「風除」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「風除」について
【表記】風除
【読み方】かざよけ
【ローマ字読み】kazayoke
子季語・関連季語・傍題・類語など
・風垣(かざがき:kazagaki)
・風囲(かざがこい:kazagakoi)
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季節による分類
・「か」で始まる冬の季語
・「冬の生活」を表す季語
・「初冬」に分類される季語
月ごとの分類
風除を含む俳句例
鳰の声して風除の裏は湖/柏翠
鮎汲の背に風除の蓆幡/村上冬燕
舟板を張る風除も島らしや/椋砂東
風除の外は太平洋の波/久保田幸代
風除や虚空と海と漁火と/松崎靖弘
風除の蓆を四方に里神楽/藤原大二
風除に大きな人の現れし/高浜虚子
波音を風除少し遠ざけし/稲畑汀子
海一碧石材立てて風除に/友岡子郷
風除の蔭より牛や厩出し/上田花勢
風除を出てすぐ舟や十二橋/森田峠
風除を立てたる村は法華宗/森田峠
風除の木の厚さから悪女伝/杉野一博
風除に隠るる戸なる祝ひごと/本橋仁
風除の向ふに妻の声のする/戸井文雄
年木積み即ちこれを風除に/高浜虚子
櫂かつぎ風除垣を出で来る/岡安迷子
風除の中にもありし星明り/山田弘子
風除の中へ星空下りてくる/辻口静夫
風除の外うぶすなの松喬し/木村蕪城
俳句例:21句目~
風除の裡に雨降る砂地かな/木村蕪城
風除の羽翼つらねし湖の村/木村蕪城
風除を解くや大風鶏走らす/村越化石
風除の大藁襖日をかこふ/長谷川素逝
風除を道にななめに構へたる/木村蕪城
風除を隔てて別の世界あり/稲畑広太郎
実はまなす風除を風うち倒し/友岡子郷
風除の骨は解かれず遅ざくら/西本一都
風除を出て来て潮を汲みにけり/森田峠
荒海霧や風除解かぬ漁師村/石垣軒風子
風除に越路の春は待たれけり/下村梅子
風除に風の抜け道あることも/須藤常央
風除の筵吊り下げこけし挽く/鈴木貞二
風除を出し鶏吹かれもどりけり/森田峠
風除の戸が開き犬が走り出る/宇野萩塘
風除や蜑の小屋よりやゝ離れ/高浜虚子
風除をまはりて馬の貌に遭ふ/小原俊一
風除の砂に埋もれて少し見ゆ/高浜虚子
風除の竹に最初の星生れぬ/加倉井秋を
人の世をへだつ風除したりけり/富安風生
俳句例:41句目~
男待つごとし風除に顔出せば/加倉井秋を
風除をしてどびろくの隠しあり/岸風三樓
郵便夫を待つ風除に顔出して/加藤知世子
風除を出てかざす手に鴨引くよ/皆吉爽雨
風除の出入口とはなつかしや/長谷川耕畝
身ひとつを入れ風除の四手小屋/福田蓼汀
風除の篠を葺き足し那須野住み/西本一都
濯ぎ女がをり風除に温泉が煙り/木村蕪城
風除やくぐりにさがるおもり石/村上鬼城
風除に憑きて哭く風夜もすがら/河野石嶺
風除解かれ大きく焚かれ婚の夜/村越化石
風除の日に牡丹咲き海女が宿/小原菁々子
風除の口に居て出てこざる子よ/波多野爽波
立ちてかぞふ風除越しの時計の音/加藤楸邨
卒塔婆めく風除を秘所に青みたり/文挟夫佐恵