「青芝」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「青芝」について
【表記】青芝
【読み方】あおしば
【ローマ字読み】aoshiba
子季語・関連季語・傍題・類語など
・夏芝(なつしば:natsushiba)
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季節による分類
・「あ」で始まる夏の季語
・「夏の植物」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
青芝を含む俳句例
青芝の真昼に近き海の音/原石鼎
青芝の果の高浪野島埼/岡田耿陽
恋衣紅白彼岸の青芝に/香西照雄
青芝に石燈籠の影短か/京極杞陽
乙女去り青芝かこむ鎖垣/香西照雄
夕影の青芝踏みて鶴涼し/日野草城
青芝に夜の雨光り誕生日/佐藤脩一
満塁や青芝遠く緊張す/佐久間慧子
空港の灯は赤と青芝涼し/田中蘇冬
脇宮の青芝海へ展けたり/斎藤節子
青芝に犬の舌桃色に垂れ/池内友次郎
青芝の日照時間尽きるまで/後藤夜半
青芝を踏み高原の朝の弥撒/高橋照子
人死んで青芝を張り急ぐ家/沢木欣一
青芝に一片の雲さしかかる/谷野予志
青芝のはづれに鋏横たはり/京極杞陽
夏芝にごろ寝の對の大膽な/石塚友二
夏芝に花文字基地の有刺線/原子公平
青芝が刺すぞ仕事が一杯で/山内嵩弘
大学の夏芝に寝て雲掴む/八木三日女
俳句例:21句目~
青芝に鋏やさしく横たはり/京極杞陽
青芝に脛をどり子ら池を更ふ/及川貞
文字板の青芝なりし花時計/宇山久志
青芝にして激戦の跡といふ/竹中弘明
日蝕す青芝すべて毒を蒸す/永井龍男
灯台の青芝踏めば暮れんとす/森田峠
青芝に白き花びらこぼれけり/佐藤都
青芝や精勤の靴並べ干す/鳥居おさむ
原罪を説く青芝に足投げ出し/清水衣子
夏芝を踏み急ぎ来て客となる/久米正雄
旗が鳴る金網塀に青芝透き/秋元不死男
昏き家と青芝にあるゴルフ球/永井龍男
金網に青芝あればすべて基地/沢木欣一
青芝に一樹の影の濃かりけり/工藤芳久
青芝に吾子の小さきかげ走り/稲畑汀子
青芝に雨意の濃淡くちすすぐ/安東次男
青芝の匂ひが網戸ごしにして/高木晴子
青芝の母の孤島へ這ひ着ける/野中亮介
青芝の視界はみ出て余りあり/古屋秀雄
青芝や家族賑やかなりし頃/富田のぶ子
俳句例:41句目~
青芝や描きて以て白日夢/久保田万太郎
すぐそこに海青芝の航海科/塩尻庄三郎
青芝を妻子に遺し墓小さし/殿村菟絲子
青芝に自転車寝かせおく恋よ/正木ゆう子
青芝に落ちし松葉の立つてゐる/岸本尚毅
青芝にエルムの影を踏む旅情/佐野まもる
土用波青芝越えてしぶき来る/佐野青陽人
セパードに曳かれ荒息青芝に/沖田佐久子
青芝の庭見て経たる刻それぞれ/下村槐太
ことば立つこの青芝の心地よき/和田悟朗
青芝に寝て8ミリのやうな空/夏井いつき
見えぬ雨青芝ぬれてゆきにけり/中島斌雄
臥して見る青芝海がもりあがる/加藤楸邨
青芝を外して池にバンカーに/稲畑廣太郎
岩崎邸青芝目を射るサンルーム/高澤良一
青芝を海とし一蝶わたらしむ/小瀬川季楽
青芝に襁褓替ふる子ころがしぬ/藤井寿江子
子の臀のまろさ青芝を圧すまろさ/大野林火
青芝に坐して紺碧の海を恋ふ/阿部みどり女
もろともにあからさまなり青芝に/日野草城
俳句例:61句目~
青芝にわが寝そべれば犬もまた/左右木韋城
青芝の馴染みて地震に耐へし家/稲畑廣太郎
車椅子どこまで平らなる青芝/長谷川かな女
青芝や犬より少女はしやぎゐて/ほんだゆき
青芝のところどころを刈り上げて/佐々木六戈
エスプレツソ苦し青芝に雨かすか/徳田千鶴子
青芝の中なる捩花いっぽんに/背景は消えゆきゆきて夕/吉野裕之