「踊」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「踊」について
【表記】踊
【読み方】おどり
【ローマ字読み】odori
子季語・関連季語・傍題・類語など
・盆踊(ぼんおどり:bonodori)
・ぞめき(ぞめき:zomeki)
・盆やつし(ぼんやつし:bonyatsushi)
・おけさ踊(おけさおどり:okesaodori)
・さんさ踊(さんさおどり:sansaodori)
・供養踊(くようおどり:kuyoodori)
・精霊踊(しょうりょうおどり:shoryoodori)
・燈籠踊(とうろうおどり:toroodori)
・切子踊(きりこおどり:kirikodori)
・豊年踊(ほうねんおどり:honenodori)
・木曾踊(きそおどり:kisodori)
・阿波踊(あわおどり:awaodori)
・踊子(おどりこ:odoriko)
・踊場(おどりば:odoriba)
・踊の輪(おどりのわ:odorinowa)
・踊唄(おどりうた:odoriuta)
・踊太鼓(おどりだいこ:odoridaiko)
・踊浴衣(おどりゆかた:odoriyukata)
・踊笠(おどりがさ:odorigasa)
・音頭取(おんどとり:ondotori)
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季節による分類
・「お」で始まる秋の季語
・「秋の行事」を表す季語
・「初秋」に分類される季語
月ごとの分類
踊を含む俳句例
宵闇や門に幼き踊声/太祇
島原や踊に月の昔顔/几董
鹿踊袴の源氏車紋/高澤良一
浦祭祭囃子に波踊り/上野泰
鎌鍛冶と莨百姓盆踊/西本一都
寐て遠く聞や踊も秋の声/素外
風上の踊にわれの足拍子/林翔
尻をつく大道踊夕桜/古舘曹人
月の出て渚近づく踊唄/岸田稚
稲太る月夜の手足盆踊/飴山實
若葉風流球踊挙反り/矢島渚男
椎茸の笠きて踊れ枝蛙/中勘助
狂院をめぐりて暗き盆踊/三鬼
歌いづれ小町踊や伊勢踊/貞徳
踊衆に酒振舞ふや山頭/原石鼎
百姓の手足短し盆踊/宮坂静生
殿様がたお前の沖や踊舟/立詠
山町や清水祭に盆踊/滝井孝作
塀の上蝉取袋二つ踊り/上野泰
福藁や雀が踊る鳶がまふ/一茶
俳句例:21句目~
仰向けば月は踊の真上哉/螺山
一群の踊子来たり寺の庭/眠花
踊り子を次々に呑み太柱/上野泰
よひやみや門に稚き踊声/炭太祇
帰るさに編笠抱え踊人/高澤良一
夢となりし骸骨踊る荻の声/其角
踊笠出番の紐を結び合ふ/堤京子
陰陰と雨の宣澄踊かな/西本一都
月光に篝に顔のなき踊/西本一都
雨乞の踊団扇の雨一字/小西石蕗
雨乞や島の媼の荒踊り/平良和子
雲雀飛てやき踊けり小摺鉢/沾葉
面白やと神も御声や伊勢踊/一鳥
予定表欄外に書く盆踊/楢原清子
交替に姉の出てゆく盆踊/湯川雅
養父入に戻りて京の踊かな/許六
奥信濃鎌の古間の盆踊/西本一都
鹿踊諸流の中の春日流/高澤良一
山国の銀座小暗き盆踊/宮坂静生
踊巧者踊見巧者風の盆/高澤良一
俳句例:41句目~
踊子や貌月になり闇になり/鳳朗
爪先で進み退く阿波踊/山口誓子
盆踊汗水節といふ曲も/沢木欣一
踊娘ら襷の結び目を肩に/森田峠
踊見る人のうしろや秋の闇/定雅
踊場や六尺高き音頭台/野村泊月
阿波踊道が浮々浮々と/松本弘孝
踊納の月に鳴る宗祗水/黒田杏子
漂着の平家供養の盆踊/山口誓子
歎き唄郡上踊を挟む軒/石川桂郎
謝肉祭水売女踊り出す/有馬朗人
観自在王院踊の灯を連ね/辻桃子
狛犬に犬を預けて盆踊/平上昌子
声きけば古き男や音頭取/炭太祇
潮騒の中にて踊笠かぶる/松本旭
姉妹の踊を戻る先後哉/石井露月
山国の夜は更け易し踊唄/北川草
踊笠その紅紐を印象に/高濱年尾
念仏と薄と踊る一遍と/高澤良一
細腰の法師すゞろに踊かな/蕪村
俳句例:61句目~
七夕の踊りになるや市の跡/涼莵
手に袖にはね題目の踊かな/斗文
四五人に月落かかる踊かな/蕪村
盆踊清少納言小町の国/西本一都
盆踊終り櫓に灯を残す/池田秀水
龕燈や郡上踊へ橋渡す/石川桂郎
磧にも鴨川踊待つ人等/橋本青楊
乳乞ひも交る裸の日野踊/鴨/水
看病の娘出しやる踊かな/泉鏡花
白繭にこもる踊の酣は/宮坂静生
寺々の鐘や踊の花に風/立花北枝
赤々と酒酔星や盆踊/肥田埜勝美
ひたと犬の鳴町過て踊かな/蕪村
むら雨の未だ干ぬ町に踊哉/田福
近道は墓地の脇道盆踊/高澤良一
幕間に織子の踊村芝居/有本銘仙
放下踊紋服に唄司る/中戸川朝人
木曾節の正調踊る谿の風/伊藤敬子
踊浴衣は白波模様裾は紺/香西照雄
踊果て遡り来る小声かな/四ッ谷龍
俳句例:81句目~
朝夕に見る子見たがる踊かな/りん
一夜づゝ闇になり行く踊かな/李収
鬼灯の籠さげ朝の踊子や/佐野美智
ふるさとの川の匂へる盆踊/瀧積子
をみならにいまの時過ぐ盆踊/澄雄
踊果つ町筋篝なほ染めて/高澤良一
月赤し雨乞踊見に行かん/正岡子規
足なへの伊那の娘の踊かな/森田峠
巡業の行く先々の盆踊/寿々木米若
大闇に退きし本堂踊たつ/皆吉爽雨
京の雨鴨川踊見るとせん/兼松蘇南
葭切に水打ち誘ふよ踊歌/香西照雄
踊唄終に果てたる風の町/高澤良一
海鳴の思はぬ近さ盆踊/石田阿畏子
店先によべの踊子たたずめる/敏郎
新地駅浪速踊りの案内板/辻田克巳
踊る泡山椒の産む声す/加藤知世子
療苑の盆踊赤ふんだんに/右城暮石
小娘の生先しるしかけ踊/榎本其角
山国の聞けば淋しき踊唄/稲畑汀子