「終戦記念日」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「終戦記念日」について
【表記】終戦記念日
【読み方】しゅうせんきねんび
【ローマ字読み】shusenkinembi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・終戦の日(しゅうせんのひ:shusennohi)
・敗戦の日(はいせんのひ:haisennohi)
・終戦日(しゅうせんび:shusembi)
・敗戦日(はいせんび:haisembi)
・敗戦忌(はいせんき:haisenki)
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季節による分類
・「し」で始まる秋の季語
・「秋の行事」を表す季語
・「初秋」に分類される季語
月ごとの分類
終戦記念日を含む俳句例
日本中八月十五日暁/池田澄子
箸置に箸八月十五日/川崎展宏
我泪見て妻笑ふ終戦日/岩脇五風
八月十五日木影が家の中/中田剛
新聞の隅々漁る終戦日/高澤良一
石榴握りしめ終戦日弟よ/原田喬
に塩ふつて八月十五日/栗原雅代
松杉うらがは八月十五日/松澤昭
湾に浮く朝の黒富士敗戦忌/益田清
省略の多き生き方終戦忌/御崎敏江
合鍵で開ける八月十五日/内田美紗
病院は軍艦に似て終戦日/高澤良一
抱き地蔵軽き八月十五日/犬塚南川
桜貝は遺骨八月十五日/櫛原希伊子
水打つて桑戸八月十五日/川崎展宏
茶煙の短く立てる終戦日/高澤良一
落日も河も壮年終戦日/小檜山繁子
片爪の蟹這ふ八月十五日/木内彰志
空缶を蹴つて八月十五日/那須淳男
空蝉や背割れ八月十五日/河野南畦
俳句例:21句目~
船の胴水吐き八月十五日/池田秀水
鳴き砂の浜の八月十五日/丸山嵐人
青柿の累々と終戦日なり/有馬籌子
終戦日夕餉の椀に貝の砂/今村妙子
半鐘の錆吹く村の終戦日/羽吹利夫
腕組んで眠る女や敗戦忌/渡辺夏紀
天牛の机を噛めり敗戦忌/白岩三郎
木立みな影を短く敗戦日/作田幸子
大皿に握り飯ある終戦日/都筑智子
天皇と皇后のゐる終戦日/齋藤美規
沖に陽の長き沈黙敗戦日/伊藤文子
三猿が支ふる巨像敗戦忌/香西照雄
叫喚に似る落日の敗戦忌/小出秋光
掩体に蝙蝠巣くふ終戦日/高澤良一
敗戦を語らぬ夫や敗戦忌/松原みき
敗戦忌檻を信じて虎の前/大塚まや
敗戦忌都庁茜の空にあり/成島淑子
木立みな影を短く敗戦忌/作田幸子
卓袱台で卵割る音敗戦日/高澤良一
流す汗今若からず終戦日/手島靖一
俳句例:41句目~
灰皿に灰横たはる終戦日/高澤良一
終戦日芦の中より舳出て/友岡子郷
店頭の鮎を見てをり終戦日/川崎展宏
けふの花木槿落ちけり終戦日/及川貞
終戦日母の祈りの海に向く/植木緑愁
森の黙に星座集いて敗戦忌/酒井弘司
落書が紙幣にありて敗戦忌/土生重次
敗戦忌寝ざめの胸毛茫々と/中島斌雄
終戦日路傍に拾ふ一円貨/初川トミ子
また一つ歯を失へり終戦日/矢野滴水
子の声の傷無き若さ敗戦日/岡田貞峰
敗戦日戦ひし子に供華せめて/及川貞
敗戦日人を上目に豚が見る/川口重美
隣へ貸す八月十五日の大鍋/寺井谷子
敗戦日働く蟻の腰くびれ/松倉ゆずる
白むくげ白無垢八月十五日/川崎展宏
九官鳥を真似る直立終戦日/嶋野國夫
片蔭も無く行く八月十五日/須川洋子
敗戦忌人の話のややうたて/辻田克巳
土熱く灼けゐし記憶終戦日/沢木欣一
俳句例:61句目~
季なしの茸を炒め敗戦日/鳥居美智子
南冥の明けやらぬ空敗戦日/武澤林子
米櫃に棲むははの声敗戦忌/木田千女
血のごとき一声の蝉終戦日/桜井博道
敗戦日少年に川いまも流れ/矢島渚男
嗚呼嗚呼と鴉八月十五日/北見さとる
泪とも汗ともわかぬ終戦日/今泉貞鳳
洋装で草履はく母終戦日/尾沼チヨ子
洗ひ場の塩乾びたる終戦日/宮坂静生
戦死戦災死者忘却や敗戦忌/橋本夢道
片蔭に過去の片蔭終戦日/百合山羽公
終戦の人ら泳げり敗戦日/鈴木六林男
醤油瓶醤油尽きかけ終戦日/高澤良一
糠床に粗塩を足す終戦日/丸山美奈子
紙一枚で男が去りし終戦日/醍醐味風
八月十五日烈火の薔薇を買ふ/石寒太
八月十五日ますます乱反射/有馬英子
終戦日といふ一日を人はみな/岸田稚
敗戦忌煤け雀の地に降りて/岸風三樓
終戦日ゆふべ真白き米磨いで/樋笠文
俳句例:81句目~
しろがねの葬花八月十五日/猿山木魂
終戦忌杉山に夜のざんざ降り/森澄雄
鳩に横顔見せて男の敗戦忌/堀部節子
髪染めて己あざむく終戦日/雨宮抱星
雲間より烈日出でて敗戦忌/竹田一郎
道頓堀を靴流れゆく敗戦忌/木田千女
終戦日子の直球を受けにけり/小島健
夕焼けてすさむ家うち敗戦忌/岡本眸
終戦日戦友と奉納機関車触る/河秀風
命綱たのむをかしさ敗戦忌/巌谷小波
終戦日柊の木をいじめたり/宮坂静生
しらじらと橋を曝せり終戦日/西村和子
青柿の真昼地を打つ敗戦日/岡本まち子
風のあることが救ひや敗戦日/高澤良一
この空を奈落より見き敗戦忌/岡田貞峰
茣蓙を巻くことも八月十五日/柿本多映
近づききて過ぎゆく八月十五日/的野雄
一切は過去と云うても敗戦忌/高澤良一
原色のシャツに横文字終戦日/西尾照子
堪ふる事いまは暑のみや終戦日/及川貞