽子板のどれか流し目したやうな/白岩三郎
羽子板の写楽うつしやわれも欲し/後藤夜半
羽子板の上に二つの羽子置いて/池内たけし
羽子板の裏絵てふこの淡きもの/金久美智子
羽子板を買はず手締めに加はれり/後藤紅郎
羽子板を買ひ来て絹のごとき夜気/中村明子
羽子板を買ふ子気移りばかりして/蘆田富代
羽子板を飾るふたりが差し上げて/茨木和生
羽子板に胸のふくらみありにけり/櫨木優子
羽子板の髪の乱れを梳きて売る/吉野たちを
羽子板へ売子乙女をつま立たせ/百合山羽公
羽子板の武者の哀しきまで若し/後藤比奈夫
羽根つよくはじきし音よ薄羽子板/橋本多佳子
羽子板のばれんみだるゝ纏かな/久保田万太郎
在りし世の羽子板飾りかくれ住む/松本たかし
羽子つよくはじきし音よ薄羽子板/橋本多佳子
羽子板の重きがうれし突かで立つ/長谷川かな女
きやうだいよ羽子板の裏を向け合はす/瀧井孝作
ねずみ小僧見得切る羽子板それがよし/高澤良一
