「春着」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「春着」について
【表記】春着
【読み方】はるぎ
【ローマ字読み】harugi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・正月小袖(しょうがつこそで:shogatsukosode)
・春小袖(はるこそで:harukosode)
・初衣裳(はついしょう:hatsuisho)
・初重ね(はつがさね:hatsugasane)
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季節による分類
・「は」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
春着を含む俳句例
春着の子走り交して色交し/泰
妻に隣る春著乙女の細頸よ/飼虎
春著子に翔ちて随ふ潟雀/岸田稚
門前の楽市楽座春着の子/猪俣壽水
折紙の如く春著を畳みをり/上野泰
春著きし乙女を父が仰ぎみる/羽公
春著の妓右の袂に左の手/高浜虚子
春衣直しあひして修業僧/清水教子
一軒家より色が出て春着の児/青畝
老いてだに嬉し正月小袖かな/信徳
春著の子走り交して色交し/上野泰
春着の妓右の袂に左の手/高浜虚子
春著着る心も少し看取妻/稲畑汀子
少年の紺の絣の春着かな/岩倉憲吾
春着着る心も少し看取妻/稲畑汀子
屯せる春著に聳ゆ二万噸/高澤良一
踏切にて春著の妻を紹介す/三樹彦
灯明し春著の裾を妓の曳くに/虚子
襖絵の鶴に手拡げ春着の子/大串章
春著の子袂の中を覗きをる/上野泰
俳句例:21句目~
美しき老の春著と敬ひぬ/星野立子
我が為の春着ありけり襟揃ふ/鶏二
哲学の道を春着の裾捌き/山口超心鬼
唐桟の好みもありし春着かな/東洋城
春着の子黒瞳いきいき畦を跳ぶ/清子
紫の春著の似合ふ娘に育ち/岩男微笑
畦道を来る姉妹の春著かな/館岡沙緻
男子等に母の春著の美しや/高木晴子
春著きて机辺の父に仰がるゝ/桜坡子
ぢやんけんに今日の春着の長袂/汀女
岩の頭に身を支へゆき春着の子/原裕
春著着て乗合自動車内宮前/高澤良一
引流す桜ちらしの春著かな/佐野ヽ石
青松を白砂へ出たる春着かな/森田峠
折鶴の生きては春著綻ベり/和田悟朗
猿曳の猿に着せたる春衣哉/幸田露伴
鏡中に春著の絹の紐鳴らす/黒田杏子
鯉を窺ふと春著の裾をひき/下村槐太
針美し糸美しと春著縫ふ/穴井/まき
春着きてふさぎの虫にとりつかれ/晋
俳句例:41句目~
太皷橋春著の子等が盛り上り/上野泰
春著きて十人並の娘かな/中村七三郎
鳰鳴くや春著の鈴も夕急ぎ/香西照雄
薬室にて春著の袖をひるがへす/静塔
待針は花の如しや春著縫ふ/多田菜花
出来上る春着姿に声かけて/京極杞陽
春着きて大蔵省に入りゆけり/池田秀水
いささかの他人行儀も春着かな/森岩雄
春着きて孔雀の如きお辞儀かな/上野泰
かかる丈の衣桁の春著着るものか/爽雨
春着の子抱いて道端伊賀の人/川崎展宏
春着またあらはれ大き鏡かな/松本美簾
春着着る子の遙けさよ熱の中/石田波郷
春著きせ女つくられゆきにけり/塙告冬
春著きて孔雀の如きお辭儀かな/上野泰
皆羽織ぬげば春着や並びけり/星野立子
その春着難波の芦を描きたる/下村梅子
春著きて通勤定期見られたり/鈴木栄子
春著きるや裾踏み押へ腰細く/杉田久女
春著の娘ふくら雀と云ふ帯を/矢津/羨
俳句例:61句目~
春著着て父見て父に物言はず/斉藤夏風
とりいでてかけし春著の襷かな/万太郎
春著童女抱くよ天人抱くごとし/楠節子
林中を酸素ゆたかに春着の子/原子公平
ぬぎすてて春着へ移す夜の重心/渋谷道
母が見る春著の道の野の曲り/中村汀女
淋しき鳥春着一枚干しにけり/清水径子
片足をあげ鶴の真似春着の子/穂苅きみ
甘えたく春着の袖を一ひねり/香西照雄
畳紙より出でし春著の花模様/高本時子
病室へ妻会釈して春着きて/鳥居おさむ
石畳かがよひゆくは春着の子/木下慈子
礼深し春着の帯をつよく緊め/津田清子
縁側に日のまはりきし春着かな/原田喬
脱ぎ捨てて春著の色を崩しけり/上野泰
七彩の紐でしばりて春著着る/品川鈴子
三歳の春著を翅のごとひらく/辻田克巳
九十年生きし春著の裾捌き/鈴木真砂女
膝に来て模様に満ちて春着の子/草田男
仮縫で二三歩あるく春着かな/丸谷才一
俳句例:81句目~
似てゐると云はれ春著の襟正す/星野椿
舸子の衆春着の娘らに通せんぼ/堀磯路
薬室に春著の袖をひるがへす/平畑静塔
初舞台踏むかに春着背に青天/香西照雄
刻々と時すぐ春著かがやきて/平畑静塔
裾さばき埃も立たず春著の妓/高濱年尾
君がため春着よそほふ心あり/稲畑汀子
襖あき春著のいろの雪崩れ入り/上野泰
誰が妻とならむとすらむ春著の子/草城
大晴の高見の裾に春著縫ふ/大峯あきら
女の宮へ湖上を渡る春著の子/佐野美智
貝塚の里を春着の姉いもと/冨田みのる
走れずよ谷の飯場の春著の子/西東三鬼
野の道を父より高き春著の娘/高井邦子
新玉の春衣着つれて酔つれて/尾崎紅葉
少年や春著の姉をまぶしとも/藤松遊子
岡寺や毬のごとくに春著の子/石田勝彦
帯締めて春著の自在裾に得し/野澤節子
春衣は屍を隠す小学校脇の道/安井浩司
教へ子に逢へば春著の匂ふなり/森田峠