「絵踏」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「絵踏」について
【表記】絵踏
【読み方】えぶみ
【ローマ字読み】ebumi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・踏絵(ふみえ:fumie)
・寺請証文(てらうけしょうもん:teraukeshomon)
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季節による分類
・「え」で始まる春の季語
・「春の行事」を表す季語
・「初春」に分類される季語
月ごとの分類
絵踏を含む俳句例
絵踏めく殉教の地の落椿/朝倉和江
廻国の長崎日記絵踏かな/金沢辰生
浪青し絵踏行かせし渡守/中村汀女
傾城の蹠白き絵踏かな/芥川龍之介
そのかみの絵踏の寺の太柱/富安風生
絵踏跡の上の聖壇鳥渡る/岡部六弥太
乞食の子も許されず絵踏哉/会津八一
白梅に人の科ある絵踏かな/尾崎迷堂
山茶花の庭に遺りし絵踏石/江口竹亭
蟷螂を踏んで絵踏をせし思ひ/吉原一暁
花ふみし草履をぬいで絵踏哉/松瀬青々
絵踏なき世の片隅に神恐れ/副島いみ子
絵踏の世今は遠しや祈りけり/稲畑汀子
初夢のぬきさしならぬ絵踏かな/長田等
腹水を抜くと絵踏の面窶れ/山本つぼみ
舟で来て絵踏みの列に加はりぬ/本井英
海の日の闌干として絵踏かな/山口青邨
牡丹咲く浄土の寺に絵踏かな/正岡子規
疑ひの目ひき袖ひく絵踏かな/中川四明
島の子ら絵踏を知らず遊びをり/保坂伸秋
俳句例:21句目~
絵踏して生きのこりたる女かな/高濱虚子
絵踏して隠れ住むべき島もなし/井沢正江
絵踏してよべの涙の跡もなき/石島雉子郎
絵踏すんで仏法護持の談義かな/倉田萩郎
絵踏せし女に麝香にほひけり/加藤三七子
足袋はかぬ天草をとめ絵踏かな/青木月斗
遊び女のちひさき足の絵踏かな/細川加賀
遊女らの裾ながながの絵踏かな/藤村克明
韃靼のわだつみ黒き絵踏かな/加藤三七子
まなざしを髪でかくして絵踏かな/鷹羽狩行
今もなほ絵踏みや何か踏みつづけ/加藤秋邨
怖ろしきことをはじめし絵踏かな/松瀬青々
絵踏せぬとは今でこそ言へること/稲畑汀子
絵踏なき世に生まれ来し我等かな/稲畑汀子
罰よりも罪おそろしき絵踏かな/野見山朱鳥
絵踏せし世に遠く生きをりしかな/河野美奇
絵踏して子孫ぞろぞろ残しけり/荒木ひでこ
いはれなし絵踏の夢を見たること/星野麥丘人
絵タイルを踏みて絵踏の世は遠し/真木はるえ
絵踏みなどせぬくすくすと土不踏/ふけとしこ
俳句例:41句目~
絵踏してこれよりわれは馨るべし/佐々木六戈
うつむいてまなじり長き絵踏みかな/三宅清三郎