俳句例:101句目~
秋出水いきなり鳴りし時計かな/小原芳子
灯を返すものを中洲に秋出水/中戸川朝人
秋出水人のうしろへ殖えて来し/萩原麦草
流木を上げんと待てり秋出水/松本たかし
流れ行くものみな光る秋出水/江口ひろし
自転車を停めて見てゐる秋出水/田原央子
ひっそりとして寺町の秋出水/久保田万太郎
秋出水まつすぐ我に向かつて来/久保田孝子
なにもせずゐしかば引けり秋出水/金谷信夫
秋出水「カルメン故郷に帰る」頃/攝津幸彦
秋出水早鐘つひに撞かれけり/久保田万太郎
室生寺のまつくらがりの秋出水/大峯あきら
流れくる水葱をすくひぬ秋出水/吉岡禅寺洞
またしてもふりくる雨や秋出水/久保田万太郎
ふなべりにわかるゝ水葱や秋出水/吉岡禅寺洞
ひとかたまりの人が戸口に秋出水/廣江八重櫻
ながれゆくものの迅さや秋出水/久保田万太郎
秋出水さゝやき合うてひきにけり/吉岡禅寺洞
しらしらとあけてくる夜や秋出水/久保田万太郎
秋出水、牛、馬、死んでながれけり/久保田万太郎