「クリスマス」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「クリスマス」について
【表記】クリスマス
【読み方】くりすます
【ローマ字読み】kurisumasu
子季語・関連季語・傍題・類語など
・キリスト降誕祭(きりすとこうたんさい:kirisutokotansai)
・降誕祭(こうたんさい:kotansai)
・聖誕祭(せいたんさい:seitansai)
・聖樹(せいじゅ:seiju)
・クリスマスイブ(くりすますいぶ:kurisumasuibu)
・聖夜(せいや:seiya)
・聖夜劇(せいやげき:seiyageki)
・クリスマスカード(くりすますかーど:kurisumasukado)
・クリスマスキャロル(くりすますきゃろる:kurisumasukyaroru)
・聖菓(せいか:seika_)
・御降誕節(ごこうたんせつ:gokotansetsu)
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季節による分類
・「く」で始まる冬の季語
・「冬の行事」を表す季語
・「仲冬」に分類される季語
月ごとの分類
クリスマスを含む俳句例
聖鐘と聖鈴内外降誕祭/村越化石
鷲鬱と青き降誕祭を抽く/斎藤玄
雪道や降誕祭の窓明り/杉田久女
一匹の羊と枯葉クリスマス/原裕
降誕祭一裸燈下に船溜/北野民夫
沖船も机上も聖夜灯を交す/原裕
久々に妻へ聖夜の予約席/小島健
屑籠の屑も美しクリスマス/森田峠
靴磨き聖夜の隅で石となる/穴井太
聖夜来る甘蔗畑の教会に/下村梅子
病棟に遠き国より聖夜くる/阪本晋
羊飼ぞろぞろしつゝ聖夜劇/森田峠
聖樹点滅考へる時間欲し/津田清子
出遅れし星も聖夜の海の上/長田等
時計塔聖夜の雪を粧ひて/大東晶子
暖炉焚く夫と降誕祭の朝/仙田洋子
岳の星今宵全し降誕祭/古賀まり子
意地悪の姫は裏声聖夜劇/大島民郎
早々と小児病棟聖夜の灯/松岡巨籟
ある窓の聖樹の影も港町/福田蓼汀
俳句例:21句目~
聖樹下に踊りてはらふ塵少し/原裕
黒人の店の聖夜よ星並べ/対馬康子
抱擁も台詞のひとつ聖夜劇/原好郎
聖樹くぐりて産院の車椅子/長田等
聖堂の聖樹にもあり裏表/品川鈴子
薔薇園に点す一燈聖夜餐/原田青児
舞台裏からも讃美歌聖夜劇/長田等
女学生の黒き靴下聖夜ゆく/桂信子
一切れは仏に聖菓等分す/柴田奈美
聖夜劇準備も萩に点灯す/友岡子郷
飾皿の絵は雪深き聖夜にて/有働亨
東の星の光やクリスマス/日野草城
降誕祭讃へて神を二人稱/津田清子
降誕祭空港とみに星多し/麻生和子
聖夜劇九人天使に吾子混る/長田等
降誕祭眼鏡光らせ老神父/伊藤敬子
聖誕祭かたゐは門にうづくまる/篠原
凍天や無灯の聖樹残しけり/対馬康子
偽善者の如銀行の聖樹かな/西村和子
点滴の瓶にリボンや降誕祭/原田青児
俳句例:41句目~
今年また島の聖樹は椿の木/朝倉和江
満天に不幸きらめく降誕祭/西東三鬼
燭台を点せるピアノ聖夜奏/品川鈴子
天井に風船眠りクリスマス/福田蓼汀
一家族母うら若く聖樹立つ/後藤夜半
子の仮面みれば降誕祭近し/木村蕪城
聖夜待つホーム白線内側に/対馬康子
二児が天使降誕祭を演出す/伊藤敬子
鳴る泉雪敷く泉聖夜来ぬ/古賀まり子
マドロスに聖誕祭のちまたかな/篠原
贖罪の如き聖菓を提げ帰る/下山宏子
聖夜劇牧師が波の音つくり/真下耕月
島人に旧教多しクリスマス/香月梅邨
風呂敷が園児の衣装聖夜劇/西村和江
異教徒の聖夜躓く石が光る/伊丹公子
聖歌隊解かれて処女柿噛る/津田清子
聖歌隊悪人面もをりにけり/西村和子
病院の屋上濡れてクリスマス/岸田稚
湯気あげて聖夜銀座の太鼓焼/杉本寛
聖夜スクランブル交差点の楽/長田等
俳句例:61句目~
聖夜めく二頭の馬が曳く橇は/有働亨
百人の握手もて果つ聖夜劇/岡本一代
磔像に一条の灯の差す聖夜/西野白水
聖夜まつ戸口氷塵流れをり/堀口星眠
椅子固し聖夜を遅れきし我に/森田峠
神の闇深々とあり聖夜ミサ/岩岡中正
空の星聖樹の星と光り合ふ/福川悠子
病棟に聖樹小さき灯を点す/稲垣一雄
遠航の烏賊船戻り島聖夜/小原菁々子
橇知らぬ犬も聖夜の雪の上/村越化石
近き友遠き友雪の降る聖夜/村越化石
どの国も聖夜枯枝膝で折る/対馬康子
紅をさす看護婦産院聖夜来る/杉本寛
降誕祭顔見ぬ人へも公平に/香西照雄
手話の手に席譲られし聖夜/横山睦子
定刻に塔の鐘鳴りクリスマス/長田等
聖樹点滅窓に陸の灯港の灯/福田蓼汀
聖樹の灯心斎橋の灯の中に/石原八束
上京の即日人に聖夜に会ふ/古舘曹人
犬急ぎゆけり聖夜の塀に沿ひ/森田峠
俳句例:81句目~
柔かき海の半球クリスマス/三橋敏雄
秋燈に膨る聖夜の飾り具店/関森勝夫
降誕祭町にふる雪わが家にも/安住敦
降誕祭海に飛び込む漢たち/佐川広治
降誕祭母の祈を父は知れど/石川桂郎
一堂にこもらふ息やクリスマス/篠原
窓だけの聖夜洗濯機が廻る/嶋野國夫
生れ来て百日足らず聖夜来る/長田等
聖樹に燈最も篤信祖母ぎみは/及川貞
光てふ神の見え来る聖夜劇/吉原文音
花舗の燈や聖誕祭の人通る/大野林火
基督に肖る気なき聖樹かな/藤田湘子
点滅し聖樹はいつも暮れてをり/下村福
白動車を降りて聖樹へ扉一重/横山白虹
船底に男風呂ありクリスマス/中尾杏子
人混みに聖樹微かに匂ひ立つ/西村和子
聖樹ともり大丸の窗冬ぐもる/飯田蛇笏
聖樹の灯音あるごとく点滅す/木村利子
聖樹立ち自動扉の落ち着かず/鍵岡/勉
おでん喰ふ聖樹に遠き檻の中/角川春樹