「盆」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「盆」について
【表記】盆
【読み方】ぼん
【ローマ字読み】bon
子季語・関連季語・傍題・類語など
・魂祭(たままつり:tamamatsuri)
・盂蘭盆(うらぼん:urabon)
・ぼに(ぼに:boni)
・盆棚(ぼんだな:bondana)
・魂棚(たまだな:tamadana)
・精霊棚(しょうりょうだな:shoryodana)
・先祖棚(せんぞだな:senzodana)
・空棚(からだな:karadana)
・棚経(たなぎょう:tanagyo)
・真菰筵(まこもむしろ:makomomushiro)
・水の実(みずのみ:mizunomi)
・水の子(みずのこ:mizunoko_)
・新盆(にいぼん/しんぼん:niibon)
・荒棚(あらたな:aratana)
・初盆(はつぼん:hatsubon)
・あら盆(あらぼん:arabon)
・新精霊(にいじょうろ:niijoro)
・新盆見舞(しんぼんみまい:shimbommimai)
・精霊祭(しょうりょうまつり:shoryomatsuri)
・盆前(ぼんまえ:bommae)
・盆過(ぼんすぎ:bonsugi)
・盆会(ぼんえ:bone)
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季節による分類
・「ほ」で始まる秋の季語
・「秋の行事」を表す季語
・「初秋」に分類される季語
月ごとの分類
盆を含む俳句例
心にて顔に向ふや魂祭/鬼貫
先匂ふ真菰筵や草の市/白雄
盆山や春秋もなき夏姿/如流
盆過て宵闇暗し虫の声/芭蕉
新涼や盆唄ちらす箸袋/新井保
松茸や桜にかをる朽木盆/調試
棚経や聲の高さ弟子坊主/其角
肉声もなく盆過ぎの白磧/子郷
草枕故郷の人の盆曾かな/暁臺
山町や清水祭に盆踊/滝井孝作
先生の前に夜学の煙草盆/篠原
棚経や出て気のつく門違/自笑
出雲より人来て盆の川下り/目
盆休大きな川を横たへて/黛執
百姓の手足短し盆踊/宮坂静生
町中の闇は城山盆の月/上暮潮
盆の道行くに従ふ川の渦/原裕
鎌鍛冶と莨百姓盆踊/西本一都
魂祭八千代諷ひし一座也/旧国
盆の花と並ぶ浜の店/菊島/登
俳句例:21句目~
稲光西にしきりや風の盆/柏禎
稲太る月夜の手足盆踊/飴山實
山垣の上の金星風の盆/上村占
盆の月市に隠るる人は誰/暁臺
朝より夕を盆の心かな/斎藤玄
焼米や家に伝はる会津盆/樗良
狂院をめぐりて暗き盆踊/三鬼
仲丸の魂祭せむけふの月/蕪村
塚助弥燈籠高尾魂祭/西本一都
従弟どち月に語るや魂祭/白雄
百枚の畳を拭きて盆用意/杉山睦
膳運ぶ長き袂や風の盆/細見綾子
白米を一升母へ盆帰り/沢木欣一
新生姜水に浸して姉の盆/原田喬
魂棚や藪木をもるゝ月の影/丈草
角塔婆盆の海より寄す白波/林火
棚経や闖入の虻大自在/矢島渚男
屋の箱積み重ね盆休み/横田和子
片方の短き足や瓜の馬/尾崎迷堂
男には家が軛や盆の月/下村槐太
俳句例:41句目~
立山を仏と拝む盆の月/松住清文
盂蘭盆や無縁の墓に鳴く蛙/子規
隣同志住持応召盆の寺/河野静雲
川灯し山坂灯し風の盆/柏原眠雨
門川に簾洗ふも盆用意/岸風三楼
桜餅盆に美くし婦人会/吉屋信子
街道は高きを走り盆休/綾部仁喜
身に入やうら盆過の夜の雨/鴻水
交替に姉の出てゆく盆踊/湯川雅
腸に一杯の水盆明けぬ/折井紀衣
山雲に乗りて盆花迎かな/岸田稚
釈迢空柳田國男盆の月/黒田杏子
一湾は鏡の如し盆の月/坂口夢塔
自転車に苧殻音たつ盆支度/林翔
山路来し杖も一本盆の家/上村占
群山の朝から白し送盆/宮坂静生
予定表欄外に書く盆踊/楢原清子
柱立ち敷居流れて盆の家/岡本眸
魂棚や畳に移る草の露/松瀬青々
月の色さす魂棚の箒草/沢木欣一
俳句例:61句目~
川靄の町へなだれて送盆/小澤實
踊巧者踊見巧者風の盆/高澤良一
棚経や慈姑頭の老の僧/石塚友二
簗竹の節の揃はぬ盆休/綾部仁喜
近道は墓地の脇道盆踊/高澤良一
赤々と酒酔星や盆踊/肥田埜勝美
初茸の盆と見えけり野老売/其角
耳遠き婆が合点や瓜の馬/岸田稚
なき父の膝もとうれし魂祭/樗良
盆狂言舞台と空と月二つ/赤松子
魂棚に戒名長し長寿村/大熊輝一
恪勤の父送り出す盆休/高橋悦男
盆踊終り櫓に灯を残す/池田秀水
盆棚に薯蕷饅頭真つ白な/石嶌岳
塀越の枯野やけふの魂祭/炭太祇
盆踊清少納言小町の国/西本一都
狛犬に犬を預けて盆踊/平上昌子
徹書記のゆかりの宿や魂祭/蕪村
夕風を誘ふ醜草送り盆/矢島渚男
盆過の紺紙金泥日課経/斉藤夏風
俳句例:81句目~
懸乞の不機嫌みせそ魂祭/炭太祇
盆景の波白妙に冬座敷/吉屋信子
盆帰省弟ととぶ河原石/太田土男
盆山や梺のみぞれ砕き砂/調川子
生盆や縞黒檀の対の箸/吉田紫乃
母人や病をおして魂祭/清原枴童
盆唄の夜風の中の男ごゑ/森澄雄
盆切籠友よ茫々六十年/中西舗土
奥の間の盆灯籠の氷めく/辻桃子
奥信濃鎌の古間の盆踊/西本一都
盆僧の羅硬し雑踏裡/殿村莵絲子
蟲くひの鬼灯悲し魂祭/石井露月
漂着の平家供養の盆踊/山口誓子
盆踊汗水節といふ曲も/沢木欣一
趾の間の広き魂まつり/綾部仁喜
青空の奥處は暗し魂祭/三橋敏雄
盆二日過て出来たる灯籠哉/一差
盆やすみて八朔梅の星月夜/淡々
盆ほどになるてふ菊の莟哉/移竹
魂祭り王孫いまだ帰り来ず/蕪村