「蝶」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「蝶」について
【表記】蝶
【読み方】ちょう
【ローマ字読み】cho
子季語・関連季語・傍題・類語など
・粉蝶(しろちょう:shirocho)
・黄蝶(きちょう:kicho_)
・紋白蝶(もんしろちょう:monshirocho)
・紋黄蝶(もんきちょう:monkicho)
・鳳蝶(あげはちょう:agehacho)
・黒あげは(くろあげは:kuroageha)
・烏あげは(からすあげは:karasuageha)
・尾長あげは(おながあげは:onagaageha)
・麝香あげは(じゃこうあげは:jakoageha)
・山上﨟(やまじょろう:yamajoro)
・だんだら蝶(だんだらちょう:dandaracho)
・岐阜蝶(ぎふちょう:gifucho)
・小灰蝶(しじみちょう:shijimicho)
・挵蝶(せせりちょう:sesericho)
・蛺蝶(たてはちょう:tatehacho)
・赤蛺蝶(あかたては:akatateha)
・瑠璃蛺蝶(るりたては:ruritateha)
・逆八蝶(さかはちちょう:sakahachicho)
・石崖蝶(いしがけちょう:ishigakecho)
・一文字蝶(いちもんじちょう:ichimonjicho)
・小紫(こむらさき:komurasaki)
・大紫(おおむらさき:omurasaki)
・孔雀蝶(くじゃくちょう:kujakucho)
・緋縅蝶(ひおどしちょう:hiodoshicho)
・豹紋蝶(ひょうもんちょう:hyomoncho)
・天狗蝶(てんぐちょう:tengucho)
・斑蝶(まだらちょう:madaracho)
・浅黄斑蝶(あさぎまだら:asagimadara)
・蛇目蝶(じゃのめちょう:janomecho)
・日陰蝶(ひかげちょう:hikagecho)
・木葉蝶(このはちょう:konohacho)
・胡蝶(こちょう:kocho)
・蝶々(ちょうちょ:chocho)
・双蝶(そうちょう:socho)
・春の蝶(はるのちょう:harunocho)
・眠る蝶(ねむるちょう:nemurucho)
・狂う蝶(くるうちょう:kurucho)
・舞う蝶(まうちょう:maucho)
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季節による分類
・「ち」で始まる春の季語
・「春の動物」を表す季語
・「三春」に分類される季語
月ごとの分類
蝶を含む俳句例
蝶の昼艶深くなる砧盤/原裕
蝶を生み蝶を失ふ青嵐/篠原
蝶に蝶巌に波飛ぶ白日夢/林翔
山寺や蝶が受取る甘茶水/一茶
蘭の香や蝶の翅に薫物す/芭蕉
湾口に蝶の点滴ザボン売/原裕
秋風に白蝶果を狂ひけり/青蘿
初蝶のはや突当曲りけり/展宏
初蝶や吾三十の袖袂/石田波郷
初蝶や只越方の畳数/石塚友二
縦横の道の渋滞蝶の昼/稲畑汀子
深庇蝶ぶらさがる暑さかな/槐太
草低く見しが失ふ山の蝶/及川貞
少年の蝶に林立するピンよ/林桂
雨やみし百日草に蝶多し/武田操
縞馬の縞の中より初蝶来/今井聖
土の黄な蝶に手向や花の露/笹分
屑々に蝶の翅や霜の石/西山泊雲
