季語/青柿(あおがき)を使った俳句

「青柿」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「青柿」について

【表記】青柿

【読み方】あおがき

【ローマ字読み】aogaki

子季語・関連季語・傍題・類語など

季節による分類

・「あ」で始まる夏の季語

・「夏の植物」を表す季語

・「晩夏」に分類される季語

月ごとの分類

7月の季語

青柿を含む俳句例

青柿の雨大粒に三時打つ/中拓夫

柿青む畑の中の初一念/古舘曹人

青柿に山影移る天武陵/角川春樹

青柿や一番奥の墓大き/岸本尚毅

青柿の家に集る無尽講/瀧澤伊代次

青柿や丹波黒牛その仔牛/右城暮石

青柿の一生寄捨の庵して/古舘曹人

初鴉はや氷上に奪ふもの/原田柿青

城守る青柿ばかり会津なる/杉本寛

青柿の累々と終戦日なり/有馬籌子

弟の忌の青柿に雨はげし/菖蒲あや

青柿や昼餉の茶碗洗ひ伏せ/滝春一

流氷のとざせる中の利尻富士/柿青

青柿の昃るは母の黙の刻/村沢夏風

鮮寺を青柿に立出でにけり/京極杞陽

青柿の堅さ女の手にすわる/西東三鬼

四角ばる青柿の面蟹に似て/高澤良一

颶去る月青柿をてらしけり/石原舟月

夜の目の家族青柿硝子越し/桜井博道

青柿を数ふ父の死へだたりて/杉本寛

俳句例:21句目~

青柿の上枝に父の曠野見ゆ/佐藤鬼房

青柿や飼屋の前の土掃かれ/石田勝彦

青柿や鈴屋旧居ほの暗し/山田みづえ

山すこし赤く竹藪ゆるゝかな/山崎斌

青柿や秘仏小さき円通寺/加藤三七子

青柿の野口英世の生家なり/久米三汀

青柿の蔕より青き月夜かな/真鍋呉夫

青柿や猫来れば啼く籠の鳥/依光陽子

柿青し御詠歌にして子守唄/加藤覚範

柿青し鏡いらずの鬚を剃る/石川桂郎

青柿や昔のままの釣瓶井戸/上山和子

青柿や夢の数々捨ててきし/太田土男

青柿の尻辺に廻る雨滴かな/高澤良一

青柿や塗師と呼ばれて優男/清水緑子

青柿や医師の偽り妻と聞く/内山亜川

青柿や余生の門は田に開く/古舘曹人

青柿や遊びつかれし子の熟睡/滝文太郎

青柿や錆びし飼葉の切断機/清水百合子

青柿を仰ぐや吉男忌も過ぎし/館岡沙緻

青柿を踏み忘れたき悔のあり/石川文子

俳句例:41句目~

青柿山房灯る高さに春の雨/鳥居美智子

円かなる月や/元日の夕ベにて/山崎斌

大寒やもの音のみに隣り合ふ/西村青柿

楢葉くらく/縁に月さす新盆会/山崎斌

山見えてゐて青柿の雨止まず/川村紫陽

敬老の日や青柿は熟れゆくのみ/瀧春一

春立つや日月二池を小さく掘り/山崎斌

柿青き山の町水湧きはしる/川島彷徨子

濡れ放題濡れ青柿の数殖ゆる/菖蒲あや

熊出れば出た時の事山女釣る/原田柿青

菊正宗の一升瓶沢山ホテルかな/山崎斌

裏窓を飾る青柿吾子生れし/深見けん二

青柿の一病ありて落ちにけり/仲佐方二

青柿に二つはげしく蝶々かな/岸本尚毅

青柿のすとんと落ちし本籍地/池上拓哉

青柿の花活け水をさし過ぎぬ/飯田蛇笏

青柿の太るといへど父なき家/菖蒲あや

青柿の真昼地を打つ敗戦日/岡本まち子

青柿の瞳を閉ぢてゐるところ/大石雄鬼

青柿の落つる気配に母逝きぬ/相馬沙緻

俳句例:61句目~

青柿の闇を濁さず落つる音/斎藤みゑ子

青柿やアルバムに見る幼な顔/阿部寿雄

青柿や土中の壺は罅の綺羅/小檜山繁子

青柿や屋号うすれし味噌の桶/坂内佳禰

青柿や父子相逢へば国憂ふ/赤城さかえ

あひびきの影の別れて青柿落つ/石川桂郎

うからみな愁しみもてり柿青く/巌谷小波

火のごとき波雲青柿鈴なりに/柴田白葉女

青柿や帯織りつぎて石田てつ/深見けん二

橋に来て虫送る火のおとろへぬ/堀/青柿

青柿の落ちしより早かびそめし/高濱虚子

子を抱くや青柿栗とふりかぶり/石川桂郎

青柿の月日やけふも雨そそぐ/長谷川素逝

青柿の落つる音なり夜のとばり/浜田被坡

青柿に降るやみどり子泣かしおく/齋藤玄

手をとりてはつ女とくぐる青柿を/及川貞

青柿の白くはじまる山の冷え/鳥居おさむ

青柿やはかなき霊にともす燭/三十尾藤男

青柿の下にやさしい顔あつまる/加藤青女

青柿の青のきびしさ地をうてり/石原舟月

俳句例:81句目~

子規まつる柿青けれど供へけり/河野静雲

青柿やかみなり親爺の齢になり/高澤良一

青柿やこの道に師と呼ばしめず/石田波郷

芭蕉茂りて一青柿をつつみたり/松村蒼石

青柿が青柿を見て夕焼けたり/千代田葛彦

変人と青柿は澄みわたりけり/増田まさみ

青柿が落ちて月光鳴りはじむ/増田まさみ

蒼蝿の人のいかりにまだ触れず/西村青柿

青柿のうしろもの焚く音はじけ/佐野美智

ちっぽけな青柿にしてお恥ずかし/高澤良一

ブランコのゆれて青柿ふって来し/長野豊子

青柿の落ちておどろく魂送/五十崎古郷句集

青柿の一つ落ち屋根に猫眠る/阿部みどり女

青柿のこつこつと落ち寝ねがたし/水原春郎

青柿に子盗ろの暮色下りてくる/佐野まもる

青柿の雨滴ぴしゃりと浴びにけり/高澤良一

青柿は青柿の家のたましいかな/鴻巣又四郎

青柿のげんこつほどが落ちてゐし/佐藤和枝

青柿やステンドグラス割つてみたし/皆吉司

粉噴く青柿俗の一指も触れ得ぬ人/香西照雄