「墓参」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「墓参」について
【表記】墓参
【読み方】はかまいり/ぼさん
【ローマ字読み】hakamairi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・墓詣(はかもうで:hakamode)
・展墓(てんぼ:tembo)
・掃苔(そうたい:sotai)
・墓掃除(はかそうじ:hakasoji)
・墓洗う(はかあらう:hakaarau)
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季節による分類
・「は」で始まる秋の季語
・「秋の行事」を表す季語
・「初秋」に分類される季語
月ごとの分類
墓参を含む俳句例
鼻紙に山蟻払ふ墓参哉/泉鏡花
鬼貫の墓へ参らん志/高濱年尾
島人や重箱さげて墓参り/篠原
故郷や蕪引く頃墓参/子規句集
墓詣樒商ふ小寺かな/伊東牛歩
長子我長子伴ひ墓詣/福田蓼汀
一斉に大掃苔の寂光土/川端茅舎
先立ちし妻を叱るや墓参/森澄雄
掃苔の三人の子の皆女/高野素十
花の雨三十万の墓洗ふ/影島智子
墓参蛇見て女心かな/石島雉子郎
額づけば我が影も亦墓参/湯川雅
荒塩と酒もて洗ふ父の墓/下田稔
墓洗ふ向う滴る唐沢山/高澤良一
三浦には九十三騎や墓参り/乙州
家はみな杖に白髪の墓参り/芭蕉
家族従者十人許り墓参/子規句集
島人ら夜を楽しむ墓参り/森田峠
溝川に花篩ひけり墓詣/芝不器男
黄帷子夕日の中や墓詣/滝井孝作
俳句例:21句目~
掃苔や十三代は盲なる/安積素顔
誰来しか雪の足跡墓詣/木村光子
花筒に水満つる音墓参/県越二郎
鶯のちかづく母の墓洗ふ/松村蒼石
墓参り父の寄進の石階を/亀井糸游
美しき会釈雨上りの展墓/辻田克巳
高澤家長男にして墓洗ふ/高澤良一
新しき靴は疲れて墓詣/青葉三角草
墓洗ふ生涯母の声知らず/野瀬久嘉
馬遠し藻で陰洗う幼な妻/金子兜太
颱風の打つ面伏せて墓洗ふ/及川貞
一身を遊ばせながら墓参り/斎藤玄
大旱の掃苔水を惜むなく/亀井糸游
墓参我拝むゆゑ子も拝む/和田敏子
追憶の一齣苦し墓洗ふ/服部喜久子
墓洗ふ島の乏しき水使ひ/前田白露
先哲の墓に詣るや夏帽子/前田普羅
墓参先人に慚づる事多し/桜井芳水
仕合せはこの世の話墓参/星野立子
秋風裡墓洗ふごと牛磨く/宮坂静生
俳句例:41句目~
墓洗ふ女はなやぐ西日中/杉山岳陽
美しき人の来てゐる展墓かな/篠原
墓参道草食うて帰りけり/寺田寅彦
墓の雪払ひて彼岸詣かな/鈴木康永
花とつて臘白の頬や墓詣/飯田蛇笏
瓜畑を展墓の人や湖は秋/飯田蛇笏
思はざる雪の三日の墓詣/伊達大門
墓洗ふ露の鶏頭応へをり/小林康治
墓にかけ余りし水で顔洗う/上月章
小説の末の末なる墓参り/京極杞陽
島人の手に~鎌や墓参/井上兎径子
掃苔の埃あげたる箒かな/西島麦南
どこの蚊が最も痛き墓詣/高浜虚子
その道の人か利休の墓洗ふ/森田峠
幼弟妹行方不明の墓参り/京極杞陽
詣でたる新墓の前雪光る/飯田蛇笏
身延線掃苔の火が山に見ゆ/上村占
父の貌知らず掃苔四十年/森田薊村
思出の土橋今なく墓参道/松尾緑富
生身より熱き肌の墓洗ふ/鷹羽狩行
俳句例:61句目~
旅鞄駅に預けて墓参かな/阿部一甫
月さして帰るもありぬ墓参/乙/二
弟はジヤバより皈り墓詣/萩原麦草
女ばかり参る墓あり秋彼岸/坂井建
椋鳥を仰ぎ墓参の二家族/藤田湘子
椎の露の朝の気清し墓参/西山泊雲
水溜めて虚子てふ文字墓参/小澤實
掃苔や遠き先祖は別の寺/高木峡川
掃苔や近道をして母来る/野村泊月
掃苔や近道とりて母来る/野村泊月
浦安や子供が洗ふ夜の墓/細川加賀
父母ら行方不明の墓参り/京極杞陽
香煙の蚊をも払ひぬ墓詣/皆吉爽雨
掃苔や相かへり見て兄弟/高濱年尾
蟹穴を佛の通る詣り墓/八牧美喜子
畦豆の花咲く時の墓参り/細見綾子
掃苔や明治移民の無縁墓/貝原秋峯
法名の無き青邨の墓洗ふ/小島左京
空ふかく草の青汁墓参父子/上村占
立志伝なき一族の墓参り/吉田健一
俳句例:81句目~
青空に消ゆる頭痛や墓参/野村喜舟
掃苔やお天道さまと山嫗/宮坂静生
墓洗ふ肩に囁く彼岸西風/巌谷小波
薩もなき径一すじに墓参/岡本松浜
掃苔の桶も帚も沙羅の雨/木田一杉
衣鉢継ぐ心ひそかに墓参/添田紫水
見し人も孫子になりて墓参り/去来
人々の昼餉どきなり墓詣/波多野爽波
墓参りひと雨過ぎし草匂ふ/山田弘子
墓参り指さき熱き石の文字/大谷美入
元禄の人の墓にも詣りけり/松藤夏山
冬海の荒れをうしろに墓詣/河野南畦
墓洗ふ夫と通ひし道を来て/石川栄枝
松の塵をりをり落つれ墓詣/芝不器男
芽山椒の舌刺す一茶の墓詣/野澤節子
夾竹桃花無き墓を洗ふなり/石田波郷
身に匂ふ古葉朽葉や墓参り/増田龍雨
墓参途中線路を渡りけり/佐々木六戈
遠雷や墓参のための海渡る/対馬康子
掃苔の並べ貸すなる痩帚/後藤比奈夫