「暖房」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「暖房」について
【表記】暖房
【読み方】だんぼう
【ローマ字読み】dambo
子季語・関連季語・傍題・類語など
・煖房(だんぼう:dambo_)
・スチーム(すちーむ:suchimu)
・暖房車(だんぼうしゃ:dambosha)
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季節による分類
・「た」で始まる冬の季語
・「冬の生活」を表す季語
・「三冬」に分類される季語
月ごとの分類
暖房を含む俳句例
袋の上袋重ねて暖房車/高澤良一
放送の英語は女性暖房車/林瑠美
煖房や地中海的皿の中/加藤郁乎
暖房や地中海的皿の中/加藤郁乎
暖房や絨氈赤く壁は金/京極杞陽
柏原去る煙太の煖房車/西本一都
煖房の浜木綿既に蕾上げ/高浜年尾
暖房に橋のない川とふ映画/内野修
煖房車米買女髪撫でて/百合山羽公
暖房車高原の日を膝にする/原柯城
一方にのみ押す扉暖房館/津田清子
暖房や葭の衝立扉を隠す/山口誓子
煖房に汗ばむ夜汽車神詣/杉田久女
暖房や此役所にも生字引/久米正雄
倒産の眼もて暖房器の青火/三谷昭
冬雷に暖房月を湛へたり/飯田蛇笏
暖房や糊の香甘き製本場/高井北杜
ざうざうと暖房音も心音も/高澤良一
暖房の税務署をでて躓きし/藤野基一
煖房に鍵盤を白く蓋せざる/山口誓子
俳句例:21句目~
暖房やつがれて赤き食前酒/萩原季葉
暖房や人を舞はしむ回転扉/井沢正江
暖房車海離れまた海に沿ふ/池田秀水
刀剣の切っ先ならぶ弱暖房/川嶋隆史
大阪の強暖房に身がくもる/右城暮石
暖房を最強にして語らへど/櫂未知子
暖房や大いに咲きて桃の花/田村木国
大陸の綺羅星の夜を煖房車/福田蓼汀
凍花めづ煖房の窓機影ゆく/飯田蛇笏
防風林駆く煖房車骨牌せる/宮武寒々
暖房に唇かわく目覚めかな/稲畑汀子
翳ふかき森にかかりぬ煖房車/有働亨
暖房や母来る頃を見計らひ/朝倉和江
藍染の小店暖房きき過ぎる/金丸直治
病院の煖房に菌あたたまる/辻田克巳
新しき暖房器具を母と見る/館岡沙緻
煖房や株主集ふ椅子を置く/山口誓子
暖房車発車す窓を叩き合ひ/右城暮石
暖房に遠く猥語に遠くをり/小池一覚
煖房や吏僚それぞれ矜あり/岸風三楼
俳句例:41句目~
暖房のぬくみ伝はる白い杖/西浦一滴
暖房が効きて職場の冬多幸/河野南畦
煖房や八階にして窓に不二/鈴木花蓑
煖房や人を舞はしむ回転扉/井沢正江
目覚むれば北上川や暖房車/水原春郎
漫画読む人にはさまれ暖房車/高見孝子
みつめられ汚る裸婦象暖房に/西東三鬼
船室の暖房効いて客まばら/下城/宇良
身ひとつの旅すぐ睡く暖房車/菖蒲あや
バターよく伸び煖房の食堂車/稲畑汀子
仁丹のにほひ揺れつつ暖房車/白岩三郎
煖房に遠き片手はポケットに/高木晴子
始まりし暖房時間あたゝまる/右城暮石
子を抱きし母も眠りて暖房車/菅沢泰子
煖房の寺出て町へ菓子買ひに/中嶋秀子
煖房や地階に歯科のあり降る/岸風三楼
恵那山がもう見えるころ暖房車/所山花
煖房車乾きし洋傘を巻き直す/内藤吐天
白地図の国に入りたる煖房車/久保田博
闇を来しこと明るさと煖房と/稲畑汀子
俳句例:61句目~
暖房がことりと切れて島の影/永末恵子
スチームや窓に昏れゆく東山/斎藤朗笛
妊り教師スチームよりの妙な暖/楠節子
暖房にゐる幼な児の冷たき手/右城暮石
暖房に居て戦話聴く勿体なし/日野草城
暖房に待つことの愛暮れ残り/高澤晶子
暖房のぬくもりを持ち鍵一房/有馬朗人
暖房の明るき間より海を見ん/横光利一
暖房の電車に暑く一人びとり/池田澄子
暖房の音みしみしと試し焚き/高澤良一
暖房や今日十三日金曜日/久保田万太郎
暖房や旅にはじまる私小説/上田日差子
暖房を入れて欲しいと多数決/稲畑汀子
秋すでに煖房宿名モンブラン/河野静雲
暖房車乾きし洋傘を巻き直す/内藤吐天
暖房音せはしく朝が始まりぬ/高澤良一
暖房や積木あそびの家が立ち/船越/和香
ゆるやかに海がとまりぬ暖房車/加藤楸邨
煖房や何をとりにぞ此処に来し/星野立子
乗り換えの駅で起こされ暖房車/高澤良一
俳句例:81句目~
伊服岐能山畏れてすゝむ暖房車/川崎展宏
安房びとの花の荷匂ふ暖房車/塩谷はつ枝
家を恋ふ鼻梁となりて暖房車/長谷川秋子
床起って暖房入れにゆきにけり/高澤良一
煖房に子笑みてのむコゝアかな/高木晴子
煖房やレモン搾りし掌を拭かず/内藤吐天
暖房や崩れてのぞくばらの蘂/秋元草日居
暖房なき車中眼を見ひらき合ふ/右城暮石
暖房や花の絵ばかりなる画廊/小久保英子
暖房や肩をかくさぬをとめらと/日野草城
暖房のよく利いてゐる赤子かな/橋本榮治
煖房車かつぎ屋の米わが膝下/百合山羽公
暖房に毛皮とそれのレヂスター/中村汀女
煖房や扉あけてやすむ昇降機/山口波津女
暖房や醫局はたれも来てをらぬ/横山白虹
煖房のきゝはじめたる子を起す/稲畑汀子
暖房に真夜覚めてたゞ一人なる/相馬遷子
煖房のこの家に別れねばならぬ/千原草之
暖房や明日は陸地をはなるべく/横山白虹
母と子のこけし顔なり煖房車/野村多賀子