9月に使用する季語を一覧にまとめました。
※後半に「九月」の例句を140句ほどまとめてあります。
9月の季語:時候
二百十日 / 仲秋 / 葉月 / 八朔 / 秋分 / 秋彼岸 / 秋社 / 龍淵に潜む / 水始めて涸る / 冷やか / かりがね寒き /
9月の季語:天文
菊日和 / 初月 / 二日月 / 三日月 / 待宵 / 名月 / 良夜 / 無月 / 雨月 / 十六夜 / 立待月 / 居待月 / 臥待月 / 更待月 / 宵闇 / 有明月 / 真夜中の月 / 野分 / 颱風 / やまじ / おしあな / 高西風 / 鮭颪 / 黍嵐 / 雁渡し / 青北風 / 富士の初雪 /
9月の季語:地理
9月の季語:生活
秋袷 / 鮞 / 鯷漬 / 氷頭膾 / 衣被 / 栗飯 / 松茸飯 / とんぶり / 葡萄酒醸す / 秋簾 / 行水名残 / 障子洗う / 障子貼る / 障子襖を入れる / 葭戸蔵う / 簟名残 / 豊年 / 渋取 / 新渋 / 竹伐る / 綿取 / 糸瓜の水取る / 芥菜蒔く / 罌粟蒔く / 草花秋蒔く / 牡丹の根分 / 芍薬の根分 / 胡麻刈る / 粟刈る / 草泊 / 鹿狩 / 月見 /
9月の季語:行事
司召 / 秋の駒牽 / 秋季皇霊祭 / 毛見 / 敬老の日 / 秋分の日 / 八朔の祝 / 尾花の粥 / 後の二日灸 / 後の出代 / 馬市 / おくにち / 高きに登る / 十日の菊 / 後の雛 / 秋場所 / 秋狂言 / 愁思祭 / 筥崎祭 / 八幡放生会 / 宇佐放生会 / 鶴岡祭 / 泣角力 / 豊穣祭 / 大宰府祭 / 北野芋茎祭 / 御難の餅 / 聖母生誕祭 / 十字架祭 / 聖ミカエル祭 / 天使祭 / 秋の釈奠 / 蘭盆勝会 / 鬼貫忌 / 世阿弥忌 / 守武忌 / 呑龍忌 / 太祗忌 / 西鶴忌 / 素堂忌 / 太閤忌 / 定家忌 / 遊行忌 / 道元忌 / 吉野太夫忌 / 許六忌 / 乃木祭 / 鳳作忌 / 鬼城忌 / 露月忌 / 子規忌 / 南洲忌 / 秀野忌 / 蛇笏忌 / 素十忌 /
9月の季語:動物
蛇穴に入る / 秋の蛙 / 小鳥 / 燕帰る / 稲負鳥 / 猿子鳥 / 初鴨 / 海猫帰る / 尾花蛸 / 溢蚊 / 秋蚕 / 八朔梅 /
9月の季語:植物
秋薔薇 / 芙蓉の実 / 葡萄 / 石榴 / 初紅葉 / 薄紅葉 / 桜紅葉 / 柳散る / 衝羽根 / 通草 / 竹の春 / 竹の実 / 蘭 / コスモス / 紫苑 / 木賊 / 茴香の実 / 三七の花 / 風船葛 / 甘藷 / 芋茎 / 零余子 / 貝割菜 / 間引菜 / 紫蘇の実 / 葉唐辛子 / 早稲 / 稗 / 玉蜀黍 / 黍 / 高黍 / 甘蔗 / 粟 / 新大豆 / 緑豆 / 胡麻 / 藍の花 / 棉 / 蓮の実 / 刈安 / 蘆の花 / 真菰の花 / 野菊 / 荒地野菊 / 磯菊 / 浜菊 / 貴船菊 / 嫁菜の花 / 朝霧草 / 田五加 / 豨薟 / 秋薊 / 富士薊 / 曼珠沙華 / 鍾馗蘭 / 龍胆 / 岩蓮華 / 杜鵑草 / 千振 / 車前子 / 鳥兜 / 苦参 / 思草 / 藜の実 / 菱の実 / 舞茸 /
⇒ 三秋を含む秋の季語一覧はこちらをクリック
「九月」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「九月」について
【表記】九月
【読み方】くがつ
【ローマ字読み】kugatsu
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「く」で始まる秋の季語
・「秋の時候」を表す季語
・「仲秋」に分類される季語
九月を含む俳句例
暁の寝姿さむし九月蚊帳/暁台
甦る学校町の九月かな/竹田哲
北極の氷山氷河旅九月/河野静雲
ひやう~と瓢の風も九月哉/一茶
寝台の風樹も九月蚤の市/小池文子
九月十三日の夜とかやうけ給はりて
城趾に鎖を重らし九月逝く/桂信子
秋老て九月の月の皺寒し/正岡子規
九月一日叩きあふ火と水と/松澤昭
九月なほ休む学園法師蝉/岩見静々
