俳句例:201句目~
茶を摘めるしづかな音が移りゆく/西島陽子朗
茶を摘むや胸のうちまでうすみどり/本宮鼎三
茶どころに属し城址も茶を摘める/百合山羽公
ひとごゑのやさしき茶山がくれかな/細川加賀
茶を摘みて木幡のみどりなくならず/辻田克巳
このあかるさねむさいちにち茶摘村/関戸靖子
山焼けに焼けのこりしを摘む茶かな/飯田蛇笏
向きあうて茶を摘む音をたつるのみ/皆吉爽雨
ほととぎす茶摘み了へ来て縁にならぶ/羽部洞然
茶摘女の全形は洩らさず茶のうねり/平井さち子
板の間にそゝりさませる茶摘かな/安斎桜カイ子
布団干すや子が摘んで来し茶の芽生/佐野青陽人
茶摘女の籠おどらせて追ひ寄りし/阿部みどり女
富士を背に富士を真向きに茶を摘めり/星野立子
夫見舞ひ高瀬は遅き茶摘かな/京-烏玉/元禄百人一句