「飾売」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「飾売」について
【表記】飾売
【読み方】かざりうり
【ローマ字読み】kazariuri
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「か」で始まる冬の季語
・「冬の行事」を表す季語
・「仲冬」に分類される季語
月ごとの分類
飾売を含む俳句例
輪飾や辻の仏の御首へ/一茶
輪飾や一物いだく木ノ葉猿/占
神明に近くめ組の飾売/中火臣
歳々の輪飾いよゝ余生なり/貞
裏門や小き輪飾歯朶勝に/子規
鉄砲州小学校の飾売/奥野桐花
四阿の輪飾落ちぬ雪の上/たかし
柱ごと揺れる輪飾精米所/地静水
輪飾の枝折戸風に任せある/句仏
輪飾や雨に打たるる仏にも/民郎
夢殿に昼月濃ゆし飾売/角川春樹
大欅根本灯して飾売り/澤木欣一
山を出て何を聾に飾売/上島鬼貫
輪飾や鏡中雪の降りしきる/龍雨
輪飾や織上げ近き筵機/木村仁美
町裏に都電の軋む飾売/藤木竹志
月影に輪飾さやぐ厩ばしら/麦南
裸木に裸灯を吊り飾売/飯野燦雨
輪飾や竈の上の昼淋し/河東碧梧桐
人混みに車押し入れ飾売/大橋鼠洞
俳句例:21句目～
叡山の尖れる空や飾売/鷲谷七菜子
夕市の外れを囃し飾売る/柏谷景昌
昨日より声の大きく飾売/山田節子
月蝕や黒き銭溜め飾売/百合山羽公
飾売常に補充をおこたらず/高道章
輪飾や飛騨の工の道具箱/矢野奇遇
輪飾や一つ構へに子の所帯/安住敦
輪飾や神の鹿来る裏戸口/中島黒洲
輪飾の一円相を海に懸け/石田勝彦
燈台に輪飾のある怒濤かな/飛旅子
行く人の後ろ見送り飾売/高浜虚子
輪飾や我は借家の第一号/内藤鳴雪
飾売まづ暮れなづむ大欅/皆川盤水
毎年よこの道に立つ飾売/岩田由美
輪飾に山の音ため酒造る/瓜生和子
初市の輪飾飛んで踏まれたり/可空
輪飾に暗く静かや農具部屋/癖三酔
輪飾や洗ひ細りし店格子/植松冬嶺星
輪飾や海辺に棲めば海の風/草間時彦
眼差にともる月日や飾売/望月たかし
俳句例:41句目～
船出でしあと閃々と飾売り/廣瀬直人
荻窪にゆふべ富士見ゆ飾売/角川春樹
輪飾や織りかけてある絣機/上田天鼓
輪飾や蜑のいつける巌祠/鈴鹿野風呂
輪飾や譲りの鎗の承塵にも/会津八一
輪飾や高く貧しき山ばかり/平畑静塔
飾売焚火に時を濃くしつつ/遠藤正年
輪飾を掛けて休める機械かな/けいほ
輪飾を掛けて使はず外厠/松本たかし
輪飾を掛け余り来て厠神/鈴鹿野風呂
輪飾を負ひて石獣舌を吐く/古市絵未
輪飾を鉄扉に掛けて堰守る/岩永草渓
床柱輪飾かけていや古りし/吉屋信子
湯豆腐や輪飾残る薄みどり/渡辺水巴
潮風や輪飾ゆらぐ温室の口/新井英子
血のにほひする輪飾の屠牛場/藤井亘
本箱に輪飾の藁かぐはしき/沢木欣一
輪飾の一つ吹かるる外後架/石川桂郎
輪飾の農船波をかぶり着く/中本柑風
輪飾も既に六日の乾びやう/高澤良一
俳句例:61句目～
輪飾や凭る壁もなき四畳半/石橋秀野
輪飾や扁額に日ふ和敬道/下村ひろし
輪飾や拭き細りたる門格子/吉屋信子
輪飾の一本の藁のこと想う/鈴木六林男
輪飾の井桁あふるる清水かな/会津八一
輪飾の藁の香こもる仏間かな/大門麻子
寒屋の釘に輪飾綬をかくる/百合山羽公
飾売どこへともなく帰り行く/三村純也
三崎港まぐろのひとつ輪飾す/橋本榮治
輪飾の影月光に垂れてあり/深見けん二
七月の輪飾をして元湯かな/八木林之介
輪飾や棲めば棲まるゝ仮住居/吉屋信子
箸となる杉輪飾をして匂ふ/小澤満佐子
ころげ出てどの輪飾の橙か/松岡伊佐緒
輪飾をいくつか見たり風の村/手塚七木
輪飾をかけてもらひて傾ぐ墓/清崎敏郎
海女の桶輪飾かけて重ねあり/田上鯨波
氷雪裡輪飾かけて固き戸ぞ/楠目橙黄子
輪飾や乳はつて待つ牧の牛/小林黒石礁
輪飾をかけて年待つ三輪車/土屋みね子
俳句例:81句目～
輪飾や失ひしものばかりにて/小林康治
柱にかけし輪飾うつり初鏡/高橋淡路女
輪飾に鴨の抜け羽や浮御堂/米澤吾亦紅
輪飾の歯朶青うして選句かな/渡辺水巴
山負ひて鶴嘴小屋も輪飾す/石田あき子
輪飾の稲穂をこぼす雀らし/長谷川吉雄
その前をきれいに掃いて飾売る/山口青邨
物を焚き熱を逃がして飾売る/田川飛旅子
飾売だいたいの値をいいかげん/高澤良一
飾売りて酔ひたくれ居る男かな/村上鬼城
飾海老髭を大事に売られけり/佐藤惠美子
輪飾やことばのふえし鸚鵡にも/大石悦子
輪飾のランプの鈎にかゝりたる/寺田寅彦
輪飾にしめきつてある小門かな/正岡子規
輪飾や母の手擦れのゐざり機/氏家さち子
輪飾や焼けのこりたる家暗く/大場白水郎
輪飾の少しゆがみて目出度けれ/高浜虚子
輪飾を掛けし其他はすべて略/松本たかし
さみどりの輪飾ひとつ旅住居/高橋淡路女
子の家の輪飾をわが掛けにけり/細川加賀
