「油照」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「油照」について
【表記】油照
【読み方】あぶらでり
【ローマ字読み】aburaderi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・脂照(あぶらでり:aburaderi_)
–
季節による分類
・「あ」で始まる夏の季語
・「夏の天文」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
油照を含む俳句例
油照ゆく少年と少女の影/原裕
大阪や埃の中の油照/青木月斗
川魚の鼻出す波紋油照/高井北杜
猫の下一枚二枚油照/郡山やゑ子
巻尺の弾みて戻る油照/田原央子
指缺けて楽舞俑群油照/柚木紀子
切株が斧噛むでゐる油照/星水彦
油照巖山は巖しぼり出す/金子青銅
噎び喀く胸の血甘し油照/石原八束
屁理屈の罷り通らぬ油照/高澤良一
雁宕の墓ほむらだつ油照/石原八束
また外れ真っ赤な嘘の油照/高澤良一
人死して蛇口をひらく油照/奥坂まや
大船を引きすゑてある油照/富安風生
樹に強く斧を打ちこむ油照/小澤克己
油照「一筆啓上」書翰の碑/内山泉子
油照老眼進むおもひかな/猿橋統流子
血を喀いて眼玉の乾く油照/石原八束
退屈な鼻がゐすわり油照/和田耕三郎
遺跡とは無言の歴史油照/田中まさし
俳句例:21句目~
こびりつく愛想笑ひや油照/仙田洋子
鮨屋へのカレーの出前油照/山口恵子
ざんばら髪の山彦あるく油照/長谷川双
母系家族は白のあけくれ油照/長谷川双
身ほとりに葬りつづけり油照/近藤一鴻
名刺から我が名こぼるる油照/藤岡筑邨
道迷ひゐる歩をつつみ油照/畠中じゆん
油照横ざまに寝て聴くラヂオ/石塚友二
錆こぼし橋痩せつづく油照/中戸川朝人
油照逃げ場なきこと空気にも/宮津昭彦
絵タイルの独楽まはり出す油照/高橋悦男
油照きりきり舞をせる木あり/相生垣瓜人