季語/一葉忌(いちようき)を使った俳句

「一葉忌」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「一葉忌」について

【表記】一葉忌

【読み方】いちようき

【ローマ字読み】ichiyoki

子季語・関連季語・傍題・類語など

季節による分類

・「い」で始まる冬の季語

・「冬の行事」を表す季語

・「初冬」に分類される季語

月ごとの分類

11月の季語

一葉忌を含む俳句例

満月へ枯葉の昇る一葉忌/林翔

貝殻に残る紅色一葉忌/下山宏子

菊坂に残る井水や一葉忌/石川子

一葉忌冬咲く花の鉢並べ/瀧春一

待針の頭かなしき一葉忌/仁平勝

錦絵の吉原の景一葉忌/下村梅子

筒袖に曳く花車一葉忌/桂樟蹊子

一葉忌舞妓の通ふ英語塾/荒井書子

一葉忌鏡吊る釘深く打つ/河野南畦

一葉忌乙女の髪の赤鬘/百合山羽公

水鳥の色の密なる一葉忌/川村哲夫

人形の細き眉ひく一葉忌/笹井武志

全集の表紙の一葉一葉忌/富安風生

下町は父母の故郷一葉忌/伊東宏晃

一葉忌冬ざれの坂下りけり/安住敦

一葉忌母の羽織の裏紋に/田中英子

坂下は掃除町かな一葉忌/野村喜舟

葬より一ト月経ちぬ一葉忌/斎藤美規

きぐすりで直る病や一葉忌/石川桂郎

美しき海の夜明けよ一葉忌/式地須磨

俳句例:21句目~

手放さぬ母の火鉢や一葉忌/渡辺立男

また一人草履隠され一葉忌/二村典子

女の時間奪はれ通し一葉忌/香西照雄

立ちつくす母の裁ち板一葉忌/的野雄

猫の水雲を通せり一葉忌/大木あまり

一位の実甘し旅なる一葉忌/加藤春彦

傘させば傘の暗さの一葉忌/加藤燕雨

廻されて電球ともる一葉忌/鷹羽狩行

前髪に磨ぐ縫針や一葉忌/馬場移公子

抽出に端切のあふれ一葉忌/渡部一美

日本語の乙張しんと一葉忌/川崎展宏

一葉忌の雪やんで寒き勝手口/中拓夫

枯れ切つて菊美しや一葉忌/中村汀女

内視鏡肺腑まさぐる一葉忌/原田青児

一葉忌手首細くも働く手/鈴木真砂女

天気図にずらり雨傘一葉忌/川村紫陽

小流れに障子を浸す一葉忌/棚山波朗

若き日の母の琴爪一葉忌/古賀まり子

小机に筆の穂を噛み一葉忌/川畑火川

人も買ふ錦絵撰るや一葉忌/近本雪枝

俳句例:41句目~

酒すこし甘しと思ふ一葉忌/有馬朗人

針と糸旅荷のすみに一葉忌/山田弘子

屑屋来て昼起さるる一葉忌/石川桂郎

一本の椿を植ゑて一葉忌/野見山ひふみ

一葉忌しめて薄身の昼夜帯/稲垣きくの

一葉忌とはこんなにも暖かな/川崎展宏

一葉忌今年は母の琴聞かず/古賀まり子

一葉忌折目を六ッに薬包紙/秋元不死男

一葉忌文学古りしことあらず/深津碧洋

一葉忌濡れ手で緊むる夕の髪/川島千枝

一葉忌爪がもつとも冷えてをり/中拓夫

一葉忌雨に早目の店を閉ぢ/鈴木真砂女

一雁の曳けるひかりや一葉忌/大内英衛

二人しふたりで生きて一葉忌/志摩江汀

借りし本返さで古りぬ一葉忌/西村和子

夫は書き我は濯ぎぬ一葉忌/石田あき子

女下駄はきて其処まで一葉忌/伊豆三郷

客待ちに読む短編よ一葉忌/八牧美喜子

寝返りの髪の根さむし一葉忌/樗木秀子

干藁のぬくみ背負ひし一葉忌/影島智子

俳句例:61句目~

惜しまれて消ゆる銭湯一葉忌/吉田京子

指添へてとぎ汁こぼす一葉忌/八染藍子

捨てて又拾ひ読みして一葉忌/毛塚静枝

掃き拭きの隅々生きて一葉忌/清水径子

旅にありても文の徒や一葉忌/山田弘子

昏れ際の露地に豆腐屋一葉忌/菖蒲あや

濃紅葉も昨日となりし一葉忌/川崎展宏

白髪一気に愛叫ぶ夜ぞ一葉忌/楠本憲吉

紙面一葉忌と海上都市のこと/須川洋子

終ひ湯に踵をみがく一葉忌/佐藤喜代子

肩に日が乗りて重たし一葉忌/草深昌子

菊坂を上り下りして一葉忌/池亀恵美子

菊焚いてゐて一葉の忌なりしか/安住敦

薄明の星さだかなり一葉忌/松澤白楊子

なほ残る小菊さし替へ一葉忌/立花豊子

まさしくも明治の顔や一葉忌/下村梅子

もの種のごとき火種や一葉忌/本多静江

雑貨屋のまだ点しをり一葉忌/角川照子

霧の香のなかの菊の香一葉忌/飯田龍太

頼まれし妻の足袋買ふ一葉忌/福永耕二

俳句例:81句目~

暮れて聴く落葉に雨の一葉忌/千代田葛彦

一葉忌つめたき酒にきりかへて/黒田杏子

重き荷を持つことに慣れ一葉忌/足立とみ

野歩きに折りし花挿す一葉忌/飯野てい子

干肉のほどよき焦げ目一葉忌/渡辺二三雄

一葉忌あたたかければ素足にて/植村通草

暮るるまで母が琴ひく一葉忌/古賀まり子

余生などなきくらしして一葉忌/永井房代

一葉忌旅にあがなふ手漉き和紙/河野順子

捨てがたき旧仮名遣ひ一葉忌/河北余枝子

追ひゆきて蜆を買ふや一葉忌/礒江沙知子

わだの星高きにしぐれ一葉忌/神尾久美子

さからへば風も渦もつ一葉忌/河野多希女

糧支ふペンにはあらず一葉忌/つじ加代子

屑買ひに反古払ひたり一葉忌/星野麦丘人

歌反古もおろそかならず一葉忌/水原秋櫻子

母持ちし書を受け継ぎぬ一葉忌/長谷川久代

一葉忌ある年酉にあたりけり/久保田万太郎

猪の肉一葉の忌と知りながら/長谷川かな女

ポインセチアの朱けや一葉忌の夜は/森白樹