「破魔弓」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「破魔弓」について
【表記】破魔弓
【読み方】はまゆみ
【ローマ字読み】hamayumi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・破魔矢(はまや:hamaya)
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季節による分類
・「は」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
破魔弓を含む俳句例
破魔弓や男子四方の志/黙仏
立ち並ぶ破魔矢の店や男山/木犀
破魔弓や的に立たる納豆箱/蓼太
破魔弓と斧と並ぶや山の家/東明
一九九九年の破魔矢かな/五島高資
沖の浪白し破魔矢を袖に抱く/秋を
白雲の白を移せり諏訪破魔矢/静塔
児となるや腰に破魔弓老の春/玄札
一本の破魔矢余生を護るべし/青畝
誰にやる破魔弓ねぎる道心者/来山
あと厄もすみし今年の破魔矢かな/啼
ちはやふる破魔矢の鈴に初の闇/原裕
八幡宮破魔矢握りて五十段/高澤良一
破魔弓や埴生の小屋の蜑が窓/東洋城
天空に神の弓あり破魔矢うく/上野泰
破魔弓やどさと落ちたる松の雪/白及
破魔弓や百姓ながら那須に住む/碧童
破魔矢持つ童女吉祥天なるよ/楠節子
破魔矢欲し武蔵野の風荒ければ/桂子
破魔矢置く寺の畳の青海波/平畑静塔
俳句例:21句目~
風寒し破魔矢を胸に抱へくる/たかし
切先に比叡の雪嶺破魔矢受く/山田弘子
箔を押す鏑雁股破魔矢かな/田中田士英
破魔矢より鈴をはづして弄びけり/原裕
切通破魔矢かざせば海が見ゆ/宮下翠舟
初旅の破魔矢挿す荷を枕上み/茂里正治
破魔矢の鈴暗闇にまた海の音/川崎展宏
破魔弓や大和機女が子宝や/広江八重桜
破魔矢得て飛雪の磴をひたに下る/正雄
破魔矢さし机辺めでたく片づける/播水
破魔矢あり追儺豆買ひ忘れても/及川貞
抱き戻る破魔矢の白と京の冷/山田弘子
松ヶ枝に破魔矢のとどく肩車/小早川恒
無造作に束の破魔矢や巫女溜/立花杢公
はぐれゐし夫かも破魔矢高々と/築城京
破魔矢受けし第一番の男かな/高浜年尾
初詣受けて平家の赤破魔矢/百合山羽公
吊橋を人帰り来る破魔矢手に/田島/十
破魔矢受く山城の国一の宮/後藤比奈夫
空席に破魔矢を寝かせ湖西線/鈴木鷹夫
俳句例:41句目~
紅梅や盆の破魔矢に切火飛ぶ/渡邊水巴
荒矧の破魔矢なれども金の箔/久米正雄
浪花女の背中にさしし破魔矢かな/冬菜
金よりも銀美しき破魔矢かな/串上青蓑
一年を壺に古りたる破魔矢かな/上野泰
高々と破魔矢かかげて渡舟客/山田弘子
破魔矢もつ人神前をよぎりけり/星野立子
白破魔矢武に苦しみし神達よ/橋本多佳子
破魔弓の剛きを老の手に鳴らす/上條筑子
破魔矢とて湖国枯葦かざし舞ふ/加藤耕子
実朝の海より生れし破魔矢享く/北澤瑞史
破魔矢手に汚き雪を蹴りに蹴る/岸本尚毅
破魔矢さす襟や五十の恋いかに/小林康治
破魔矢受く曉光すでに沖にあり/向野楠葉
御神馬の厩舎の柱破魔矢挿し/小原菁々子
戀の矢はくれなゐ破魔矢白妙に/山口青邨
わが寝屋の闇の一角白破魔矢/橋本多佳子
破魔矢うけたゞはぐれじと酉の市/及川貞
折からの雪より白き破魔矢享く/鶴丸白路
松風の小径となりぬ破魔矢持ち/吉屋信子
俳句例:61句目~
破魔矢享け降る筑波嶺雲に入る/小林碧郎
挿して置く破魔矢の影の添ふ如く/たけし
破魔矢あり壺に一枝の梅も咲き/岸風三楼
破魔矢享く吾に白羽の矢が当れ/品川鈴子
高きより破魔矢でかぞへ島の数/鷹羽狩行
病巣を射よと授かりたる破魔矢/品川鈴子
人形の目の逸れてをる破魔矢かな/上野泰
破魔矢抱くやわれを貫く白きもの/塘柊風
伊勢講の婆の土産は破魔矢なり/楠/節子
破魔矢挿す女ざかりの夜の髪/後藤比奈夫
浅間さん詣で破魔矢を高かかげ/高澤良一
破魔矢立て一人書斎に立て籠る/岬/雪夫
反り橋は朱の太鼓橋破魔矢買ふ/田中水桜
破魔矢触れ梅の蕾をまなかひに/吉屋信子
神山に近く住みなし破魔矢受く/山口白甫
破魔矢ゆきあとまたねむるなまこ壁/龍太
空青し破魔矢の人を追ひ越して/岩田由美
大風の夜を真白なる破魔矢かな/渡辺水巴
笹山に入りて破魔矢の鈴さわぐ/宮岡計次
古壷にかたと音して破魔矢挿す/高浜虚子
俳句例:81句目~
肩車されて破魔矢を握りしむ/山崎矢寸尾
白妙の破魔矢いだきて夫子なし/菖蒲あや
葛飾や舳さきに坐る破魔矢の子/角川春樹
藪をゆく破魔矢の鈴の鳴り通し/岸本尚毅
吾も持ち人も持つなる幾破魔矢/久米正雄
追越すやなほ先をゆく破魔矢あり/桂信子
破魔矢もつ父子の影を浜に曳き/宮下翠舟
みくじ吉破魔矢に結び帰りけり/藤松遊子
早立の山荷に破魔矢挿しゐたり/神田/岩
破魔弓に九九を覚ゆる未来あり/正木ゆう子
破魔弓は山びこつくる子のたむろ/飯田蛇笏
破魔弓や入江の波の立つばかり/大木あまり
破魔弓や山びこつくる子のたむろ/飯田蛇笏
破魔矢の鈴師の星父母の星呼べり/奈良文夫
破魔矢もつほかに女の支へなし/長谷川秋子
破魔矢享く神に告ぐべき事告げて/雨宮昌吉
破魔矢受く多摩の横山霞む日を/水原秋櫻子
破魔矢受く母となる日の近き娘に/伊東宏晃
破魔矢手に人ごみに子を探しをり/高濱年尾
破魔矢手に大和心のありやなし/後藤比奈夫