「嫁が君」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「嫁が君」について
【表記】嫁が君
【読み方】よめがきみ
【ローマ字読み】yomegakimi
子季語・関連季語・傍題・類語など
–
季節による分類
・「よ」で始まる新年の季語
・「新年の動物」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
嫁が君を含む俳句例
明る夜の仄に嬉し嫁が君/其角
浄闇の厨の音や嫁が君/池松昌子
嫁が君全き姿見られけり/野口里井
嫁が君冠おいたる枕もと/中川四明
嫁が君父の家いま兄の家/辻田克巳
足音に姿かくしぬ嫁が君/佐藤春夫
嫁が君家中を緑が走る/堀之内長一
美しき障子明りや嫁が君/加古宗也
窯神の餅引く山の嫁が君/岸川松韻
屋根裏に別な所帯の嫁が君/田湯岬
嫁が君一匹ならずとも思ふ/皆川白陀
嫁が君几帳の裾にかくれ顔/中川四明
桶に浮く豆腐に通ひ嫁が君/谷口小糸
ほの暗き忍び姿や嫁が君/河東碧梧桐
嫁が君連なり渡る地下線路/癸生川昭
三寳に登りて追はれ嫁が君/高浜虚子
小蔀を下せば夜や嫁が君/岩谷山梔子
仏壇の裏通ひ路や嫁が君/名和三幹竹
何くはぬ顔して覗け嫁が君/井上井月
内陣を御馬駈けして嫁が君/小松月尚
俳句例:21句目~
橙を嘗めて去にけり嫁が君/田中二星
琴柱にふるる音かな嫁が君/垣上鶯池
貧厨に何を獲んとて嫁が君/吉井莫生
ぬば玉の閨かいまみぬ嫁が君/芝不器男
世紀末よき子を産めよ嫁が君/前澤宏光
大梁にのぞきて飛騨の嫁が君/橋本榮治
嫁が君飢ゑの記憶の遠くあり/澤木欣一
嫁が君引きゆくものに闇緊る/松本寒江
往診の途上にあへり嫁が君/瀧澤伊代次
嫁が君出番深夜の時計鳴る/神保奈美子
嫁が君戦知るひと減りにけり/根岸善雄
機ぼこり被きて現れぬ嫁が君/白澤良子
嫁が君妹が手鞠をかくしけり/大谷句佛
貧しさの想ひ出ばかり嫁が君/橋本逍月
嫁が君この家の勝手知りつくし/轡田進
餅花やかざしに插せる嫁が君/松尾芭蕉
どこからか日のさす閨や嫁が君/村上鬼城
噛じられし写楽の顔や嫁が君/阿波野青畝
嫁が君天守閣より下り来しか/福田甲子雄
嫁が君ゐるにまかせて書屋かな/石川桂郎
俳句例:41句目~
嫁が君ひとり住ひの親しさに/白岩てい子
一夜明け嫁が君とは呼ばれけり/清水基吉
嫁が君しきりに騒ぐポオを読む/神谷九品
嫁が君窯場の火照りなほ残り/安達実生子
齧じられし写楽の顔や嫁が君/阿波野青畝
あめつちの音のはじめの嫁が君/上田五千石
一人起きてゐるとも知らず嫁が君/皆川白陀
嫁が君おでばりなされ夜も更けし/桔梗恵子
嫁が君富士の夢など見たことなし/木戸渥子
年に一度はものに臆すな嫁が君/中村草田男
捕はれし嫁が君てふ目と合ひし/成嶋いはほ
父祖の代の梁ゆるぎなし嫁が君/倉田一粒子