「茶立虫」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「茶立虫」について
【表記】茶立虫
【読み方】ちゃたてむし
【ローマ字読み】chatatemushi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・茶柱虫(ちゃばしらむし:chabashiramushi)
・小豆洗い(あずきあらい:azukiarai)
・粉茶立(こなちゃたて:konachatate)
・隠座頭(かくれざとう:kakurezato)
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季節による分類
・「ち」で始まる秋の季語
・「秋の動物」を表す季語
・「三秋」に分類される季語
月ごとの分類
茶立虫を含む俳句例
夜長さや処もかへず茶立虫/白雄
母とゐる刻大切に茶立虫/大橋敦子
寝ねがての莨一服茶立虫/福田蓼汀
兄妹の今宵鄙めく茶立虫/石田波郷
夜ながさや所もかへず茶立虫/白雄
茶立虫修羅の昭和も晩年に/岩村蓬
茶立虫昭和一日づつ遠し/木内彰志
石の上に三年すごし茶立虫/白井風人
九十の母を看取りし茶立虫/中島ふき
光悦が筆硯の間の茶立虫/玉置かよ子
古寺の大き障子や茶立虫/小出南総子
自在まだ吊る釜高し茶立虫/本多静江
茶立虫弁慶水はここと啼く/高浜虚子
茶立虫影うつしゐて道障子/蒲原嘉子
茶立虫障子の月光雪のごと/加藤楸邨
藁屋根に帰郷の睡り茶立虫/桜井柳城
宿帳にしるしてをれば茶立虫/中村秀好
ふとさめて旅の宿なり茶立虫/宮下翠舟
やがて吾子睡りし後を茶立虫/杉山岳陽
此部屋に幾年ぶりぞ茶立虫/中村草田男
俳句例:21句目~
茶立虫脊中合せに寝る夜かな/尾崎紅葉
返し文せしめぬ文や茶立虫/赤松けい子
酒断つてはや三月経ぬ茶立虫/石川桂郎
茶立虫啼きをり家を追はれをり/山本櫨村
夜長さやところも替ず茶たて虫/加舎白雄
夫婦喧嘩もうやめてはと茶立虫/影島智子
子があれど子の住まぬ家茶立虫/影島智子
安心のいちにちあらぬ茶立虫/上田五千石
茶立虫茶をたてゝゐる葎かな/吉岡禅寺洞
障子掻き嘆きかよはす茶立虫/秋元不死男
さびしきは太るといふぞ茶立虫/大石悦子
茶立虫つぶさに今日のこと記す/乾鉄片子
夜が好きで孤独が好きで茶立虫/高岡智照
うたゝ寝のさめて火もなし茶立虫/高田蝶衣
茶立虫茶棚はいつもつやゝかに/大橋桜坡子
寝そびれてをりし障子に茶立虫/山崎朝日子
いつの死かたれも知りたく茶立虫/赤松ケイ子
寝そびれて飢えかすかなり茶立虫/小泉もとじ
ベートーベン終りさみしき茶立虫/加藤知世子
シヨパンとリストの曲の差つなぐ茶立虫/加藤知世子