季語/二日(ふつか)を使った俳句

俳句例:101句目~

二日暮るゝ客に音して厨かな/楠目橙黄子

二日暮れ今年も二日たちにけり/富安風生

大き田に人の出てゐる二日かな/露崎士郎

大き聖書置かれ二日の説教台/古賀まり子

髪に浮く二日のうすき埃かな/鈴木真砂女

鳩がとぶ二日の空の浅黄色/阿部みどり女

鶴あゆむ二日の畦のうすみどり/米谷静二

傘寿越すことを二日の暮れつ方/皆吉爽雨

引くときも二日の波の岩を越ゆ/田島魚十

うらじろの葉の反り返り二日かな/佐藤信子

群れて白き羊追わるる二日かな/五十嵐研三

金魚浮び出でし二日の日はさゝね/林原耒井

嫁になる娘が来てくれし二日かな/藤実艸宇

荒海のけふ荒れてゐる二日かな/鈴木真砂女

よき客によき酔ひ狗日の日記書く/原田孵子

二日もう吾子を叱つてしまひけり/白根純子

富士川の水みどりなる二日かな/室積波那女

つぎ~に船の出でゆく二日かな/五十嵐播水

すぐそばの母なつかしき二日かな/前田典子

鵜の潜く波みて昏れし二日かな/稲垣きくの

俳句例:121句目~

元日二日ことに三日の日和かな/高橋淡路女

歯朶に風二日夜更けて客のあり/小松崎爽青

噴いてきし飯の匂ひの二日かな/大南テイ子

二日の燈とびとびに崎荒るるなり/宮津昭彦

沖かけて波一つなき二日かな/久保田万太郎

怒ることできてしまひし二日かな/中村春逸

あたゝかき昨日につづく二日かな/土永竜仙子

二日三日四日病む鳥声のほかはなく/石川桂郎

蘆垣に日のさしぬける二日かな/久保田万太郎

ゆるやかにとぶ鳥見えて二日かな/永田耕一郎

師のもとにまかりてやすき二日かな/石塚友二

二日はやあふるゝ客の我が家の炉/穴井梨影女

咥え来し木の葉みどりに二日の猫/北原志満子

ひつそりと村の二日のつねのごと/長谷川素逝

ピーナッツつるりとむける二日かな/高澤良一

鳥の影しばしば二日を籠りゐる/阿部みどり女

これもちとおこしに来たる二日かな/服部嵐雪

子らとまる電話かかりし二日かな/五十嵐播水

棒のやうに二日の酒気につらぬかれ/長谷川秋子

海二日うるめいわしの瞳が見える/佐々木とみ子

俳句例:141句目~

留守を訪ひ留守を訪はれし二日かな/五十嵐播水

電気ストーブ冴えざえ二日明けにけり/永井龍男

ふりかけて雪すぐやみし二日かな/久保田万太郎

かまくらの不二つまらなき二日かな/久保田万太郎

一トときのあられにくらき二日かな/久保田万太郎