「枯野」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「枯野」について
【表記】枯野
【読み方】かれの
【ローマ字読み】kareno
子季語・関連季語・傍題・類語など
・枯野原(かれのはら:karenohara)
・枯原(かれはら:karehara)
・枯野道(かれのみち:karenomichi)
・枯野宿(かれのやど:karenoyado)
・枯野人(かれのびと:karenobito)
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季節による分類
・「か」で始まる冬の季語
・「冬の地理」を表す季語
・「三冬」に分類される季語
月ごとの分類
枯野を含む俳句例
茅葺や枯野の口の小商ひ/桃隣
枯野哉つばなの時の女櫛/西鶴
湖のうき上りたる枯野哉/鱸釣
馬叱る声も枯野の嵐かな/曲翠
獲ては男枯野の端通る/桂信子
焼酎の瓶の塒は大枯野/源鬼彦
練塀の内迄も来る枯野哉/移竹
落人の心戦く枯野哉/寺田寅彦
枯野なる心の内を旅すれば/司修
村人の都へ通ふ枯野哉/正岡子規
息杖に石の火を見る枯野哉/蕪村
我形の哀に見ゆる枯野かな/智月
塀越の枯野やけふの魂祭/炭太祇
枯野行刻々沈む日が標/藤田湘子
枯野道少女が赤く赤く過ぐ/苑子
酔泣は号泣となる夜の枯野/林翔
又或日扇つかひゆく枯野哉/暁台
石に詩を題して過る枯野哉/蕪村
大枯野羽咋の湖も亡びたり/欣一
信長の榎淋しき枯野哉/正岡子規
俳句例:21句目~
枯野来し人を喜び牧の犬/佐藤艸
一村は竹緑なる枯野哉/正岡子規
大枯野雲には雲の深轍/河口俊江
信長の榎殘りて枯野哉/正岡子規
藁つんで広く淋しき枯野哉/尚白
牛車十程ならぶ枯野哉/正岡子規
枯野かなつばなの時の女櫛/西鶴
其魂の朱雀もめぐる枯野哉/炭太祇
雲を呼び枯野大円盤の牛/古舘曹人
空ゆけば枯野東南西北に/山口誓子
冬鴉声おとしゆく枯野かな/上村占
また雨の枯野の音となりしかな/敦
切通し出て天辺に枯野星/石塚友二
密々と夕雲満たす末枯野/斎藤道子
陽炎や枯野の時の馬の糞/正岡子規
真直に道あらはれて枯野かな/蕪村
寝仕度の漂鳥騒ぐ枯野星/佐野美智
関屋より道のさだまる枯野哉/召波
夕鴉声おとしゆく枯野かな/上村占
皮剥の業見て過ぐる枯野かな/几董
俳句例:41句目~
銃声す枯野の中の誕生日/対馬康子
小男鹿の重なり伏せる枯野哉/土芳
白旗や枯野の末の幾流れ/正岡子規
蟷螂の尋常に死ぬ枯野哉/榎本其角
虜れの毛布枯野に垂したり/松崎豊
虚無僧の物言ひかける枯野哉/爪流
金州の南門見ゆる枯野哉/正岡子規
枯野吐き出す発熱の兄妹/対馬康子
葬禮の二組つゞく枯野哉/正岡子規
口中に枯野ある夢断続す/栗生純夫
大仏の鐘を見わたす枯野かな/許六
松杉や枯野の中の不動堂/正岡子規
郵便夫今日の枯野を私す/栗生純夫
よはよはと日の行届く枯野哉/麦水
大木の雲に聳ゆる枯野哉/正岡子規
大枯野とぶ一枚の新聞紙/吉田登子
枯野行き横渡りまた枯野行く/風生
四谷から馬糞のつゞく枯野哉/青峨
果しなき枯野枯山石鼎忌/原コウ子
わが庭のごとく枯野をゆく齢/林翔
俳句例:61句目~
大枯野日本の夜は真暗闇/山口誓子
春恋や枯野斜めに抜け来り/安住敦
大枯野母の涙の川ひと筋/吉本和子
生垣に外は枯野や球遊び/正岡子規
道二つ牛分れ行く枯野哉/正岡子規
山遠く川流れたる枯野哉/正岡子規
枯野の家の呼鈴が鳴りゐたり/直人
豆ほどに人を見送る枯野かな/也有
地車の轄ぬけたる枯野哉/加舎白雄
狐かも知れず枯野の宿女/山田弘子
犬吠て枯野の伽藍月寒し/正岡子規
わが馬を埋むと兵ら枯野掘る/素逝
城内に兎狩する枯野かな/野村泊月
大隅のしらす大地の大枯野/西村数
枯野光炎々として書をひらく/窓秋
床下に枯野続けり能舞台/澤木欣一
天災に翻弄されし大枯野/鈴木聖子
熊笹の緑にのこる枯の哉/正岡子規
無提灯で枯野を通る寒哉/夏目漱石
里の子の犬引て行枯野哉/正岡子規
俳句例:81句目~
一枚の葉書運ばれ枯野の家/桂信子
三日月に行先暮るる枯野かな/青蘿
泣く前の大きな瞳枯野星/今瀬剛一
美しき女に逢ひし枯野哉/寺田寅彦
枯野ゆく鳴りを鎮めし楽器箱/静塔
鳥飛んで荷馬驚く枯野哉/正岡子規
仏めく石を見立つる枯野かな/北枝
何やらに鴉群がる枯野哉/寺田寅彦
旅二人話盡きたる枯野哉/正岡子規
子を捨る藪さへなくて枯野哉/蕪村
馬消えて鳶舞上る枯野哉/正岡子規
信長の榎残りて枯野かな/子規句集
働きて帰る枯野の爪の艶/細見綾子
旅二人話盡きぬる枯野哉/正岡子規
雷落ちし松は枯野の初しぐれ/丈草
兵の赤黄枯野遠別糞し行く/齋藤玄
枯野来て人懐しむ奈良古道/伊藤敬子
襖絵の鶴相寄りて枯野閉づ/橋本榮治
衰へし視力枯野の端に立ち/菖蒲あや
夕富士の紅の極まり大枯野/岡田日郎