季語/油虫(あぶらむし)を使った俳句

俳句例:101句目~

ごきぶり逃がす鉄筋の十重二十重かな/内田啓

ごきぶりを目に追ひ電話つづけをり/長屋せい子

手加減の出来ずごきぶり打つときは/千賀富太郎

ごきぶりの声のまにまに逃げゐたる/作山/大祐

ごきかぶり初太刀二の太刀かいくぐり/高澤良一

世情騒然あぶらむしわきゐたりけり/磯部尺山子

ごきぶりの眼といふものを見しことなし/行方克巳

ごきぶり一匹せともの割れる淋しさあり/加賀谷洋

ごきかぶりがあらわれ貧乏におそわれている/吉岡禅寺洞

にげるにまかせておくごきかぶりの訪問者だ/吉岡禅寺洞

ごきかぶりのあわてようおかしくもない夜です/吉岡禅寺洞

さんざ騒ぎ果てたる後を居残れば油虫だらけの穴ぞこの酒場/島田修三