「二日」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「二日」について
【表記】二日
【読み方】ふつか
【ローマ字読み】futsuka
子季語・関連季語・傍題・類語など
・狗日(くじつ:kujitsu)
・二日の酒(ふつかのさけ:futsukanosake)
・二日の富士(ふつかのふじ:futsukanofuji)
・二日の海(ふつかのうみ:futsukanomi)
・二日の町(ふつかのまち:futsukanomachi)
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季節による分類
・「ふ」で始まる新年の季語
・「新年の時候」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
二日を含む俳句例
夢殿や二日の夢に竜の髭/角川春樹
山牛蒡鶲も二日三日かな/加藤楸邨
春なれて二日の門の楽しけれ/柳女
餅腹の汚さゆるせ二日酒/石川桂郎
雪籠り二日朝夜と昔なし/石川桂郎
笹鳴に対す二日の主かな/高浜虚子
橙に雨柔らかき二日かな/浅賀渡洋
真直ぐに二日の空の飛行雲/林瑠美
一夜経しものに二日の潦/辻田克巳
虔みて写仏二日の大机/つじ加代子
二日早や米寿の母のご高説/斉藤仁
鉄棒に少年二人二日の朝/佐藤鬼房
峡の空二日の星の吹き溜り/滝佳杖
二日はや雀色時人恋し/志摩芳次郎
狩の犬一声鳴きし二日かな/日原傳
元日と二日に頒ち鯛を食ぶ/村越化石
二日はや能登行商の雪合羽/新田祐久
二日はや魚干す入江軒深し/北村典子
二日三日と太陽にとびつくか/松澤昭
元日二日京のすみずみ霞みけり/蕪村
俳句例:21句目~
元旦の鯛焼き返す二日かな/角川春樹
二日はや物憂かりける壁畳/石塚友二
元日の大雪なりし二日かな/高浜虚子
迷ひ犬歩く二日の高速路/船坂ちか子
生海鼠干す伊良古が崎の二日凪/曉台
遠山の枯生光れる二日かな/本郷迂象
酔漢の宵寝を覚す二日かな/石塚友二
庭隅の幹に日のある二日かな/桂信子
飛ぶ寅の想得てたのし二日の子/原裕
黒髪の国の二日を黙し征く/平畑静塔
浮島や鴫を二日の景として/佐藤鬼房
乾坤に卵立ちたり二日の夜/今井竜蝦
二日には原稿依頼殺到す/稲畑廣太郎
二日には箒のさきやふく寿草/炭太祇
二日の炉松笠黒う燃え了る/萩原麦草
永久の喪の母ごころけふ二日/及川貞
老人は烏なりけり二日の橋/橋間石和栲
念仏寺雨降る石の二日かな/村上しゆら
いさぎよし二日早暁の往診は/相馬遷子
笹鳴の背戸にきてゐし二日かな/森澄雄
俳句例:41句目~
町中を鴉の荒らす二日かな/小島千架子
たま~や二日に出でし穴居妻/萩原麦草
とかくして二日となりぬ初暦/小杉余子
猫と灰いづれが温き二日かな/柿本多映
やうやくに空温まる二日かな/松村蒼石
別嬪な鳥が来てゐる二日の木/高澤良一
二日より三日の客の多かりし/芦川巣洲
二日より深雪に飛ばす鉄火かな/齋藤玄
山寺に書見の灯ある二日かな/山本洋子
文鎮に海の日のさす二日かな/畠山譲二
二日早や朝空汚すけぶりかな/古市爽石
二日はや妻の煮るもの妻臭し/萩原麦草
夕影の二日の富士や見給はず/小池文子
岩手山雪けむり立つ二日かな/沼澤石次
山彦も山を出ることなき二日/鷹羽狩行
二日かな矢切の渡し急がざる/渡辺恭子
二日はや工事場廻る警備員/松尾千代子
華に先二日ちかよる二日かな/松岡青蘿
一葉づつ拭ふ二日の壺椿/長谷川かな女
調教馬二日の馬場をひた走る/佐藤信子
俳句例:61句目~
辞書ひきに立つや二日の雪催/斉藤夏風
二日はや風のとらへし夕日かな/高橋潤
二日はや死病の人の牀に侍す/相馬遷子
二日また孔子の仁の如き日を/梅沢総人
二日はや秘仏にかへる薬師仏/北澤瑞史
雪が来て二日の山のすがた見ゆ/中拓夫
海牛の二日の波にたゆたへり/高澤良一
青空へもぐら顔出す二日かな/沢木欣一
風はたとやめば二日の壇の浦/白倉久子
風花の峡の小村の二日かな/松本たかし
大仏を蔵する鴟尾の二日かな/角川春樹
常のごと二日の客の裏戸より/高浜虚子
鷺もゐて伊根の舟屋の二日凪/有田芳子
日も富士も白き光の二日かな/渡邊水巴
志寿太夫の高き声佳き二日かな/都筑智子
放埓の二日となりし酢牡蠣かな/古舘曹人
書初の二日にあらぬ日なりけり/青木重行
気の置けぬ二日の客や姪甥等/五十嵐播水
河口まで海を見にゆく二日かな/水田光雄
濯ぎ場にすこし雪ある二日かな/沖崎一考
俳句例:81句目~
火を焚きて遊び心の二日はや/雨宮きぬよ
立てかけし櫂に二日の天が澄む/木村蕪城
竹の幹二日の夕日射しにけり/加藤三七子
腹の上に猫のせてゐる二日かな/行方克巳
菩提樹に雪降りし香の二日かな/西村公鳳
いくらかは窶れしと知る二日かな/龍岡晋
うら山を石ころげおつ二日の夜/萩原麦草
行末はまたこの二人二日の夜/篠田悌二郎
試筆する二日の友に来りけり/五十嵐播水
くれかかる二日の壁があるばかり/桂信子
赤ん坊に指先噛ます二日かな/加藤かな文
さわぐ笹二日の日射し入りみだれ/桂信子
ほのぼのと殺生石の二日かな/上田五千石
パンちぎる膝に二日の夕陽あて/岩田昌寿
二日とて約せしことの早や二三/高濱年尾
二日はや死と詩が忍び足でくる/楠本憲吉
二日はや血をもて汚す診療衣/下村ひろし
雪掻きて二日の店を開けにけり/榎本栄子
二日はや酸茎を噛んで恋もなし/嶋田麻紀
二日めは妻のくにぶり雑煮椀/椙本千代子