「七五三」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「七五三」について
【表記】七五三
【読み方】しちごさん
【ローマ字読み】shichigosan
子季語・関連季語・傍題・類語など
・七五三祝(しめいわい:shimeiwai)
・千歳飴(ちとせあめ:chitoseame)
–
季節による分類
・「し」で始まる冬の季語
・「冬の行事」を表す季語
・「初冬」に分類される季語
月ごとの分類
七五三を含む俳句例
角々に満潮の海七五三/原田喬
宮島の鹿従えて七五三/広瀬邦弘
飴袋黒土擦つて七五三/沢木欣一
草薙の剣の宮の七五三/清崎敏郎
細耕で隆め黒土七五三/香西照雄
眦の朱も深川の七五三/松村幸一
玉垣は石七五三声徹る/下村槐太
姉七つ妹三つ七五三/細井セツコ
女三代内足揃へ七五三/香西照雄
椀種に花麩の浮ぶ七五三/佐藤麻緒
日輪に向ひて歩む七五三/茨木和生
鯉の下水深くあり七五三/中西夕紀
人の子の育つは早し七五三/関千世
付髪の歪んで戻る七五三/笹村政子
頭から足の先まで七五三/岸田竹女
日本の類型ここに七五三/鈴木鷹夫
袖口に拳のぞかせ七五三/辻本斐山
写真屋の写真早々七五三/高澤良一
落しある簪拾へり七五三/吉井余生
菊の紋仰ぎ詣りぬ七五三/遠藤梧逸
俳句例:21句目~
冲かけて鎌倉日和七五三/大井戸辿
山川の恵み豊かに七五三/久松久子
七五三石段天に到りけり/野口里井
七五三勤めの母は勤め居て/楠節子
一家族車より降り七五三/三須虹秋
笊洗ふ雫うつくし七五三/山本洋子
投石は滝に届かず七五三/茨木和生
祖父同士邂逅七五三詣で/皆吉爽雨
湖の波に日が跳ぶ七五三/茨木和生
帰りには欅をまはり七五三/原田喬
七五三詣欅の葉を降らす/臼田亜浪
皆拝め二見の七五三を年の暮/芭蕉
七五三辺り走れる欅の根/高澤良一
地の神の小さき日溜七五三/原田喬
熊笹に雪のこぼるる七五三/岸田稚
沖かけて鎌倉日和七五三/大井戸辿
歩き幅合はぬ石段七五三/右城暮石
古写真右肩下がり七五三/安木文雄
七五三兄弟軍服着し記憶/田中棟麻
あまりにも銀杏の高し七五三/森田峠
俳句例:41句目~
七五三詣り合はして紋同じ/高浜虚子
七五三雲を三々五々浮かべ/松尾隆信
七五三飴も袂もひきずりぬ/原田種茅
七五三餓鬼大将も大人しく/山本孝司
七五三鳩は胸より歩きだす/大谷長平
三人の孫みなをみな七五三/成宮紫水
人生の磴のぼり初め七五三/鈴木南子
北国の瞳と髪黒き七五三/池内友次郎
午からの苗いろの潮七五三/友岡子郷
奥宮へ辿りつきたる七五三/清崎敏郎
どの組も爺婆付きの七五三/高澤良一
孫に縫ひ曾孫も着たり七五三/森輝子
宇宙服大地に転ぶ七五三/石川多歌司
山脈へ肩張る軍鶏や七五三/池元道雄
まだ栄ゆ老舗猿飴七五三/水原秋桜子
島人を渡しが運ぶ七五三/冨田みのる
手をつきて登る石段七五三/府玻昌明
手賀沼に袂うつして七五三/沢木欣一
文廟に華僑一家の七五三/下村ひろし
榛名山錦繍寂びぬ七五三/水原秋櫻子
俳句例:61句目~
ネクタイは鳩の空色七五三/後藤夜半
樹の上を風船の飛ぶ七五三/吉田汀史
母の手で蝶になる帯七五三/増田妙子
浦町の磴のけはしき七五三/石田勝彦
湯宿の子客に祝はれ七五三/斎藤朗笛
猿飴の湯島の宮の七五三/水原秋櫻子
着飾りて眠き刻くる七五三/品川鈴子
七五三その時父も母もゐし/鈴木榮子
石段を抱かれてのぼる七五三/檜紀代
磯馴松日を浴び島の七五三/館岡沙緻
祝詞聞く足を遊ばせ七五三/川原友江
神の鶏つきて歩めり七五三/和田祥子
神橋をかしこみ渡る七五三/竹内文子
神田明神飴随一の七五三/水原秋櫻子
神鶏の右往左往や七五三/甲斐すず江
神鶏の蹴爪がみごと七五三/茨木和生
七五三公耳へ騒音私耳へ鈴/香西照雄
空も海も風も真青よ七五三/太田土男
紅筆に口つき出して七五三/水口泰子
花嫁を見上げて七五三の子よ/大串章
俳句例:81句目~
道に出て煙くさきや七五三/山口昭男
七五三妊婦もつとも美しき/佐藤鬼房
雪国の子に雪の降る七五三/小川里風
七五三形揃へて銀杏散る/百合山羽公
七五三戻りの港めぐりかな/茨木和生
七五三日光をみな宮おとこ/西本一都
七五三日和の島に遊びけり/佐藤鬼房
七五三水の桑名の橋わたる/藤田湘子
七五三着くずれ直し処あり/高澤良一
七五三筥迫胸にをさまらず/八木禮子
四十にて町医老いけり七五三/相馬遷子
縫ひ上げの二重に重き七五三/下城輝畝
おねだりの僕は僕はの七五三/高澤良一
武運長久忘れし神社七五三/辰巳比呂史
不断着のままの父と子七五三/佐藤靖美
かくも小さき白足袋ありし七五三/林翔
下りつぎて鳩も胸張る七五三/遠藤はつ
その母を眺めてをりぬ七五三/鈴木鷹夫
七五三祝ふ一位を植ゑにけり/野原春醪
坂がりを泣いて通りぬ七五三/大石悦子