俳句例:101句目~
立てそめし障子と二重秋すだれ/井沢正江
見て過ぐる故人の書屋秋すだれ/亀井糸游
秋すだれ捨てし磧にほどけゆく/吉田汀史
死神に呼ばれて覚めし秋すだれ/稲垣きくの
ゆるやかに巻きしままなる秋簾/片山由美子
秋簾はづして巻いてありにけり/山崎ひさを
秋すだれ捲く庭ぬちや夜雨くる/鈴木しづ子
づかづかと日の射してをり秋簾/鷲谷七菜子
秋すだれ素顔さやかに人に逢ふ/柴田白葉女
とめどなく秋の簾となつてをり/岡崎るり子
妻もまた世事にはうとく秋簾/松岡ひでたか
秋簾身を折るやうに巻かれけり/長谷川秋子