「初釜」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「初釜」について
【表記】初釜
【読み方】はつがま
【ローマ字読み】hatsugama
子季語・関連季語・傍題・類語など
・初茶湯(はつちゃのゆ:hatsuchanoyu)
・釜始(かまはじめ:kamahajime)
・点初(たてぞめ:tatezome)
・初点前(はつてまえ:hatsutemae)
・点茶始(てんちゃはじめ:tenchahajime)
・茶湯始(ちゃのゆはじめ:chanoyuhajime)
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季節による分類
・「は」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
初釜を含む俳句例
初釜や傘寿の衿を純白に/及川貞
蓋置に青竹切りつ釜始/橋本雪後
初釜や鹿も顔出す躙口/谷/陽右
桜貝の如き耳してお初釜/青野きみ
初釜に侍すや故山の風の音/大串章
初釜に孔雀天目初使ひ/下村ひろし
機糸に屑繭引くや釜始め/倉田萩郎
初釜の花びら餅の紅明り/村上洋子
初釜の炉に太き炭一文字/佐野美智
初釜の薄雪を踏みお正客/佐野美智
初釜の音色に力もらひけり/北光星
初釜や朝よりつゞく細雪/佐々登良
初釜やわれを師とよぶ十余人/及川貞
初釜の用意の炭を洗ひ置く/三宅節子
初釜に座して少年まばたける/原田喬
初釜や嫁ぐ日近き人も居て/菅沢泰子
初釜に招かれ月日動き出す/山田弘子
初釜や雪に遅れて来し夫人/宮下翠舟
足袋堅く爪先へ気や初点前/牧野寥々
雲ありてこその青空初点前/綾部仁喜
俳句例:21句目~
美しき火を古色とも釜始/上田五千石
初茶の湯名器の箱の紐を解く/滝峻石
初釜の懐紙に咲ける菓子椿/細谷鳩舎
初釜の炭を洗ひし日和かな/飯田法子
初釜の炭火をわたる山の色/森句城子
初点前ゆたかに膝をまはしけり/森澄雄
初点前祖母の帯地の出し袱紗/吉川与音
初釜にまがる小袖の梅小紋/今井つる女
初釜にスカート緑濃き乙女/百合山羽公
初釜のこゝろつもりの庭掃除/福田繁子
初釜や着物に似合ふ京ことば/沢村越石
初釜や友孕みわれ涜れゐて/八木三日女
初釜をかるく万朶の露を汲み/栗生純夫
瑞気とはこれ初釜を昇る湯気/山口誓子
初釜やきらきらとして松の塵/奥坂まや
初釜の初雪となり戻りけり/伊東余志子
初釜の瑕も音生むよき古び/加藤知世子
松籟に日の影しばし初茶の湯/宮武寒々
初釜のたぎちはげしや美女の前/西東三鬼
初釜のはやくも立つる音なりけり/安住敦
俳句例:41句目~
初釜のやがて鳴るべき時来たり/高浜年尾
菓子の名は下萌といふ初点前/片山由美子
初釜や客としいふも夫ひとり/白石千鶴子
初茶の湯あめつち結ぶ柳かな/高林とよ子
初釜や目に入るもののみな青く/渡辺千代
吾れひとり家風を継ぎて初茶湯/松原文子
初釜の一と言ふ軸めでたけれ/五十嵐みつ子
初釜や花びら餅のうすくれなゐ/伊東余志子
初釜や茶筅にのこるうすみどり/中村みづ穂
初釜の座を改めて歌留多とる/宇野/氷露子
師のつよき袱紗さばきや初点前/沢田しげ子
初釜の幾たりか妻となり母となり/遠山弘子
うらわかき膝しづまれり初茶の湯/石田波郷
ふるさとの花の干菓子や初茶の湯/村山古郷
初茶の湯鏡花にちなむ菓子添へて/大島民郎
初釜へおろしぞめなる草履かな/近藤/紀代女