「初荷」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「初荷」について
【表記】初荷
【読み方】はつに
【ローマ字読み】hatsuni
子季語・関連季語・傍題・類語など
・初荷馬(はつにうま:hatsuniuma)
・飾馬(かざりうま:kazariuma)
・初荷車(はつにぐるま:hatsuniguruma)
・初荷橇(はつにぞり:hatsunizori)
・初荷船(はつにぶね:hatsunibune)
・初荷駅(はつにえき:hatsunieki)
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季節による分類
・「は」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
初荷を含む俳句例
暁の提灯暗き初荷かな/鳴雪
豊橋に港町あり初荷船/耿陽
松風や初荷車の楽過ぎて/波郷
古車浅草紙を初荷かな/野村喜舟
一乙女加へ得て初荷出発す/古郷
筵旗掲げ埠頭に初荷船/土屋保夫
竹伐つて嵯峨は初荷の牛車/句仏
初荷いま橋越す城を遠景に/圭岳
初荷船囃し立てたり牡丹雪/龍雨
大籠に鯛の尾あまり初荷舟/谷迪子
曲家の廐出てくる飾馬/及川あまき
初荷の灯向ひ合せて問屋かな/繞石
よき鈴の音りん~と飾馬/星野立子
静かなる海曳航の初荷船/塩川雄三
初荷馬浅間吹雪に逸るなり/渡辺湖
初荷旗昔ながらの白木綿/霜田歌子
初荷馬腹当赤く海辺来る/河北斜陽
誰が担いでも初荷の旗なびく/秋を
マネキンの初荷一体づつ嵩む/裸馬
飾馬門に待たせて祭酒/冨田みのる
俳句例:21句目~
初荷着き都を距つ十里なり/秋櫻子
漆屋の畳口まで初荷かな/石田勝彦
初荷船着きし港の煌々と/伊藤一子
初荷揚汀に馬をならべけり/高田蝶衣
初荷来る須磨の古町いつぱいに/播水
初荷船島へ合図の笛鳴らす/木内彰志
初荷船脇艪を立てゝのぼりけり/梨葉
初荷衆街角の風に声あげた/原田種茅
初荷馬木曾の高嶺に嘶けり/木内彰志
初荷馬飾られてゐて尿しぬ/青柳菁々
ふもとより届く初荷の寒卵/白岩三郎
まだ暗き岸壁に着く初荷船/高野清美
よく晴れし海の景色や初荷舟/嶺春雄
国道を雁字搦めの初荷ゆく/井出和幸
船飾る港の初荷眼のいたり/塩谷華園
両側の問屋々々の初荷かな/柴原碧水
中京や初荷に見ゆる刀自の声/樟蹊子
桟橋は島の玄関初荷著く/佐藤清流子
先頭を保ち続けて初荷行く/奥谷郁代
切火して阿波三盆の初荷なり/森田悠
俳句例:41句目~
淡路より着きて初荷の水仙花/谷迪子
炭橇や初荷の旗は子どもの字/瀧春一
繭玉をさすや初荷の戻り馬/三輪未央
雪へ卸す初荷の鉛沈没す/田川飛旅子
青森熊笹八万枚の初荷かな/折井眞琴
風が棲む雪山の裾初荷行く/相馬遷子
浦々の菊あつめゆく初荷舟/岡本まち子
初荷とし屑鉄縄にくくられぬ/菖蒲あや
かざりさす音の初荷の胴中に/栗生純夫
妻も担ひ天地無用の初荷出す/中原鈴代
痩馬を飾り立てたる初荷かな/正岡子規
宮前の花屋に着きし初荷かな/山本幸代
はだかりし府中の町の初荷馬/高浜虚子
筏曳く舳に初荷の旗立てて/穂坂日出子
初荷着く解かざるうちの縄匂ふ/神蔵器
初荷積む土間凸凹のデコ屋敷/高澤良一
坂下をつづいて通る初荷かな/野村喜舟
撒き蜜柑ただよふ波の初荷舟/斎藤道子
初荷橇氷湖をたわみつつ渡る/吉村唯行
花のごと掃きし路上の初荷屑/山田文男
俳句例:61句目~
葱の束うやうやしくも初荷かな/山冬子
蜜柑むく初荷の馬の鼻がしら/中村汀女
初荷橇まつ毛の長き馬に逢ふ/本宮哲郎
初荷曳雪にまろびてにぎはしや/桜坡子
赤がちに伊勢の船路の初荷かな/下田稔
門松の笹の葉喰めり初荷馬/高橋淡路女
風が飛ばす仙台訛初荷ゆく/山田みづえ
陸送の労初荷より始まれり/百合山羽公
市場まで父もつき行く初荷かな/森竜南
市場灯を煌々と初荷待つ/佐々木勇三郎
初荷のせ索道山へかへりゆく/宮下翠舟
初荷着く市に蕾をこぼしつつ/ほんだゆき
つきまとふ子猫をりけり初荷市/鈴木昭次
見送りし初荷華やぎ過ぎしとき/稲畑汀子
地に下ろす大吟醸の初荷かな/丸山しげる
初荷とて帯屋にとどく金銀糸/向井富美子
初荷にてわが頭上ゆく耕耘機/百合山羽公
起重機に初荷の仔牛鳴きにけり/橋本榮治
酔ひたるを載せて初荷の帰る哉/小峰大羽
村百戸海老を栄螺を初荷とす/鈴木真砂女
俳句例:81句目~
初荷馬風欲しくなりし日和かな/中島月笠
坂一つ登りてゆきし初荷かな/長谷川春草
大粒の真珠を仕入れ初荷とす/鈴木多江子
室いでし独活の初荷も多摩郡/柳原佳世子
吹きすさぶ初荷の街を歩き出す/杉山岳陽
セロリなど空港へ急ぐ初荷なり/岡田貞峰
おのが影踏んで初荷の糶を待つ/伊沢健存
掛路樹の飛雪にかなひ飾馬/阿部みどり女
納豆も水戸の初荷の中のもの/西海枝梟子
飾馬のあとゆきおのれ幸信ず/山田ひろむ
ちりちりに初荷のもどり吹かれけり/白水郎
初荷から投げてくれたる蜜柑かな/富崎梨郷
初荷とし塩この潔きものを積む/佐野まもる
初荷とて花苞編めり海女の小屋/笹本落葉子
行きずりの花舗の初荷に跼みけり/藤田湘子
橋いくつくぐる隅田の初荷舟/宇都木水晶花
河岸の風初荷の旗に吹き募る/阿部みどり女
降されて初荷のヒヨコ歌ひ出す/森川健太郎
波止の荷の中を馬輓き初荷積む/五十嵐播水
あまり重き荷嵩でありぬ飾馬/阿部みどり女