「水涸る」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「水涸る」について
【表記】水涸る
【読み方】みずかる
【ローマ字読み】mizukaru
子季語・関連季語・傍題・類語など
・渇水期(かっすいき:kassuiki)
・川涸る(かわかる:kawakaru)
・沼涸る(ぬまかる:numakaru)
・池涸る(いけかる:ikekaru)
・渓涸る(たにかる:tanikaru)
・滝涸る(たきかる:takikaru)
・涸池(かれいけ:kareike)
・涸沼(かれぬま:karenuma)
・涸滝(かれだき:karedaki)
・涸川(かれがわ:karegawa)
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季節による分類
・「み」で始まる冬の季語
・「冬の地理」を表す季語
・「三冬」に分類される季語
月ごとの分類
水涸るを含む俳句例
涸川の大禍時や徒渉る/槐太
水涸れて柳短き寒さ哉/呉仙
涸れきつた川を渡る/山頭火
涸川の一むら赤し蓼の茎/鼠骨
涸川に何焚きし灰堆く/高濱年尾
涸れきつた川を渡る/種田山頭火
水涸れてあはれや橋の添柱/平砂
涸滝のなほ執念の一縷かな/翠舟
境内に涸池二つ天竜寺/大場活刀
涸滝を遡りゆく黒揚羽/平林孝子
山水の涸れ~ながら玉走る/王城
涸れ残りたる水鏡暮れ残り/耕衣
岩相の九十九態や川涸るる/林翔
川涸れぬ磧の中の渡り板/高濱年尾
涸谿の木霊言霊冬ざるる/佐原トシ
涸れ滝へ人を誘ふ極寒裡/飯田蛇笏
涸磧梟師は長影をひき/宇多喜代子
祝宴へ幾すぢ涸れし川わたる/林翔
参詣の人に冬涸れ御講水/高浜虚子
涸川に石の放さぬ赤き布/辻田克巳
俳句例:21句目~
涸渓が荒海と会ふ裏日本/津田清子
水涸の水を硯の写経かな/尾崎迷堂
頑に音のんで溪涸れにけり/上村占
銃口に狙われ涸れし沼氷る/飴山實
沼涸れて狼渡る月夜かな/村上鬼城
水涸れて池のひづみや後の月/蕪村
蟒のすむ沼涸れて雲の峯/子規句集
男去る涸滝壺を罵りて/上田五千石
甌穴が三百ほども川涸るゝ/森田峠
涸川の流れの迷ふ大河原/宮田俊子
瀧涸れて垂水の黝く岩づたふ/篠原
滝涸れて垂水の黝く岩づたふ/篠原
滝川の涸れたる岩に人小さし/木国
涸滝の落ちゆく末は風の音/山口草堂
母病めば冬の涸れ溝風通ふ/小林康治
水仙の散華涸れざる現川/下村ひろし
水始めて涸るる磧に鴉ゐて/池田秀水
涸れ河へ白木蓮の聖歌隊/田川飛旅子
水涸れや蝦の泳ぎのすきとほり/良太
涸河の水海となる波立てり/松村蒼石
俳句例:41句目~
涸川を徒渉て恵方の観音堂/関森勝夫
涸川の飴いろ鴉来たりけり/長谷川双
一弟子と涸川わたり伊勢県/巌谷小波
一橋脚さびし涸川もそこに鳴る/林火
水涸るゝ上に道あり人通る/田中裕明
涸川の涸れ灌木に移りけり/高澤良一
水涸れし噴水台は鳩のもの/山本歩禅
水車廻す力を残し水涸るる/池田秀水
傷兵と子に噴泉の水は涸れ/岸風三楼
冬籠火上に瞳涸らしけり/大須賀乙字
水涸れし磧のはてに山眠る/田中冬二
水涸れて人は祷りのあかつきを/鷹女
水涸れて出る杭長し浮寝鳥/塩谷華園
岸と岸繋りそめて川涸るる/藤崎久を
涸川に鳥たつ木曽の夕ぐれは/桂信子
詩藻涸れ金銭感覚鈍りけり/鈴木修一
川涸れの蘆暮れなんとして白き/鴻村
蛇行せる力残して川涸るる/真田清見
簗かけし杭そのままに水涸るる/翠影
妻が指置きても涸れし泉石/桂樟蹊子
俳句例:61句目~
逢坂の蝉の小川は涸れにけり/野呂子
涸川に憮然と橋のかかりけり/大串章
金死して涸れ残る水の氷哉/正岡子規
滝涸れて一枚巌となりにけり/桜坡子
川涸れて包茎の岩現はるる/辻田克巳
涸れつくし母炎天の礫めく/小林康治
谷河の大岩の根に涸れ残る/寺田寅彦
滝つぼの底の大岩滝涸るゝ/伊東柳吟
涸川に影も小石の数もてり/平井照敏
涸るる水さらに三筋に岐れ落つ/爽波
山しづか涸滝も亦静なる/西岡つい女
水涸れて芦の中ゆく径かな/高田蝶衣
涸れきつた父よ臘梅から朝日/伊藤和
渓眠る石ありて水涸れ残る/内藤吐天
放蕩を尽せし滝の涸れにけり/大串章
汗涸れぬ高梁雲を凌ぐ午下/相馬遷子
涸れ川を右し左し探梅行/五十嵐播水
涸瀧の落ちゆく末は風の音/山口草堂
水涸れに尚うつる大榎かな/松浦為王
涸川の杭一禽を得て痩せぬ/池田秀水
俳句例:81句目~
涸川の岩に腹すり鱒ほそる/佐野美智
池涸れて尚ほ青空を映しをり/波止影夫
水涸れて天才少女とはかなし/田中裕明
涸れ川は蒼い包帯村の目覚め/斎藤白砂
涸れ川を鹿が横ぎる書架の裏/中島斌雄
涸川が野梅の裏にまた白し/百合山羽公
涸川の明るさ石を投げてより/鈴木重美
涸川や渡らで遠き梅見人/長谷川零餘子
涸池の光りてそこに水のこる/辻田克巳
涸溝の底つたひ田に人通ふ/川島彷徨子
涸滝にみち突き当る御陵みち/高濱年尾
涸滝のいつまで男去らしめず/倉橋弘躬
涸滝のなほどことなく水落す/高浜年尾
涸滝のにじみそめたる蕗の薹/清崎敏郎
涸滝の風生む力ありにけり/五十嵐播水
涸滝を色めきとびし鶲かな/五十嵐播水
滝涸るる遂に見せざる水の裏/河野南畦
滝涸れて気違ひ照りの紅葉哉/中川宋淵
三輪山の影置く池も涸れはじむ/森田峠
滝涸れて音なき山の深さかな/平林七重