「冬の川」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「冬の川」について
【表記】冬の川
【読み方】ふゆのかわ
【ローマ字読み】fuyunokawa
子季語・関連季語・傍題・類語など
・冬川（ふゆかわ：fuyukawa）
・冬川原（ふゆがわら：fuyugawara）
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季節による分類
・「ふ」で始まる冬の季語
・「冬の地理」を表す季語
・「三冬」に分類される季語
月ごとの分類
冬の川を含む俳句例
冬川や木葉は黒き岩の間/惟然
冬の川舟を集めて曇りけり/篠原
小公園片側冬の川流れ/大野林火
冬川に芥浮べて水浅し/島田青峰
冬川の低き橋桁水洗ふ/高木晴子
冬川や燈火楼台一万家/藤野古白
骨拾ふとき冬川の音絶えし/原裕
冬川や蕪流れて暮かゝり/加舎白雄
冬川や森あらはなる鴨社/吉田冬葉
吊橋は翼冬川ひかりをり/嶋田麻紀
冬川や筏のすはる草の原/榎本其角
冬川に船卸しする装ひよ/島田青峰
冬川や男山よりはなし声/前田普羅
冬川に沿い累代の子守唄/斎藤愼爾
冬川や砂にひつつく水車/正岡子規
冬川に沿ひ累代の子守唄/齋藤愼爾
冬川の菜屑啄む家鴨かな/子規句集
冬の川白髯橋を以て渡る/山口青邨
冬の川細りて鯉の一列に/古川充子
太陽の力とどめず冬の川/稲畑汀子
俳句例:21句目～
冬川や筏に眠る獺を見る/喜谷六花
谷深み杉を流すや冬の川/夏目漱石
冬川や小さき石に浪の花/村上鬼城
一行事終り人去り冬川原/山本幸代
仰向けに冬川流れ無一物/成田千空
笛吹きし少年渡る冬の河/対馬康子
洪水の跡をながるる冬川あり/篠原
犬岩を冬川の一点景に/遠入たつみ
冬河に新聞全紙浸り浮く/山口誓子
冬河わたる空席に新聞紙/横山白虹
冬河原暮るる犬捕り車いて/三谷昭
冬川や藪の青きに流れ沿ひ/尾崎迷堂
家の裏ばかり流れて冬の川/細見綾子
冬川や腰くだけたる石の橋/河野静雲
日の当る所ゆるびて冬の川/高井瑛子
朝あけも真昼も曇る冬の川/松村蒼石
本流に入りて安らぐ冬の川/福川悠子
水涸れて轍のあとや冬の川/夏目漱石
冬川に捨てたる犬の屍かな/正岡子規
冬川に赫と日照りし芥かな/清原枴童
俳句例:41句目～
冬川に青々と見ゆ水藻かな/村上鬼城
名山に近く冬川の豊かさよ/島田青峰
荒縄の端につながる冬の川/河合凱夫
冬川にむさきもの啄む烏哉/高井几董
走者一掃して冬の山冬の川/飯田龍太
野鼠の流れわたりす冬の川/中川四明
冬川のひびきを背に夜の伽/石原八束
冬川や染屋の裏の水使ひ/岡本癖三酔
青々と竹を洗ふや冬の川/岡本癖三酔
冬川や家鴨七羽に足らぬ水/正岡子規
冬川や朽ちて渡さぬ橋長し/寺田寅彦
冬川に鴨の毛かゝる芥かな/子規句集
冬川に出て何を見る人の妻/飯田蛇笏
冬の川一本松のうつりけり/籾山柑子
冬川が削る赭埴の色新らし/内藤吐天
冬川やのぼり初めたる夕芥/杉田久女
冬川にかゝりて太し石の橋/高野素十
冬川にごみを流してもどる/尾崎放哉
冬の川一条に日を絞りきり/橋本榮治
冬川のどん底唄や砂利採女/萩原麦草
俳句例:61句目～
岩の上に冬川の音通ひをり/飯田夷桃
冬川や日当る水を流し居て/尾崎迷堂
新世紀とは冬川も急ぎゐる/岩岡中正
歩を合はせ吾も冬川を流るるや/林翔
冬の川繃帯の端垂らしをり/齋藤愼爾
口数を少なく冬川べり歩く/石川文子
石多き冬川を過ぐ鉄音たて/大井雅人
落潮に乗る冬川の迅みけり/松村蒼石
蛇籠沈めて冬川と親しめり/古川/淑
冬の川見て叱して詩を作る/山口青邨
冬川に影ふるはせて枯木皆/島田青峰
冬河に貧窮の尻さらしけり/岩田昌寿
冬川をたぐり寄せては布放つ/飴山實
冬河原掘ればかならず鉄格子/佃悦夫
冬川やの群れ居る水たまり/子規句集
一水をあまさず搾り冬の河/栗生純夫
冬の河沈黙のあとの紙人形/保坂敏子
染料の虎色にじむ冬の河/秋元不死男
冬川にみよしふり～つなぎ舟/河野静雲
冬川に冴える電球を撃つは今/赤尾兜子
俳句例:81句目～
冬川に架けて高さや橋揺るゝ/島田青峰
冬川に洗ひ場一つ持ちて住む/鶴丸白路
冬川のたしかな落差砂礫澄み/成田千空
冬川の刃の削ぎとりし一砂丘/福田蓼汀
糊代の余白がありしよ冬の川/齋藤愼爾
冬川の水合ししぶきとなる所/細見綾子
冬川の浅みに蜷のみち消えて/松村蒼石
冬川の湛へを誰も気付かずに/松山足羽
冬川の砂とる土手の普請かな/子規句集
冬川の街や縫ひ来しさゝ濁り/石塚友二
冬川の鏡のごとき一トところ/清原枴童
冬川やから～きしる綱渡舟/楠目橙黄子
冬川やほとけの花の流れ去る/蕪村遺稿
冬川や家鴨四五羽に足らぬ水/子規句集
冬川や宿雨うちやむ岩だたみ/飯田蛇笏
冬川や水嵩を云はゞ石越して/尾崎迷堂
冬川や身延へ十里上り船/長谷川零餘子
冬川を追ひあげて来ぬ家鴨飼/村上鬼城
冬川原石に鳥ゐて飛び失せぬ/鈴木花蓑
冬川原鳥眼に失せて広さかな/鈴木花蓑
