「畳替」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「畳替」について
【表記】畳替
【読み方】たたみがえ
【ローマ字読み】tatamigae
子季語・関連季語・傍題・類語など
・替畳(かえだたみ:kaedatami)
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季節による分類
・「た」で始まる冬の季語
・「冬の生活」を表す季語
・「仲冬」に分類される季語
月ごとの分類
畳替を含む俳句例
青空の常念岳や畳替/小澤實
畳替して姿見の落着きし/星野椿
禰宜吶々巫女蝶々畳替/神尾季羊
畳替へて病に対ふ秋簾/相馬遷子
天井の竜の見てゐる畳替/後藤章
松蝉や畳替へある八雲の居/林徹
畳替錐残りをる秋の宵/横光利一
床低き明治の家や畳替/正木江深
畳替して鏡台も新しく/星野立子
畳替して芳しき起居かな/佐藤朴水
くつろげる影新しき畳替/成田郁子
畳替りて新樹の中の御庵/河野静雲
一日を洋間にこもり畳替/杉山木川
後任の為の官舎の畳替/鈴木洋々子
交番のたちまち済みし畳替/中火臣
今替えし畳に母が体操す/山尾玉藻
禅寺に茶殻の乾く畳替へ/飯塚ゑ子
青桐は柱のごとし畳替/阿波野青畝
町中や庭持つ寄席の畳替/増田龍雨
替りたる畳の上の影法師/石田勝彦
俳句例:21句目~
大塔に畳を替へて女あり/赤木範子
絨毯を敷き畳替せぬことに/中村芝鶴
ときならぬ畳替して弥生尽/松村蒼石
畳替せずとも障子白ければ/高木晴子
湯薬師の堂の二枚の畳替/室崎みさを
畳替丸を書くのも字の一つ/小林敏朗
又人の住みかはるらし畳替/高浜虚子
古家の畳替して目出度けれ/高浜虚子
良寛にゆかりの寺の畳替/小林のりん
床の間に提灯置いて畳替/石田雨圃子
敲いてはのし歩いては畳替/千葉皓史
早々と畳替して老夫婦/阿部みどり女
畳替へて家の古さや寒椿/大場白水郎
藺の香たゞようてゐる畳替/宮坂和子
裏山に日のたつぷりと畳替/太田寛郎
野の家の畳替へしは盆用意/遠藤正年
函館とわれから名のり畳替ゆ/中村汀女
畳替わびすけに針はこびゐる/室生犀星
畳替江戸エスプリの一語あり/筑紫磐井
畳替出来てふたゝび客間とす/稲畑汀子
俳句例:41句目~
畳替高嶺いちにち日浴びたる/友岡子郷
替へて早火こぼす師走畳かな/野村泊月
畳替公孫樹落葉の降る下に/大橋越央子
上がる手の針大きくて畳替へ/藤村克明
谷戸の日の奥までとどく畳替/金子邦子
部屋々々に匂ひしてゐて畳替/下田実花
出替りの畳へおとすなみだかな/炭太祇
猫の眼のみどりに燃ゆる畳替/中野ただし
済みしものこれからのもの畳替/児玉輝代
路地口に吹きつさらしや畳替/佐々木星輝
畳替へて煤も真似ごと払ひけり/清原枴童
女将わが憩ひの部屋の畳替ふ/鈴木真砂女
畳替へし香に夜の茶を入替へぬ/山本春子
きさらぎや亀の子寺の畳替/久保田万太郎
畳替すみたる箪笥据わりけり/久保田万太郎