俳句例:101句目~
血のおとの首筋のぼる冬の鵙/成澤たけし
人はみな火事に馳せつけ冬の鵙/下村槐太
遠き陽にしぐれ皃なる冬の鵙/小松崎爽青
冬鵙の翔つむらさきの先を読む/鳥居おさむ
冬鵙のゆるやかに尾をふれるのみ/飯田蛇笏
冬の鵙いずれの蓋も合わざりけり/橋石和栲
冬の鵙去りてより木は揺れはじむ/加藤楸邨
冬の鵙チョーク踏まるるたび砕け/行方克巳
面皰多き吾子冬鵙に似しと思ふ/石田あき子
冬鵙へはがねのごとく病めるなり/加藤楸邨
水に日のゆらめきあれば冬の鵙/山上樹実雄
独霜除を作る冬の鵙がだまつて働く/喜谷六花
おちつきのある冬鵙となりにけり/阿波野青畝
詩を捨て得ず冬鵙胸を照しをれり/米沢吾亦紅