「目貼」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「目貼」について
【表記】目貼
【読み方】めばり
【ローマ字読み】mebari
子季語・関連季語・傍題・類語など
・隙間張(すきまばり:sukimabari)
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季節による分類
・「め」で始まる冬の季語
・「冬の生活」を表す季語
・「初冬」に分類される季語
月ごとの分類
目貼を含む俳句例
目貼する仮の住居の窓多く/葛祖蘭
目貼して噴煙は横一文字/岸本尚毅
団子売る店節穴に目貼して/川村甚七
客ひとり塩づけ茸の目貼り宿/及川貞
目貼され足音一つ来る個室/村越化石
新しき目貼貼るため目貼剥ぐ/源鬼彦
目貼剥ぐや四月第一日曜日/二唐空々
渚なき海をさびしと目貼しぬ/岡本眸
目貼剥ぐ小農牛の眼に高し/古舘曹人
翅めきて鳴るは目貼よ復活祭/村越化石
目貼剥ぐチエホフ全集踏台に/火村卓造
前蔵と向き合ふ母屋目貼剥ぐ/手塚美佐
古蔵の目貼ていねい酒囲ふ/五十嵐播水
窓といふ窓に目貼し懸煙草/村山/志水
目貼する病室故に急かさるゝ/高濱年尾
徳島一わびしい男隙間張る/佐野まもる
獄中も浮世のごとく目貼して/角川春樹
農を継ぐ心定まり目貼剥ぐ/竹田はるを
よき紙の目貼は潔く剥がれ/宮城きよなみ
張合ひのありし暮しの目貼はぐ/高濱虚子
俳句例:21句目~
文机のところをかへぬ目貼して/景山筍吉
暮れ早し海鳴り隔つ目貼り窓/円谷よし子
潮の香の風すいすいと目貼剥ぐ/田中田吉
生半紙の目貼ゆゆしや夏がこひ/高濱年尾
目貼してありし個室に移りけり/朝倉和江
目貼して密教の密いまに守る/上田五千石
目貼すや心に目貼するごとく/徳永山冬子
目貼せし所目立ちて夜となりぬ/星野立子
目貼はぐや故里の川鳴りをらむ/村越化石
目貼はぐ海原に藍もどりしと/成田智世子
目貼りして丹後機屋は崖の上/梶山千鶴子
目貼り鳴る夢の中まで汽車の音/田沢凡夢
目貼剥ぐみ仏はなほ厨子ごもり/八染藍子
目貼剥ぐや故里の川鳴りをらむ/村越化石
目貼剥ぐ空のひろさに歌ふ子よ/豊山千蔭
ながらへて恥ある目貼はがしけり/龍岡晋
目張り剥ぐ目張りに猫の爪の跡/宮崎二健
校壁の部屋の広さや目張り剥ぐ/宮崎長山
目張して密教の密いまに守る/上田五千石
目張して空ゆく風を聞いてゐる/伊東月草
俳句例:41句目~
手応えもなく剥されし目貼かな/松田弟花郎
護符のごと目貼を冬の果つるまで/村越化石
目貼してカーテン引きし書斎かな/高浜虚子
目張して山河枯るゝにまかせけり/前田普羅
目張せし機窓のこゝかしこかな/明石/茂子
杜氏部屋らしく目貼りの多きかな/大森扶起子
どこまでも北に来て住む目貼かな/楠目橙黄子
住めばまた住みよきところ隙間張る/原岡昌女
目貼りしてカーテン引きし書斎かな/高浜虚子
温泉の涸れし宿の目貼のたんねんに/亀井糸游
目貼り剥ぎカレンダー剥ぎ閉づ番屋/石川文子
目張りして山河枯るゝにまかせけり/前田普羅
目貼剥ぐ端より洩れくる日の匂ひ/宮本求菩子
童子来よ蚕屋の障子の目貼り剥ぎ/長谷川かな女
生きてゐること忘れられ目貼りせる/田川飛旅子