「冬の星」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「冬の星」について
【表記】冬の星
【読み方】ふゆのほし
【ローマ字読み】fuyunohoshi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・冬星(ふゆぼし:fuyuboshi)
・寒星(かんぼし:kamboshi)
・凍星(いてぼし:iteboshi)
・荒星(あらぼし:araboshi)
・冬銀河(ふゆぎんが:fuyuginga)
・冬星座(ふゆせいざ:fuyuseiza)
・冬の太白(ふゆのたいはく:fuyunotaihaku)
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季節による分類
・「ふ」で始まる冬の季語
・「冬の天文」を表す季語
・「三冬」に分類される季語
月ごとの分類
冬の星を含む俳句例
投函の後ぞ寒星夥し/山口誓子
星冴て寒菊白う成にけり/唄子
故郷のなき晩年や寒昴/塩田晴江
梳る顔のまはりの寒の星/渋谷道
寒星の爛たる眼全天に/相馬遷子
大日や年の天狼海の上/岡井省二
深川へ納め詣や冬の星/武原はん
寒昴父母の息感じをり/老川敏彦
寒星や魂の着る人の肌/三島広志
冬銀河出自は平氏後不詳/妹尾健
天狼の青き光も春めけり/二口毅
荒星に宿雪の昏るる猟の径/八束
裏街や天狼ももう春の星/原田喬
寒昴眼鏡摧けしその夜も/赤尾兜子
冬銀河軋む扉を開け放つ/前田秀子
伊賀泊り苗代寒の星浴びて/太田嗟
寒星の一つを父の星と決め/南桂介
いくたびも震ふ大地や寒昴/桂信子
夕星のもう凍星か山鼻は/村越化石
峡空に寒星集め雪まつり/神取房江
俳句例:21句目~
冬の星消息といふ縁あり/保坂敏子
極上のほくろが創る寒昴/櫂未知子
寝袋に体温満ちぬ冬銀河/小川軽舟
梁のどこか爆ぜゐし冬銀河/島青櫻
山国の縦につらなる寒の星/中拓夫
寒星の弾ける音す手術室/長山遠志
戸の外に清めの塩や寒昴/中沢城子
狼が空に来てゐる冬銀河/石原八束
木守柿夜は荒星を擁けり/関戸靖子
冬銀河魂炎反応始まりぬ/久冨風子
祈りても終る一日冬の星/長島和子
父の眸は島の荒星夏薊/柴田白葉女
寒昴幼き星をしたがへて/角川照子
一天の寒星つれて出航す/中村尚子
仏壇の街というもの寒昴/対馬康子
凍星は末梢神経の労働歌/赤石憲彦
燈台の遠き燈加へ冬銀河/坂本文子
寒星や暮色が海を押しせばめ/林翔
凍星や瞳と呼べば星鎮む/赤尾兜子
火の山へ荒星帰る猫の恋/橋本榮治
俳句例:41句目~
寒星は天の空洞子の病気/西東三鬼
北に耀る寒星母を喪ひぬ/伊東宏晃
寒星の真只中にいま息す/相馬遷子
冬銀河激せば黙すわが性よ/妹尾健
真夜に見る凍星の大舞踏会/滝青佳
空腹時寒荒星と身が潔し/佐野美智
胸中に布石の一語寒昴/保坂知加子
寒昴鉛筆書きの妹の遺書/角川春樹
荒星の一塵もなき額の上/山田珠み
薬喰峡の荒星ともりけり/石野冬青
永遠と宇宙を信じ冬銀河/高屋窓秋
誓子逝く荒星煌と冴返り/伊東宏晃
鬼舞も照る寒星も昔ぶり/橋本榮治
明々と身のうち通る冬銀河/北詰雁人
寒の星うすき光りの娘星/柴田白葉女
寒の星立身出世の明治恋し/岩田昌寿
峡谷の闇に貼り付く寒の星/仙田洋子
冬銀河鳥のつばさは酒に濡れ/橋口等
廂なる寒星溢れ落ちざるや/橋本鶏二
凍星の光に加ふなにもなし/岡田吉男
俳句例:61句目~
寒昴迷ひし時は歩き出す/高平乃布子
凍星の汝弱しとまたゝくよ/大橋敦子
母在せば問ひたきものを寒昴/荒木梢
寒昴病みてぞ正す仰臥の寝/駒木逸歩
犀は角見ながら育つ冬銀河/大石雄鬼
寒昴死後に詩名を顕すも/上田五千石
また一つ家毀たれて冬の星/高澤良一
寒昴仰ぐなり死を告げ来り/水原春郎
火祭に海の荒星なだれたり/猿山木魂
寒星夥しサーカスのあとの天/斎藤爾
寒星の光髪膚にほとばしる/内藤吐天
天に天狼日本狼死に絶えし/島世衣子
寒星をつなぐ絲見ゆ風の中/福永耕二
火の山の上に消えをり冬銀河/上村占
凍星の高きに祈る父癒えよ/菖蒲あや
渓流に雪の荒星なだれたる/野澤節子
再びは生れ来ぬ世か冬銀河/細見綾子
寒星の天の中空はなやかに/山口誓子
寒星をいつも火星を見をさめに/篠原
冬銀河かぶり平和へ道一本/城取信平
俳句例:81句目~
冬銀河けぶる左右に女弟子/中島斌雄
寒星ら出て荒淫をかなしめり/森澄雄
水仙の夜は荒星のつぶて打ち/岡本眸
寒星や転勤の子の辞令待つ/関口美子
冬銀河ほろと男根垂らしたり/糸大八
凍星も星座を組めば煌けり/野澤節子
寒星や男の意地を押し通す/椎橋清翠
母病むと寒星天に集ふなる/山本歩禅
冬の星わが鬢髪に銀を差す/中島斌男
冬の星仰ぎて通夜の聖堂に/稲畑汀子
冬銀河垂れて狼ほろびの地/橋本榮治
寒星や悲しみいつか諦めに/菖蒲あや
冬銀河姥子はひとり来べき宿/及川貞
機関音恋めき遡る冬銀河/平井さち子
凍星や篠山乾く音ばかり/能村登四郎
冬銀河山影かむる陶の町/柴田白葉女
女にはくちびるの栄冬銀河/藤田湘子
冬銀河息吹きかけて眼鏡拭く/平野博
樟脳の匂ふ胸より冬銀河/大久保悦子
寒星はただ天に倚る海の上/山口誓子