「恵方詣」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「恵方詣」について
【表記】恵方詣
【読み方】えほうまいり
【ローマ字読み】ehomairi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・恵方(えほう:eho)
・恵方道(えほうみち:ehomichi)
・吉方(えほう:eho_)
・兄方(えほう:eho__)
・得方(えほう:eho___)
・元方(えほう:eho5)
・明の方(あきのかた:akinokata)
・恵方拝(えほうおがみ:ehoogami)
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季節による分類
・「え」で始まる新年の季語
・「新年の行事」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
恵方詣を含む俳句例
暁の恵方の天の男山/井上白文地
荒磯の岩も祭りて恵方かな/朱人
砂浜に人の影生む恵方みち/原裕
海峡の片側山や恵方船/稲田秋央
傘に歯朶かゝりけり恵方棚/夕道
月山の霊験眩し恵方道/岩瀬木蘭
恵方なる一面の火の崖椿/井沢正江
霞網破れてゐたる恵方径/茨木和生
足の向く村が我らの恵方かな/一茶
満潮に舟漕ぐ恵方詣かな/鬼頭青苑
若者の馬走らすや恵方道/青木月斗
葛飾に残る水田も恵方道/大網信行
駅からの一本道が恵方道/塩川雄三
湖の上に恵方道あり弁財天/森澄雄
万歳のうしろ姿も恵方道/高浜虚子
恵方神多し日本の神多し/右城暮石
藪中の神厳かに恵方かな/野村喜舟
恵方道故里人と話しつれ/富安風生
男にはうすずみ色を恵方道/齋藤玄
暁闇の迷ふことなき恵方道/成宮紫水
俳句例:21句目~
涸川を徒渉て恵方の観音堂/関森勝夫
庵主や恵方に据ゑて置炬燵/河野静雲
炉の上に隠倉ある恵方かな/古舘曹人
七塚の虎ケ塚こそ恵方かな/西本一都
救命具あまた備へて恵方船/八染藍子
戸隠の恵方ふるみち七曲り/西本一都
御神火の椿の島を恵方とす/原田青児
恵方道狐の穴もほとりして/白岩三郎
母の家へ向ふ即ち恵方道/肥田埜勝美
入院の母訪ふ道を恵方とす/館岡沙緻
千年へ一歩踏み出す恵方道/高橋悦男
恵方嶺噴煙もまた雪白に/上田五千石
鮠串を弁慶にさす恵方かな/古舘曹人
靴の先濡らす恵方の渚かな/館岡沙緻
閂を闇にさしこみ恵方へと/今関幸代
枯数珠玉畦に奏でて恵方道/富安風生
百代の過客黄泉への恵方道/小出秋光
白髪の素袍めでたし恵方道/高田蝶衣
外れて踏む畦の青草恵方道/皆吉爽雨
恵方への道のはじまり雪怒濤/斎藤玄
俳句例:41句目~
恵方とや樹影正しき靄の中/京極杜藻
行く水にわれも従ふ恵方道/中村汀女
ゆくほどに雪嶺囲ひや恵方道/森澄雄
白濤の高きを恵方道とせり/斎藤梅子
神がくれせる童を拾ふ恵方嶺/飯田蛇笏
あるがまま生く人生を恵方とす/苗代碧
藪中にあつまる径も恵方かな/岸風三樓
身ひとつの素面素手なる恵方道/岡本眸
こと~とまだ夜深きを恵方哉/角田竹冷
金柑の食べ頃となる恵方かな/岸本尚毅
銛の秀を飾りし海女の恵方棚/山崎羅春
ますほ貝探す渚も恵方かな/北/きりの
よく食べる鳩の福相恵方みち/毛塚静枝
わが道を闊歩す方を恵方とす/堀川旦州
仮に打つ釘もききけり恵方棚/萩原乙彦
伊吹嶺の茜恵方とおもふべし/佐川広治
先づ恵方みの幸よろし稲荷山/上島鬼貫
古地図に松のいろ濃き恵方道/赤尾恵以
嘴黒き鷺の田道も恵方かな/鳥居美智子
夢ひとつかけし恵方の湖明り/高橋淑子
俳句例:61句目~
大富士を恵方としたる道太し/加藤晴子
大門の玉川をわが恵方とす/深川正一郎
大鳴門の渦百態の恵方かな/つじ加代子
太陽に真向きて恵方道となる/菖蒲あや
富士みゆる窓を恵方や庵の朝/井上井月
少年に一樹ふりむく恵方道/直江るみ子
山中の斧のひかりを恵方とす/佐川広治
山河みな茂吉の歌や恵方道/長谷川耿子
山風に買ふ矢真白き恵方かな/渡辺水巴
恵方とて山の祠の灯さるる/つじ加代子
恵方とて海の上にも道を延べ/鷹羽狩行
恵方とや一直線はおそろしく/太田保子
恵方にはかかはりもなき初詣/岡安仁義
恵方へと向けて仮免練習車/松倉ゆずる
恵方への下駄にて渡る橋一つ/千田一路
恵方より波のよせくる渚かな/江川風史
鵜の一つ恵方迥かに浮き沈み/鈴木花蓑
恵方棚今朝生みたての卵載せ/増田昌恵
恵方詣帰りは昼の月連れて/深見ゆき子
恵方道大岩土堤にあげしまま/飯田龍太
俳句例:81句目~
恵方道梅若塚に詣りけり/長谷川零餘子
恵方道相模はうしほ満つる国/田中鬼骨
我が杖の赴くまゝに恵方みち/緒方句狂
我向ふ方を恵方と信じ行く/澤村/芳翠
日々通ふ看取の道も恵方かな/橋本榮治
時じくの虹が行手に恵方みち/末次越泉
暗がりに堰の音ある恵方かな/広瀬直人
枯桑のいつもの道を恵方とし/倉田紘文
海上へ出てまつすぐに恵方道/高橋悦男
淡水に潮の入り来る恵方かな/中原道夫
湿原の日矢射す方の恵方かな/斎藤青火
滾々と水湧くところわが恵方/山岸治子
火燵出て恵方の人に交りけり/安井小洒
牛飼は恵方を雪にとざされし/小黒/宏
白鳳の野仏在はす恵方道/長谷川浪々子
白鷺の枯田にあそぶ恵方かな/安藤林蟲
流れたる星の行く方を恵方とす/岡村光代
いと小さき凧のあがれる恵方道/岩城佳州
恵方など知らず用ある方へ行く/藤田湘子
めでたさや恵方詣の酔ひ戻り/水原秋桜子