「寒灸」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「寒灸」について
【表記】寒灸
【読み方】かんきゅう
【ローマ字読み】kankyu
子季語・関連季語・傍題・類語など
・寒やいと(かんやいと:kanyaito)
–
季節による分類
・「か」で始まる冬の季語
・「冬の生活」を表す季語
・「晩冬」に分類される季語
月ごとの分類
寒灸を含む俳句例
風の子や裸で逃げる寒の灸/一茶
わが肩に上る煙や寒灸/下田実花
お念仏申し耐へゐる寒灸/杉森干柿
下駄箱に白緒がひとつ寒灸/石田勝彦
寒灸のここが地獄の入口か/木田千女
寒灸や痩身に火を点じたり/村山古郷
寒灸よりどころなき瞳をつむる/雨丈
寒灸師山家に来り泊りけり/前田普羅
寺詣りせし夜の更けて寒灸/大野信子
寒灸の肩を互に老いゆくか/舞原余史
しっかりと抱へる膝や寒灸/奥田/草秋
そくばくの餘命を惜しみ寒灸/西島麦南
一念の寒灸十日こゝろざし/上林白草居
寒灸にしみ~とある命かな/川戸野登朗
寒灸に耐へゐる母の背の震へ/船橋一歩
寒灸の一火一火と燃えしづむ/皆吉爽雨
寒灸の後の背さらす医師の前/三島隆英
寒灸の背を曲ぐる母小さしや/川田一夫
寒灸や悪女の頸のにほはしき/飯田蛇笏
寒灸小さな背中曲げて待つ/熊谷/芳洲
俳句例:21句目~
脳天にきりきりしみて寒灸/上林白草居
方丈に子らを遊ばせ寒の灸/香川はじめ
いやいやに蹤いてきたるは寒灸/細川加賀
ほつれ毛を咬へ耐へをる寒灸/樋口玉蹊子
寒灸ここにも腹に据ゑかねて/佐々木六戈
寒灸の三里といはず歩まねば/北見さとる
寒灸の摶つがごときを肩の上に/皆吉爽雨
寒灸をおろし自伝をつづるなり/森川暁水
寒灸を妻にもしひつ日を過ぎぬ/森川暁水
もろともに出世こじれて寒の灸/細谷源二
寒の灸髪ふるはせて堪へにけり/森川暁水
寒やいと子に先だたれたる同士/川村紫陽
陽の縁に肩をすぼめて寒やいと/加藤武夫
寒やいと最後の綱とたのみけり/成瀬櫻桃子