「七夕」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「七夕」について
【表記】七夕
【読み方】たなばた
【ローマ字読み】tanabata
子季語・関連季語・傍題・類語など
・棚機つ女(たなばたつめ:tanabatatsume)
・星祭(ほしまつり:hoshimatsuri)
・牽牛星(けんぎゅうせい:kengyusei)
・彦星(ひこぼし:hikoboshi)
・犬飼星(いぬかいぼし:inukaiboshi)
・男星(おぼし:oboshi)
・男七夕(おたなばた:otanabata)
・織女星(しょくじょせい:shokujosei)
・妻星(つまぼし:tsumaboshi)
・女星(めぼし:meboshi)
・機織姫(はたおりひめ:hataorihime)
・棚機姫(たなばたひめ:tanabatahime)
・女七夕(めたなばた:metanabata)
・星迎(ほしむかえ:hoshimukae)
・星の契(ほしのちぎり:hoshinochigiri)
・星の恋(ほしのこい:hoshinokoi)
・星の妹背(ほしのいもせ:hoshinoimose)
・星の別(ほしのわかれ:hoshinowakare)
・星今宵(ほしこよい:hoshikoyoi)
・乏し妻(ともしづま:tomoshizuma)
・七夕竹(たなばただけ:tanabatadake)
・七夕送り(たなばたおくり:tanabataokuri)
・七夕流し(たなばたながし:tanabatanagashi)
・七夕竹売(たなばただけうり:tanabatadakeuri)
・芋の葉の露(いものはのつゆ:imonohanotsuyu)
・七夕棚(たなばただな:tanabatadana)
・七夕雨(たなばたあめ:tanabataame)
・鵲の橋(かささぎのはし:kasasaginohashi)
・七夕紙(たなばたがみ:tanabatagami)
・七夕色紙(たなばたしきし:tanabatashikishi)
・短冊竹(たんざくだけ:tanzakudake)
・星宮祭(ほしのみやまつり:hoshinomiyamatsuri)
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季節による分類
・「た」で始まる秋の季語
・「秋の行事」を表す季語
・「初秋」に分類される季語
月ごとの分類
七夕を含む俳句例
病室に七夕笹の釘探す/年尾
星合や暁になる高灯籠/其角
七夕や火の粉糸引く煙出/敏雄
七夕の竹青天を乱し伐る/原裕
山上に杉生は重し星祭/斎藤玄
木津川や臼に棚かく星祭/尚白
七夕や風にひかりて男袖/耕衣
七夕や襖隔てゝ人通り/原月舟
七夕や男の髪も漆黒に/草田男
七夕の夜汐しぶける浜祠/龍太
女老い七夕竹に結ぶうた/鷹女
星合の後山を払ふ巽風/飯田蛇笏
星合や長生殿の水時計/松瀬青々
旅の夜の七夕竹を見る手摺/槐太
七夕や御代長月の古簾/会津八一
漁了へて男の眠る星祭/鈴木太郎
星合や山里持ちし霧のひま/其角
湖や七夕竹を流したる/尾崎迷堂
東京の星の遠さよ星祭/河野美奇
遠里や七夕竹に虹かゝる/泉鏡花
俳句例:21句目~
七夕や水髪結ぶ町娘/高橋淡路女
星祭女心のねもごろに/豌豆痩石
面影や港にひらく星祭/阿部完市
石の上七夕の蝶けむりをり/楸邨
七夕や少し影さす高遣り戸/芦風
七夕竹そよぐ風待ち水を打つ/貞
山の雲七夕竹に来て遊ぶ/不二子
七夕や藍屋の女肩に糸/黒柳召波
七夕の竹を貰ひに母の家/上野泰
隣への藪結わけて星祭/斯波園女
七夕の竹伐り担ぐ寺男/塚田秋邦
廓女に昼よりの客星祭/友草寒月
妹に七夕星を教へけり/正岡子規
七夕竹人の夕餉の覗かるる/欣一
七夕の管弦起る臺かな/数藤五城
七夕に貸さねば疎し絹合羽/杉風
七夕の膳の滝川豆腐かな/龍岡晋
遠方人へ襟合す老星祭/香西照雄
七夕や笹に霧吹く看護生/津田渡
七夕竹分教場に机六つ/相馬遷子
俳句例:41句目~
店員の見合話や星祭/八牧美喜子
帯にして鳴海のしぼり星祭/澄雄
七夕の街に求めし星の本/上村占
屑籠を女曳きゆく星祭/和知喜八
七夕の踊りになるや市の跡/涼莵
織女に老の花ある尾花かな/嵐蘭
忍ぶや暮かし編笠を男七夕/立吟
古郷の子に子ありけり星祭/士朗
北岸にさびたは栄え星祭/齋藤玄
大方は妻の筆跡願の糸/高澤良一
縁側に七夕紙と硯かな/高木晴子
包帯に患部包める星祭/高澤良一
七夕や長生殿の水時計/松瀬青々
冬瓜の尻のしもふり星祭/辻桃子
六日たつ秋のこゝろや星祭/美角
七夕や些少ながらの祝儀樽/一茶
箒川七夕の笹流れきし/黒田杏子
七夕の女心の糸結ぶ/石本めぐみ
晴明の頭の上や星の恋/夏目漱石
七夕や馬すすまする川の端/銭正
俳句例:61句目~
七夕や小縁の端の塗机/角田竹冷
七夕の忍びながらも光かな/松吟
片親の不憫は胸に星迎/土田桃花
病涯に書の弟子童星祭/鹿山隆濤
病棟に願ひの多き星祭/柳瀬重子
七夕や暮露よび入て笛をきく/其角
星合のそれにはあらじ夜這星/左繍
七夕や檜山かぶさる名栗村/秋櫻子
うれしさや七夕竹の中を行く/子規
七夕や武蔵野低き山に果つ/有働亨
星合にもえ立つ紅やかやの縁/孤屋
逆立ちし七夕紙に歌逆立ち/上野泰
七夕や水に浸りし砂を踏み/日原傳
願ひより祈りを深く星祭/立川華子
大ぶりに進学塾の七夕竹/高澤良一
雲を出し月上弦や星祭/高橋淡路女
七夕や甘露寺寺内芋ばたけ/龍岡晋
雨戸なほ戸袋のなか星祭/鷹羽狩行
女の子七夕竹をうち担ぎ/高野素十
七夕に一色殿の馬を見ん/斯波園女
俳句例:81句目~
七夕に出でて兎も野をかけれ/酒堂
七夕に契り置きてし初桜/上島鬼貫
門川の大きな波や星祭/大峯あきら
七夕や窓あをあをと閨厨/古舘曹人
遊女屋のあな高座敷星まつり/汀女
西陣や裂に歌書く星祭/薄木千代子
貝化石展に七夕竹飾る/中戸川朝人
七夕や芭蕉人麿一枝に/島村元句集
草負うて男もどりぬ星祭/石田波郷
七夕や莢鳴つてゐる豆畑/藺草慶子
玄関に七夕竹や京の宿/五十嵐播水
一枚の紙に七夕笹しなふ/後藤夜半
七夕の夜ぞ更けにけり几/飯田蛇笏
色ならば次男は黄色星祭/黒沢孝子
七夕の夜の沖から定期船/浜野英子
潮騒や七夕柳散るもあり/臼田亞浪
織女星老婆一生の杖先に/齋藤愼爾
孟宗を七夕竹として故郷/福永耕二
七夕の夢のうきはし烏鵲かな/宗鑑
竹立てゝ夕日尚あり星祭/野村泊月