「侘助」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「侘助」について
【表記】侘助
【読み方】わびすけ
【ローマ字読み】wabisuke
子季語・関連季語・傍題・類語など
–
季節による分類
・「わ」で始まる冬の季語
・「冬の植物」を表す季語
・「三冬」に分類される季語
月ごとの分類
侘助を含む俳句例
佗助を骨色にまで寒の暮/斎藤玄
佗助や笹目佐介と結ぶ道/上野泰
侘助も其下草の蓼も末/小澤碧童
佗助や無口で若き窯主/小池和子
佗助や心写らぬ内視鏡/清水晴子
白侘助遺言二十七行半/塚本邦雄
年つまる黒佗助の花一つ/松村蒼石
利久忌の山内松と佗助と/皆吉爽雨
佗助や詩書堆く家貧し/池田風比古
佗助に色を奪らるる女かな/齋藤玄
佗助や心の奥処口にせず/浦井文江
苗木市雨の白佗助を買ふ/金田咲子
佗助や障子の内の話し声/高濱虚子
侘助の花の俯き加減かな/星野高士
佗助の花了りたるころの凪/長谷川双
佗助の莟の先に止まる雪/松本たかし
佗助の落花薄日と共に掃く/湯本明子
佗助の記憶の庭も時雨さび/岸風三楼
佗助や一行のみの子の旅信/近藤一鴻
佗助や備前徳利に一つ咲く/今泉貞鳳
俳句例:21句目~
佗助や子に散髪の母ひとり/小坂順子
佗助の奥なる人へ板打つ/加賀美子麓
佗助や昨日は今日の昔なる/佐藤漾人
佗助や洛も北なる庭づくり/村山古郷
佗助のむくろとなりて氷かな/齋藤玄
佗助の一輪咲きて暮れ残る/住田歌子
侘助の二つの花の一つ落つ/都甲君子
侘助の群がる日なり草城忌/石田波郷
侘助や独りの刻の真白に/加藤知世子
侘助や褪せし葉書の男文字/谷口桂子
梱包の婚の荷侘助花ざかり/和知喜八
病む妻の佗助の番するでなし/齋藤玄
佗助の大樹の花に倚り悼む/石原八束
竹林を逃げし日ざしの侘助に/上村占
佗助の形をとりてあらはなり/斎藤玄
佗助の群がる日なり草城忌/石田波郷
佗助の花の底ひの月日かな/角川照子
佗助に風のふらつとでてきたる/松澤昭
もつるるは白侘助の心の緒/長谷川秋子
考ふる手に佗助の手がふれる/加藤郁乎
俳句例:41句目~
佗助が咲けばこの年かへりみる/森澄雄
佗助と呼ばれ利久に叶ひけり/新井/博
佗助は一輪ざしに似合ふもの/高浜年尾
佗助の咲きかはりたる別の花/富安風生
佗助一枝賜ひし風の夜の往診/野澤節子
佗助のしづ枝暮れゐる龍安寺/石原八束
賜わりし佗助太郎冠者という/大野岬歩
佗助や昨日につづく海の荒れ/中村孝一
佗助の冥き首すじ走兎図に/荻原久美子
侘助は一輪ざしに似合うもの/高浜年尾
侘助や運命は人のつくるもの/原田青児
侘助を剪らむにまなこ猛くして/斎藤玄
佗助の自足の花とおもひみる/高澤良一
抱一の植ゑし佗助今に尚/阿部みどり女
佗助や神も悪魔もかく白し/長谷川秋子
佗助の葉がくれに侘ぶ五六輪/中谷孝雄
佗助をもたらし活けて通ひ妻/石田波郷
佗助を剪らむにまなこ猛くして/齋藤玄
箒手に佗助咲くと呼びにけり/吉屋信子
佗助のひとひら胸奥さまよえり/秋本重子
俳句例:61句目~
すぐくらくなる佗助の日暮かな/草間時彦
佗助の咲くいささかの悔に似し/伊藤敬子
佗助の咲けば雪欲し月が欲し/糸山由紀子
佗助のひとつの花の日数かな/阿波野青畝
佗助やちちの紬をははが着て/塩谷はつ枝
佗助を剪るとて客と共にいづ/水原秋櫻子
佗助を挿すとて据ゑぬ蕪徳利/水原秋桜子
侘助に斜めの日差しとどきけり/大西土水
佗助の花びらが葉に巻きついて/岸本尚毅
佗助や夢の切れ目を雪降れり/小檜山繁子
佗助の落つる音こそ幽かなれ/相生垣瓜人
佗助の木叢ふくらむ盛りかな/猪俣千代子
佗助や葬式まんじゅう大ぶりに/吉田朱鷺
佗助やわが身過ぎたる夢のかず/濱田俊輔
佗助や朝はトーストハイカラに/遠藤梧逸
佗助の実にならぬ花咲きつづく/伊藤たけ
佗助はここらあたりの真闇かな/石田勝彦
インタビュー受く侘助を活けにけり/堀恭子
佗助にいつもの稽古はじめけり/車谷弘佗助
佗助のいまひとたびのさかりかな/中村若沙
俳句例:81句目~
佗助の下向き咲くも癒えず死なず/松本万作
佗助の咲きてアパート人住まず/佐野たけ子
侘助に風立つゆふべもの食べに/鍵和田釉子
佗助やなげくばかりをたのしみに/油布五線
わびすけにみぞれそそぎて幹白し/室生犀星
わびすけの畳にこぼれひぐれけり/加藤楸邨
わびすけやおくりむかへる女客/室生とみ子
わびすけのくちびるとけて師走なる/室生犀星
わびすけをかへりゆく風ひとりきり/小川双々子