「鍬始」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「鍬始」について
【表記】鍬始
【読み方】くわはじめ
【ローマ字読み】kuwahajime
子季語・関連季語・傍題・類語など
・鍬初(くわぞめ:kuwazome)
・大鍬初(おおくわぞめ:okuwazome)
・田打正月(たうちしょうがつ:tauchishogatsu)
・作初(つくりぞめ:tsukurizome)
・鋤初(すきぞめ:sukizome_)
・堀初(ほりぞめ:horizome)
・初田打(はつたうち:hatsutauchi)
・初鍬入(はつくわいれ:hatsukuwaire)
・お鍬立(おくわたて:okuwatate)
・農立(のうたて:notate)
・農始(のうはじめ:nohajime_)
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季節による分類
・「く」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
鍬始を含む俳句例
山の辺の畠傾く鍬初/河本和
人より先鳩畝啄く鍬始/林昌華
山々の雪飛白なす鍬始/藤井亘
大山へ一拍二拍鍬始/金川晁山
二坪の菜園なれど鍬始/秋山英子
瀧の水汲み夕暮の鍬始/田中裕明
火の島のすがた全し鋤始/小林愛
鍬始め段々畑の老夫婦/三浦音和
鍬初や神農の後八千載/臼井丁川
眼のはしに鶴の歩める鍬始/林徹
鋤初や鍬大将の門の前/内藤丈草
蒼海の空に畠あり鍬始め/河野静雲
凍土に酒匂ひけり鍬初/渡部杜羊子
鍬初や雪の上なる供物/小野甲子園
天は晴れ地は湿ふや鍬始/子規句集
女手の一畝ばかり鍬始/渋谷まさゑ
鍬始不老の天をうち仰ぎ/堀口星眠
仏立つ畦に火かけて鍬始/冨山青沂
鍬始浅間ケ岳に雲かゝる/村上鬼城
山畑や明日を信じて鍬始/中川康子
俳句例:21句目~
遠き田の氷まぶしや鍬始/吉岡句城
王子趾にも一札や鍬初/坂東/紀仙
鋤初の雨ふりいでし幣かな/飯田蛇笏
雪中に神酒の匂ひや鍬始め/高室呉龍
大灘に日矢いくたびも鍬始/斎藤梅子
雪に挿す榊のみどり鍬始め/古市枯声
筑波嶺を日の渡りゐる鍬始/湯浅康右
鍬始太初の光り身に降りて/大月芳雨
鍬初や畑を三鍬田を三打ち/武石女羊
ひんがしへ大鳥流れ鍬始/大峯あきら
アメリカの若き大地に鍬始/本田楓月
書に倦みて己にかへる鍬始/高田自然
初鶏に鋤鍬ばらの控へたり/石井露月
山畑や雪に打ち込む鍬始/高橋淡路女
寸青き麦めでたしや鍬初め/岡本松浜
そのかみの貝掘りあてつ鍬始/芝不器男
にぎやかに寒がり出でぬ鍬始/山本村家
一帆のせりあがりたる鍬始/大木あまり
嫁を得し跡取りの鍬始めかな/植木緑愁
子を負ひてのけぞる谷の鍬始/三嶋隆英
俳句例:41句目~
日を洩らす吉野の雲や鍬始/加藤三七子
鍬初め野蒜の匂ひ立ちにけり/小原弘幹
門畑や打ちつ馴れたる鍬初/広江八重桜
打ち返し水にじむまで鍬初/廣江八重櫻
鍬始めいつより兄の父がわり/高橋鷹史
神々のたたかひし野に鍬始/大峯あきら
鍬始地下足袋の跡ふんわりと/香西照雄
鍬始島の寸土をまもり来て/田原那智雨
鍬始畝傍さへぎるもののなし/茂里正治
風の子が駆けすぎしより鍬始/石川桂郎
手の荒れて鳴らぬ拍手鍬始/杉崎句入道
これよりの余生いくばく鍬初/三好仙里
そそくさと打ちてすみしよ鍬始/赤松子
鍬始め一と打ちごとの土の色/矢口由起枝
つねのごと暮れてもどりぬ鍬始/亀井糸游
しきたりのあかつき闇へ鍬始/長谷川素逝
いつの間に終りてゐしや鍬始/鷲谷七菜子
鍬始め地下足袋の跡ふんわりと/香西照雄
手なぞこに乗るほどの富士鍬始/中野詩紅
あめつちの地のあるかぎり鍬始/鷹羽狩行
俳句例:61句目~
鍬初のもどりの芹や一とにぎり/大橋櫻坡子
鍬初めに出てゐるたつた一人かな/阿波野青畝