「薬掘る」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「薬掘る」について
【表記】薬掘る
【読み方】くすりほる
【ローマ字読み】kusurihoru
子季語・関連季語・傍題・類語など
・薬採る(くすりとる:kusuritoru)
・薬草掘る(やくそうほる:yakusohoru)
・茜掘る(あかねほる:akanehoru)
–
季節による分類
・「く」で始まる秋の季語
・「秋の生活」を表す季語
・「晩秋」に分類される季語
月ごとの分類
薬掘るを含む俳句例
薬掘昔不老の願あり/夏目漱石
薬掘る大粒の雨湖に/中川志帆
薬掘る獣に鳥に人間に/伊東達夫
薬掘もどりし音の筒井筒/上村占
薬掘蝮も提てもどりけり/炭太祇
一山の薬掘り得で書半巻/尾崎紅葉
平安の壺出できたり薬掘る/辻桃子
薬掘るその手に重き橋造/赤尾兜子
萱山に濃き影落し薬掘る/皆川盤水
薬掘るふもとは恋の歌枕/津森延世
薬掘松下の石に憩ひけり/浜田波静
袋よりのぞける髭根薬掘/東出善次
飄然と薬や掘りに本草家/尾崎紅葉
この雨は高野へ続く薬掘/長谷川草々
薬掘る夢想無念の頭陀袋/殿村菟絲子
薬掘りけふは蛇骨を得たるかな/蕪村
薬掘る巌におろせし縄梯子/目黒白水
薬掘る樵者病もなかりけり/中山蕗峰
薬掘る吐息が霧となる夕べ/橋本榮治
薬掘る人に声かけ道険し/浅井青陽子
俳句例:21句目~
薬掘り間なくはじまる天の雲/上村占
薬掘洞口に木の葉焚きにけり/坂桂株
薬掘笠をかむりて女かな/宇佐美野生
高尾嶺のいまだ空林薬採り/皆吉爽雨
青き海見ては薬草掘りにけり/松本旭
薬掘る人々か強き國訛り/安斎櫻カイ子
薬掘る一約束も果さずに/伊津野/朝民
薬掘る留守を訪ひけり本草家/尾崎紅葉
薬掘れば又雲が来て谷を這ふ/中川四明
その君が薬掘りとは爺むさい/高澤良一
ブラジルに長生したく薬掘る/荒木宗平
愚に堪へて鳩も吹きけり薬掘/松瀬青々
日本語すっかり忘れ薬掘る/栗原義人堂
薬根掘るむかし伯耆の狂言師/中村苑子
花言葉無きものばかり薬掘る/浦野芳南
鎌の刃にてりかへす日や薬掘/桜木俊晃
阿蘇をわが庭と歩きて薬掘る/阿部小壺
萱原の日にうづもれて薬掘る/木村蕪城
馬柵ぬちも阿蘇の大谷薬掘る/井沢正江
薬掘つて接心に入る僧のあり/藤原如水
俳句例:41句目~
十薬をざくざくと掘り未亡人/横山節子
薬掘くらくなりたるみちもどる/宮津昭彦
山深く薬を掘りに行きしといふ/佐藤紅緑
唖々として薬を掘れば咎なし/田中田士英
薬掘りに狐狸に軽重問はれけり/高田自然
掘つて帰る薬草紫花を開きけり/喜谷六花
むらさきの寝釈迦の前に薬掘る/池田世津子
薬掘り茂れるほどには根の穫れず/肱岡恵子
薬掘らんと雲分け入れば温泉の匂ひ/豌豆痩石
採るならひ今につづけて薬の日/宮城きよなみ