季語/枯園(かれその)を使った俳句

「枯園」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「枯園」について

【表記】枯園

【読み方】かれその

【ローマ字読み】karesono

子季語・関連季語・傍題・類語など

・冬庭(ふゆにわ:fuyuniwa)

・枯庭(かれにわ:kareniwa)

・冬の園(ふゆのその:fuyunosono)

・寒園(かんえん:kanen)

・庭枯るる(にわかるる:niwakaruru)

季節による分類

・「か」で始まる冬の季語

・「冬の地理」を表す季語

・「三冬」に分類される季語

月ごとの分類

11月の季語

12月の季語

1月の季語

枯園を含む俳句例

伐株や紅尽きし冬の園/正岡子規

冬庭や月もいとなる虫の吟/芭蕉

枯園の青年独り鹿を愛す/井上美子

枯園に考へる人青錆びぬ/沢木欣一

枯庭の趣尾振る犬にあり/後藤夜半

現世の枯園過ぎし乳母車/岩永佐保

枯園や汎神論の如き裸婦/対馬康子

枯園に白鳥ばかり胸を反り/飴山實

枯苑の亭に媼の口うごく/横山房子

冬庭や伐り来し竹を五六本/松藤夏山

二つ三つ足袋干す音を枯園に/井上雪

妻も子も何か音持ち冬の庭/加藤秋邨

小鳥来て枯園の水ひきしまる/泉春花

枯園や白き大猫よぎり去る/木下夕爾

枯園の一点光り独楽舞へり/内藤吐天

枯園や靴音家の中行ける/相生垣瓜人

枯園にいまの没日と別れをり/有働亨

枯園に何か心を置きに来し/中村汀女

橋影や吾も渡りゆく枯園へ/永井龍男

枯園に入りて無言の人となる/滝峻石

俳句例:21句目~

睡しや妻枯園の雨川瀬めく/石田波郷

いたづらに石のみ立てり冬の庭/蝶夢

枯園に改宗迫る人の来て/安富すゝむ

枯園に日は和なれや大涅槃/石塚友二

枯園の女に染まる水の意ぞ/古舘曹人

枯園に向ひて硬きカラア嵌む/山口誓子

枯園の吐息のごとく山羊がをり/大串章

枯園や通る犬の尾にぎやかな/田村木国

手術径てはじめての雨枯園に/石田波郷

枯園に紅きもの母の狂気かも/斎藤愼爾

枯園に何処より来しと訊かれをり/柏禎

枯園の低き日人の上にあり/深川正一郎

のら猫の糞して居るや冬の庭/子規句集

落ちて直ぐ湿る白布や冬の庭/永田耕衣

妻出づるやひたき騒げる冬の庭/原石鼎

枯園の木馬は青き目をもてる/岩崎照子

枯園を少年少女駆けて逢へり/小池文子

無職日日枯園に美術館ありき/下村槐太

枯園の何にさはりし手の匂ひ/辻田克巳

冬園のベンチを領し詩人たり/木下夕爾

俳句例:41句目~

ぶらんこを昔下り立ち冬の園/三橋敏雄

冬の園楽しき子等に父母あり/富安風生

冬の園片足折れしフラミンゴ/安斎君子

たとへばや春の七草枯園に/久保田万太郎

枯園の奥に磔刑を受けたまふ/佐野まもる

枯園ヘペテロのごとく歩み出づ/辰巳/宏

犬と来て枯園の陽にまみれけり/大津信子

猫ねむり枯園の陽は黄と澄めり/中尾白雨

枯園や天にも地にもとげをさし/対馬康子

枯園や神慮にかなふ薔薇一つ/中田みづほ

伽羅くゞる庇の下や冬の庭/長谷川かな女

枯園へ時報つづいてデモの鬨/田川飛旅子

冬庭や飯時知りて犬来る/吉武月二郎句集

枯園の音なきひゞきすさまじき/国弘賢治

南京の月枯園にたかきかな/久保田万太郎

心まづ濡れ枯園の雨あたたか/古賀まり子

冬の庭伐られし桐の生々と/阿部みどり女

枯園に大きな日なたありにけり/村山古郷

枯園のいつもどこかに水の音/相川紫芥子

枯園に降りそそぐ星癒えて生きて/百崎左人

俳句例:61句目~

枯園にこころ忘れていで来る/阿部みどり女

枯園としてのやすらぎ水音にも/後藤比奈夫

枯園を亡骸いつせいに見られ行く/石田波郷

枯園を出ていづこへか行かんとす/鈴木花蓑

冬の園出てたそがれし松仰ぐ/阿部みどり女

つくばひの水かへてあり冬の庭/大場白水郎

大木とベンチがありて冬の園/阿部みどり女

孤児どもが群れて威をなす冬の園/小寺正三

枯庭掃く妻を見てゐて見ぬふりす/加倉井秋を

枯園やまづ枯れしづむ芭蕉の穢/久保田万太郎

枯園の日にポケツトのものぬくもる/古沢太穂

枯るゝ苔に樹々応へなし冬の庭/長谷川零餘子

枯園のベンチ一人しかかけられない/加倉井秋を

ルオー描かば明るしや「杭ある冬の庭」/加藤知世子