唯今只春日爛干蝶も飛ばず/虚子
中興の蝶夢法師の嚏堂/高澤良一
俳句例:21句目~
椹や花なき蝶の世捨酒/松尾芭蕉
初蝶や雪山恍と雲の上/松村蒼石
破蓮の一日二日は蝶も来ぬ/楸邨
君や蝶我や荘子が夢心/松尾芭蕉
蝶生る野は刈株と棘茨/成田千空
食後に白い蝶見てゐる/北原白秋
方丈の大庇より春の蝶/高野素十
秋風や蟷螂肥て蝶細し/正岡子規
山國の蝶眠りゐる露けさに/林桂
潦ちさくなりつつ蝶の晝/上村占
風蝕島灯のごとく蝶生れ/飴山實
暗きまで沼は緑や烏蝶/依田明倫
初みくじ大国主に蝶むすび/静塔
春風や蝶のうかるゝ長廊下/林紅
蝶になる途中九億九光年/橋間石
蝶生れ草三寸の青浄土/白井米子
芒青うて蝶を追ふ子ぞ/北原白秋
芋虫や半分蝶になりかかり/来山
ぶら下り眠れる蝶や露の中/播水
非時の蝶が白山山系に/柿本多映
俳句例:41句目~
非時の蝶が白山山系に/柿本多映
漣に蝶はじけとび岬伏す/松澤昭
蝶狙う悪い双子の弟が/高澤晶子
初蝶の力なき如昃りぬ/高濱年尾
天山へ蝶の柩を注文す/寺井谷子
初蝶を見失ふとき既に眩し/林翔
蝶迅し潟干拓の大環に/成田千空
谷深く烏の如き蝶見たり/原石鼎
下総の籬々に蝶とぶ日/高野素十
岩伝ふ渓流蝶は花伝ひ/香西照雄
蝶の来て此山里を春辺かな/跨仙
蝶の空七堂伽藍さかしまに/茅舎
冷房の郵便局の窓に蝶/新野祐子
蝶の羽の幾度越る塀のやね/芭蕉
金風の美しければ蝶も又/星野椿
椹や花なき蝶の世捨酒/松尾芭蕉
初蝶や甍の上に周防灘/藺草慶子
初蝶が過ぎ北窓の顔起す/岸田稚
塔遠み耕す人と白蝶と/和田悟朗
白芥子に羽もぐ蝶の形見哉/芭蕉
俳句例:61句目~
声立て居代る蜂や花の蝶/炭太祇
庭石が起点蝶には蝶の道/野代実
炎天の群蝶を喰ふ大鴉/石原八束
初蝶や万年筆が雫して/寺田京子
せり上る一双の蝶や橋の上/鬼城
一蝶を放ちて蓮華浄土かな/風生
初蝶やわが三十の袖袂/石田波郷
それ見たか全く鰒の蝶の夢/呑獅
蝶墜ちて大音響の結氷期/赤黄男
蝶飛んで正夢となる日向婆/原裕
石の上七夕の蝶けむりをり/楸邨
万年の瀞の渦巻蝶溺れ/西東三鬼
平明の蝶ねむり居り青薄/原石鼎
初蝶の輝く翼受胎告ぐ/有馬朗人
宇陀郡室生村蝶生れけり/安住敦
其の寺の鐘とおもはず夕霞/蝶夢
蝶飛んで風の奈落の吉野杉/原裕
蝶歩く百日草の花の上/高野素十
心労や蝶呼ぶ大地束の間に/原裕
美しき蝶の顎や月見草/齋藤愼爾
俳句例:81句目~
蝶鳥の夢や見つらん菜種蒔/樗良
葛城の神を憐れむ蝶千羽/橋石和栲
月の夜の桜に蝶の朝寝かな/千代尼
一遍の聖絵煤け初蝶来/佐々木六戈
七夕竹蝶こぼれむとして急ぐ/湘子
花白きつゝじや蝶の色かろし/正白
夕されば旅の栞の蝶白し/小島幸男
夕方の植田の広さ蝶低く/星野立子
七月の光が重し蝶の翅/橋本多佳子
夕月に七月の蝶のぼりけり/原石鼎
夕潮や蝶を収めし豆の花/藤田湘子
夕風や野川を蝶の越えしより/白雄
毛蟲焼く炎の色は蝶のいろ/栗島弘
花温室がはじく海光粉なす蝶/林翔
四五人に月落かゝるおどり哉/蕪村
夢ながら蝶も手折や花戻り/千代尼
雪折れの森囚人達の蝶結び/仁平勝
三方に蝶の分かれし立葵/中村汀女
萩の蝶黄色ばかりや山の風/星野椿
土壁の崩れしところ蝶交る/仁平勝