松の幹みな傾きて九月かな/桂信子
女きて女励ます九月の森/寺田京子
冬衣求むや九月十九日/相生垣瓜人
旅九月麦取上げの英と仏/河野静雲
あたふかに九月日和や藪の照り/水魚
九月はや紅葉を流す梓川/鈴鹿野風呂
糊ききし制服の襟九月来ぬ/水原春郎
大皿を洗ひて朱き九月かな/平井照敏
確信の九月一気に動き出す/堀部寿子
九月より春まで花の老椿/伊賀-風麦
俳句例:21句目~
妊りて夜を嫌ひて九月了る/石川桂郎
牛憂う九月の河へ尻を向け/金子兜太
九月一日十二時の花時計/大石きよ子
犀がゐて九月の空を広げたり/皆吉司
山の蛾がふらす銀粉九月果つ/桂信子
九月来る灰皿の上に紙燃やし/岡本眸
心引締めてはじまる九月かな/安原葉
父の頭が見えて九月の黍畑/宮田正和
河口の月巨いなる九月かな/石原次郎
紺の旗かざして骨折した九月/竹中宏
脇腹に鶏を抱へてゆく九月/柿本多映
金柑の甘煮の艶や九月果つ/藤井三郎
汐寂びの観音拝し九月了ふ/山田諒子
水藻沈め九月の風の勁きかな/杉本寛
橋立の松籟を聴く九月かな/斎藤朗笛
古九谷に九月半ばを散る欅/細見綾子
蹠の土しまりゆく九月かな/飯村周子
いちじくも九月半ばの影つくる/桂信子
うろくづの影さす潮九月かな/六本和子
石山の驟雨にあへる九月かな/飯田蛇笏
俳句例:41句目~
さす月もあな冷じの九月蚊帳/高井几董
九月蝉椎伐ラバヤト思フカナ/正岡子規
また九月一日来る秋の蝉/久保田万太郎
まだ何も置かぬ九月の机なり/坂巻純子
眠り込む顔は真実九月の夜/和田耕三郎
アカシアに囁く風も九月とよ/石塚友二
沓脱に散つて九月の百日紅/鈴木しげを
カレンダー一枚鋲に九月来ぬ/石川桂郎
三夕なりけり七月八月九月はけふ/調鶴
椋の木の蔭の明るき九月来る/西村和子
サティ聴く九月画布白きまま/森尻禮子
念仏坂越えて水ゆく九月かな/保坂敏子
定型が滅ぶとすれば九月かな/筑紫磐井
水音も風の音にも九月かな/副島いみ子
九月なり朽木に据えて尻の骨/中島斌雄
九月蚕は眠り門川やはらかし/平畑静塔
吃音のやうに九月の鳥が跳ぶ/柿本多映
杖の身を風が出迎ふ九月かな/村越化石
色とみに淡し九月の稽古花/白岩てい子
茶畠のひかり手強き九月かな/飯島晴子
俳句例:61句目~
草むらの蟇に竹ちる九月かな/永田耕衣
蚕屋障子開きて九月の峠見ゆ/筒井恭子
赫々の九月惨暑とも云ふべき/斎藤空華
九月かや五更の星の覚めてあり/菅裸馬
身まかるや生るゝや九月雨隣/石塚友二
車窓うつ九月の雨は密となる/宮武寒々
上著ある暮しに戻り九月かな/奥田智久
陶枕のかたきを得たる九月かな/安住敦
革命を起こすに半端なる九月/櫂未知子
高からぬ山に雲ゐる九月かな/山本洋子
鳥の目で見てゐる九月草深し/柿本多映
鶏頭にふたゝび九月十九日/岡本癖三酔
黒揚羽九月の樹間透きとほり/飯田龍太
木の上に人がゐさうな九月なる/金田咲子
母胎にて見しは九月の甲斐駒か/加藤楸邨
水昏くなりてすとんと九月かな/長谷川双
河骨の九月の池の荒れにけり/八木林之介
生國の魚こっそりと来る九月/宇多喜代子
神の田の九月の蝌蚪の足造り/殿村菟絲子
すれ違ひゆける客車の九月かな/山西雅子
俳句例:81句目~
経師出て九月の山を見てゐたり/岡井省二
縄とびの縄を抜ければ九月の町/大西泰世
背広着て鴎を見たる九月かな/和田耕三郎
ひとり身の九月草樹は雲に富み/野澤節子
ほろほろと生きる九月の甘納豆/坪内稔典
九月の夜水滴落つるごと眠り/和田耕三郎
九月の森石打ちて火を創るかな/寺山修司
葉と王と島とながれて土佐九月/阿部完市
九月はじまる無礼なる電話より/伊藤白潮
貝がらの九月の雨を溜めてをり/黛まどか
九月はや秋の暗さに灯のともる/溝口博子
九月はや運河に人の咳ひびく/榎本冬一郎
九月ひとに火雲火の翳来て悼む/古沢太穂
九月一日ごくと冷めたる渋茶呑む/中拓夫
九月七日アラスカの雲すでに冬/河野静雲
鐵のごとき九月柑橘の実を愛す/中島斌男
九月蚊屋また頬白に啼かれたり/木津柳芽
陸軍の服が売られて九月かな/今井杏太郎
雨のこるべつたら市の薄九月/水原秋桜子
雨暮るおもたき榧の九月かな/渡邊千枝子